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9/20 TOKYO CALLING あとがき

平素よりお世話になっております。高島です。

昨日はTOKYO CALLING、会場はTSUTAYA O-EASTにて出演させていただきました。
最終日のトップバッター、早い時間にも関わらず観ていただいた皆さま、誠にありがとうございました。

次回の東京公演は10/1(金)、恵比寿リキッドルームにて「1st FULL ALUBM「化かし愛」RELEASE TOUR <バカ試合>」を開催します。
昨日初めて観てくれた方も、いつも応援してくれてる皆さまも、ご都合合わせてご来場くださいませ。
よろしくお願いいたします。

前の記事で北海道・仙台ツアーを振り返ってみましたが、予想以上の反響があり、また僕自身も書いてて面白かったんで、今回もライブ当日の振り返りを書いてみます。
前回、変に下心を出してしまいましたが今回は課金しなくても全部読めます。それでは、ゆくぞ。

早起きの地獄螺旋

TOKYO CALLING最終日のトップバッター。
ライブに遅刻なんて言語道断ですが、出演時間がお昼のため油断はなりません。
ライブの際は楽器を一律管理している倉庫(都内)に集合し、ライブハウス(会場)へ車で出発、が僕らのテンプレートになってます。
今回は機材の関係上、車を一台別途用意する必要があるため、上記行程の前に「レンタカー屋さんに集合」が挟まります。
レンタカー屋さんに集合する人はAM 8:30に某駅前の店舗前にね、とマネージャー。

8:30集合ってことは余裕持って8:00には着いてたいよね、ってことはさらに余裕持って7:00には家を出たいよね。
ってことは朝6:00には起きてたいよね、ってことは最悪を想定して5:30にはアラームをかけておきたいよね。

ちなみにその某所レンタカー屋さんと自宅までは電車で40分ほど。
唯一頭にあるのは「遅刻だけは絶対に許されない…!」だけ。それだけで毎度このタイム感になっています。

前回の反省を踏まえ、きっちりをアラームをかけ就寝。
案の定5:30ぴったりに起床成功し、コーヒーを飲んでみたり煙草を吸ってみたり部屋の片づけをしてみたり、と無限の時間を過ごします。
もちろん、当日の準備なんかは前の晩に済ませています。

「こ、これ以上やることねぇ…。」
そんな折に時計を見れば7:00。ようやっと無間地獄から抜け出せます。
喜々として出発、一路レンタカー屋さんを目指します。


仕事へ向かう「聖者」たち

集合場所に指定されたレンタカー屋さんに着いたのは7:50。
「アイツはなぜか集合時間の40分前には、もうそこに居る(一瀬(Gt.))」という伝承はこのようにして生み出されているのです。

コーヒーを飲んでみたり、煙草を吸ってみたり、今度はモンスターエナジーを飲んでみたり。
エガちゃんねるを観てみたりしていると、前方から真也さん(Ba.)が登場。

時刻は8:20。こんな時間にも関わらずキャリーケースを転がし、歩いていくフレッシュな女の子の集団を見てると「やっぱ僕らみたいにこの時間からライブとかやってる人いんすかねぇ」と気になってくる。
ぱっと見アイドルっぽいし、なんかサーキットイベントとかやってんじゃない、と真也氏。
意味のない、犬も喰わぬ会話を繰り広げていると時間きっかりにマネージャー氏到着。
ハイエースに乗り込みレンタカー屋さんのおじさんに見送られながら出発。
朝も早いのにハツラツとした接客、感服します。

男三人、Noisy事務所へ向かいます。窓を開けると秋の訪れか早朝のそれか、風が心地よい。
一人うっとりとしていると隣に止まったベンツ、助手席に座った素行の悪そうな男性がこちらを見つめている。
とにかく気付いていないフリを続けます。


メンバー・スタッフ・機材・お立ち台、全員集合

「Noisy」とはMOSHIMO岩淵(Vo.Gt.)一瀬(Gt.)が設立し、両名が所属しているクリエイティブ全般を請け負う企業。
都内某所に制作スタジオがあり、そこにいる二人をピックアップしハイエースを乗り付けます。

事務所前にはなぜかポストを一点見つめているポチ(岩淵)。
ライブの時はリュックとは別途、大きなボストンバッグを持っているがあれには一体何が入っているんだろう。
衣装、靴、ドライヤー類をもってしても余りある。いつも不思議に思っているが、たずねてみる気概も、僕にはない。
おはよー、と一瀬とも合流。件の倉庫へ向かいます。

ハイエースに揺られているとスマホが鳴る。なんだろう、とポケットから取り出してみるとApple Arcadeからの通知が。
「「悪魔城ドラキュラ」シリーズ完全新作がApple Arcadeに登場」

おぉ懐かしい、小さいころ友達の家でめっちゃやってたゲームやん。
「悪魔城ドラキュラ黙示録」と「黙示録外伝」があって、チェーンソー持った不死身の大男に追いかけられたり、でっかい犬に追い掛け回されたり、と良い思い出ばかり。
ゴシックホラーの音楽も世界観とマッチしていて、そういった思い出の端々から作曲を志したのだった。あの情熱はいずこへ。

さっそくアプリをインストール、ダウンロードが完了する間に機材を積み込みます。
この作業も手慣れたもんで、キャビネットを引っ張り出してアンプを載せ、お立ち台を載せ、と10分ほどで完了。
いよいよ会場のTSUTAYA O-EASTへ向かいます。


搬入~サウンドチェック

そういえばO-EAST、最後に出たのはいつだっけ?
TSUTAYA~になるよりもっと前、たぶん大学生だった頃。
なんのバンドで出たんだっけ?いや、そもそもなんかのイベントに呼ばれて叩いたような…、だめだ全然想い出せない。

今も昔も、過ぎていったことはあまり覚えておらず、過去に会った人でも「初めまし…、あっ、あの、○○でご挨拶させてもらいましたよね…?」みたいなことがよくある。
ホントに良くない。自分だってされたらイヤなクセに、せめてそういう人のことだけはしっかりやらんと、と思っているとO-EAST通用口によく見る顔が。

Noisyスタッフで、ドラマーでもあるりゅういち氏。
ドラムのレッスン前に時間が作れたらしく、手伝いにきました、とのこと。
彼は年齢の割にめちゃめちゃ「ちゃんとして」て、いつもすごく助かっている。
彼が所属しているシンガーズハイも、とても快活なバンドなのでチェックしてほしい。

イベンタースタッフさんもたくさん来てくれてベリースムーズに機材搬入完了。重かったでしょうに、ありがとうございました。

業務用エレベーターに乗り、階上に昇るとそこはステージ上手(かみて)ウラ。ここから機材をステージに運ぶのでこれまたスムーズ。
機材はステージ脇に置き、我々はいったん楽屋へ。リュックを置いて一息つきたいところですがそうはいきません。

ドラムを一からセッティングし、パソコン周りを立ち上げて、と自分の「仕事場」を作るのにはなかなかの時間を要します。
ひとりステージに舞い戻り、機材を開封していきます。
ドラムセットを組み終わらないとマイキング(マイクのセッティング)ができないため、PAさん(音響)的にもスタッフさん的にも、セッティングは早ければ早いほど良いのです。

「これは使います、これは使いません」とスタッフさんに移動をお願いし、バラバラとスタンド類を並べます。
余談ですが、軽量のシンバルスタンドは倒れる可能性があって危険なため、平均して5kgほどの重さがあります。
数えてみるとシンバルスタンドだけで6本あるので、僕の場合スタンド類すべてのハードウェアを足すと40~45kgある計算になります。
細めの成人女性ぐらいをいつも運んでるようなイメージですね。

ドラムセットを組み、PCを立ち上げて配線周りを確認していたあたりでパラパラとメンバーがステージに。
定刻より少し早めにサウンドチェックが始まります。


いざ本番

サウンドチェックも無事に済み、一時間後に控えた本番のため準備をします。
爆音で音楽を聴いてテンションを上げたり(ポチ)、からあげくん×2を食べたり(一瀬)、髪の毛を整えてカッコよくなったり(真也さん)、楽屋では各々本番に向けて準備を進めています。
僕も早々に衣装に着替え、階上の喫煙所に向かいます。
O-EASTの喫煙所はベランダにあり、そこからは近隣のマンションや飲食店が望めます。

天気もいいし、ファニコン(※)で本番前のライブ配信でもしようかと思ったところマネージャー氏登場。
ちょうどアゲハ蝶が飛んできて「蝶って大人になって近くで見るとなかなか、っすね…」などと談話。
配信することなく、楽屋へ戻る。
※ファニコン…ロックバンドMOSHIMO使用しているファンクラブアプリ。チャット機能、チケット予約、グッズ販売もあり。(https://fanicon.net/fancommunities/2378

本番10分前。
ステージ下手(しもて)、スタッフさんの導線上、邪魔にならないの暗がりを見つけひとり座り込み、気持ちを整理。
カーテンの隙間からは感染対策のマスクを着用したお客さんが見える。トップバッターの懸念はどこへやら、かなりの数のお客さんが見受けられた。

コロナ禍の影響、開催されるライブもずいぶん少なくなってしまった。
この貴重なひと時、自分のためでなくそのお客さんのためには無駄にできん、と改めて気を引き締める。
そのうちメンバー、スタッフも続々と集まってくる。舞台監督さんの合図ももと、SEが鳴る。
15小節と2拍数えてカウントが鳴り、パブロフの犬よろしく、ステージへと駆けていく。


ライブ~業務終了

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本番も無事に終了。
「命短し―」の後半でポチに選ばれたピンクマスクのあの娘、これからに幸あれ。もちろんそれ以外の会場にいた皆、来れなかった皆にも幸あれ。
いまさら誰かを蹴落としてまで自分の利を得よう、とは思わない。
全人類の幸せこそ願いはしないが、「アイツを関わってよかったわー!」と言われる人間でありたい。音楽も、それ以外も。

サーキットイベントは出捌け、入退出を効率的に行うのがカギだ。次に出演するアーティストさんやイベント自体を左右する。
イベントスタッフさんの協力のもと、機材を業務用エレベーターに載せて階下へ。用意されたスペースで機材を片し、車に積み込む。
楽屋の整理はりゅういち氏がやってくれていた。感謝。

イベントスタッフさん、りゅういち氏に感謝を告げ一同Noisy事務所へ。
14:00、日中全員が集まる貴重なタイミングでもあるため、今後のスケジュール・作戦のミーティング。
クーラー直当たりの席だったので、毛糸のカーディガンを持ってこなければどうなっていたことか。ピスタチオみたいなで変な色だなー、とか思っててごめん。


疲れを癒す聖者、古城に立つ

帰宅して16:00。ライブが終わって家に着くのがこの時間。コロナ禍とはいえ、はっきり言って異常事態である。
こんな異常なときは異常な、普段やらないことをやるのが吉。片付けもそこそこに、ビールを片手に少し遠くの銭湯へ向かう。

夕方、家族連れが多くみられる。「本日、敬老の日は70歳以上は入湯無料。」番台にはそう張り紙があった。
そうか、今日祝日だったのか。あ、だからコーリングも今日が最終日だったわけね。

しかし70歳以上の人も、70歳未満の人も俺には見分けがつかない。みんな平たく「老人」だ。
どうするんだろう、番台で身分証とか見せるのかな?コンビニで酒を買う大学生みたいやな。

もし俺が70歳になるようなことがあればどうするだろう。
「あのー、自分71歳なんですけど…(だから今日タダで入っていいよね?)」

言えるか?絶対に言えない。その時は大人しくお金払って入ろう。高島 一航(71)って字面がすでにヤバい。

浴室で汗を流してサウナに入る。
ヤクザ屋さんのおじさんも、そうでないおじさんも揃って怪訝な視線を僕に送る。いつものことだが今日はなんか変。
しまった、俺としたことがコンタクトのまま来てしまってるじゃないか。
くっきりとおっさんの裸体が見えて、なにがリラックスだ。

サウナチェアに座ってぼーっとする。
洗い場には70歳以上と思しきじいさんが三人、並んでヒゲを剃っている。
じいさんってなんでこの時間にヒゲ剃るんやろ?これからどっか行くんかな。
大概、ヒゲは朝出かける前に剃るもんやけど。剃って出かけたりするけど。高島 一航(71)も同じことするんやろうか。

要らぬことばかりを考えるとぼちぼち良い時間。そろそろ出るか、と身体を拭いていると足元には小さい男の子が。
僕の右脚から目線を上げて「おじちゃん、パパのともだち?」と。
あぁ、すみません、と駆け寄ってくる全身和柄のおっちゃん。
友達になる可能性はゼロじゃないけど、俺はおじちゃんじゃないぞ、ちびっこ。

外はもう暗かった。俺にはばあちゃんが一人いる。
電話ぐらいするか、と思えどなんだか今日はとても疲れた。
ばあちゃんもばあちゃんで言葉がうまく出てこないのか、最近電話で話すと余計に疲れさせてしまってる気がする。
「ごめん、昨日ライブでめっちゃ疲れとったっちゃん。」たまには許されるだろう。

夜空には街燈と見紛うほどの満月。
調べてみると中秋の名月、といって8年ぶりに満月になる貴重な瞬間らしい。

コンビニでビールを買って帰宅、ダウンロードが終わっていた「悪魔城ドラキュラ」のアプリを立ち上げる。
プロローグ画面、ぼやーっと浮かび上がる不気味な満月。

「あぁ、こりゃあ、中秋の名月って言うだけのことはあるんやなぁ。」

気が付くともう夢のなか。洗濯物も、キッチンに置いたビールもそのままに。
薄暗い古城で、でっかいガイコツの化け物を退治したところで目を覚ましました。

photo:
https://twitter.com/_gang_sta__


長文読んでいただきありがとうございました。
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以上になります。
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