スピッツと俺の夏のすべて
平素よりお世話になっております。高島です。
n回目のタトゥーを入れました。
前回で右腕のブラックアームがほぼ完成し、次に左腕の完成に向けて動き出した形です。既に大まかにいくつかポンポンと入っているため、左腕編は隙間の肌色を埋めつつ、指先まで含めトータルのデザインを作り出す作業になります。
個人的な嗜好はありませんので餅は餅屋、蛇の道は蛇、すべて彫師さんにおまかせです。打ち合わせも早々に彫り始めたのでこのペースでいくと来月には完成してしまいそうです。あっけなく、なんだか寂しい。
来年には背中編もスタートしたかったのでむしろちょうどよかったかもしれません。
美容室に通うよう、風のように足どり軽やかに進めていこうと思います。
メジャーリーグで大活躍している大谷翔平選手は投手であり打者、そのいずれも異次元の好成績で「知ってはいるけど見たことはない」という見地から“ユニコーン”と呼ばれていました。伝説の存在、まさか本当に存在するなんて。
僕にとってのスピッツはまさにユニコーン。怒涛の一週間を終え、ようやっと現実に戻ってきたような感覚です。
音楽の原風景には母が聴いていた洋楽ハードロックがあります。
僕をピアノ教室に連れて行ってくれる車内、道中に爆音で流れるBON JOVI、KISS、Whitesnakeなど。「Whooah, we're half way there!」「Whooah,Livin on a prayer!」、たぶん今でも歌詞全部覚えてます。
そのなかに一つだけ、邦楽CDとして置いてあったのがスピッツの『CYCLE HIT 』。「なんかテレビで聴いて心地よかったから」車に置いておいたそう。
激烈なシャウトもなければ重厚なギターリフも、大げさな展開もない。
ただただ繰り返される美しいメロディーとリズムは当時小学生の僕でも「特別な音楽」と認識できました(ちなみに当作品が非公式ベストアルバムと知るのはずっと後、ご本人さまに直接お会いした時もこの話はせず)。
聞けばボーカルの草野さんは同郷の大先輩。
以降テレビのヒットチャートで紹介されたり、CDショップにあれば買いに行ってこっそり聴いたり。高校生にもなればSlipKnoTの気持ちよさを母と共に語り合えるぐらい、周囲にはヘビーミュージックリスナーとして広く浸透していたため、おいそれと口に出すことはしなかったのです。
それぐらい僕の心のなかではずっと美しい、スピッツは音楽の化身のような存在です。
共演させてもらったのでスピッツさん、いやスピッツ様、もうなんと呼称すべきかわかりません。
スピッツのみなさま、本当にありがとうございました。死ぬまで忘れない経験になりました。
会場にいらっしゃったみなさま、騒がしい我々を温かく迎えていただき、ありがとうございました。
見た目こそゴロツキのようなアレですが、このように母の影響をモロに受け、それを保持できるぐらいの純粋さを私は持っております。
ご機会がありましたらこちらにもお越しくださいませ。ライブハウスでお待ちしております。
実はこの豊洲サンセットの前日、前々日とキャンペーン活動で大阪・愛知と滞在しておりました。先月末にリリースしたアルバムを宣伝すべくCDショップにご挨拶をしたり、各所ラジオ局にお邪魔したり。
僕がバンドに参画したのがコロナ騒動の直前、国内の移動制限などもあったのでこうしてキャンペーンで各所を回るのは私個人としては初の取り組みでした。
楽器持たなくて回るんだから普段に比べたら随分ラクなもんだわい、とたかをくくっていたのも正直なところですが、こうして自分の見えないところでたくさんの人が応援してくれているのだ、と改めて感じることができました。油断大敵、こういう時に足を滑らせるのが一番みっともないんだぞ、高島よ。
キャンペーン中は中間地点の京都府に宿泊。閑静な、いかにも古都と呼ばれてふさわしい一帯にあるビジネスホテル。
騒々しい呑み屋や、煩わしいネオンサインも見えない僕の部屋ではなんと心霊現象が起き
なんてこともなくビールをたくさん飲み就寝。
各所、お世話になりました。引き続きよろしくお願いいたします。
豊洲サンセットの翌々日はサーキットイベントに出演すべく、同事務所のバンド、パーカーズと共に仙台へ。空き時間にはカメラマンてるとボーリングしてみたり。酒無しで友達と遊ぶなんて本当に何年振りでしょう。
もちろんライブもしっかりキメてきました。爪が割れてたって、移動が長くたってなんのその。仙台、ブチかましてやりました。
しかしこの今も残り続ける筋肉痛はいったい何なんでしょうか。10年ぶりのボーリング、肉体の弱体化を疑わざるを得ません。
豊洲の会場を埋め尽くすたくさんの人、人、人。用意された椅子に座り、ドラムスティックを握る僕の一挙手一投足をおそらくどこかで見ている音楽の化身たち。
どんなライブでも毎回ちゃんと緊張するタチですが、この日はよほど特別ななにかが僕のなかで発生していたのでしょう。ライブの翌朝、リアルに身体が起き上がれないのは人生初めての経験でした。
いつもの整体院に行ったり、タトゥーを彫りに行ったり、ゆっくりと現実世界に戻っていったわけですが最後の締めはこれ。
下北沢の野外スペース、会場設営中は子どもたちが芝生を走り回っています。
聴こえてくるアコースティックギター、談笑する大人たち、キッチンカーで軽食を販売するご夫婦。歳は僕と同じぐらいでしょうか、奥様のほうはもうずいぶんとお腹が大きい。
いつもとは装いの違うかわいいパーカーズを見ながらビールを七本飲み、帰路へ。
夏の想い出がギュッと凝縮した一週間でした。
以上になります。
それでは引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。