音を愉(たの)しむ
毎日毎日耳に飛び込んで来る音は、騒音や雑音や不快音で、自分の聴きたい音では無い。他人のヘッドフォンの音漏れは、聞きたくも無いのに聞こえて来る。つまり耳は日々聴きたい音の総量よりも、聞きたくない音の総量が常に上回った状態に慣れきっている。ゲーム中毒の子供たちは、耳が歓(よろこ)ぶいい音に触れなくなって、音楽への関心も薄れている。川のせせらぎ音は、スマホで聴いても癒やしにはなるけど、まず聴かないのだろう。自分の耳に心地良い音とはどういう音なのか、もう一度再確認する必要がある。都会の喧騒っていいよねと、言ってしまうその感覚はもう既に狂って来ている。音は音楽である以前に純粋に音として心地良くなければならない。それはメロディーやリズム以前の純粋な音の持つ心地良さなのである。あの人のベースはいい音を出すね、そういった心地良さである。音量のデカさでは無い。高額なスピーカーの出す音でも無い。音自体の持つ心地良さに触れないといけない。不快音で耳は穢(けが)れ、音に拒絶反応を示し、良い音を見失って行った。自分にとって本当に心地良い音を取り戻そう。雑音や騒音で無い自分の耳と右脳が愉悦する音を聴こう。
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