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おまえはFactorioSpaceAgeで宇宙の戦士になる
よくきたな。おれはikko_ikkiだ。おまえはFactorioというゲームを知っているだろうか?こいつはいわゆる工場自動化シミュレーションの決定版といえるゲームで、国内外にめちゃくちゃファンがいる。そのFactorioが先日SpaceAgeという大型DLCをリリースした結果、界隈が大いに盛り上がり、世界中の工場長たちがこぞって宇宙に飛び立った・・・。
今回おれは、その熱中の渦から1人でも多くにこのDLCの魅力を伝えるべく、この記事を立ち上げることにした。日常に埋もれながらも開拓精神を発揮する場を探し続けているやつらは、今すぐFactorioSAを始めて宇宙の戦士になれ。
この記事は、社会派コラムニストの逆噴射総一郎先生が書く蠱惑的な独自文体、いわゆる「逆噴射構文」をオマージュした記事となります。
※以下は逆噴射総一郎先生の代表的な記事です。もはや文体自体がミーム化しており、いろいろな記事でも見たことのある方もいるかもしれません。
10年の歴史の転換点
Factorio公式がDLCを出す。おまえにはその意味が分かるだろうか。この極めて息の長いゲームは、2012年に開発が始まってから、2020年のバージョン1.0が出るまでに未完の聖堂めいて8年の歳月を要した。2016年から始まったベータテストでは、始まるや否や寝食を忘れてプレイするプレイヤーが続出し、「三大欲求を少しだけ上回る」「金曜の夜に始めて気付いたら月曜の朝」といったコメントが巷にあふれた。
しかし、これ程の人気を博しながら、開発元のWube Softwareは即座に拡大路線に走ることはなかった。浮足立ってFactorio2を作り始めることはしなかった。やつらはただひたすらベースとなるゲームの改善を繰り返していき、ユーザが快適にやりたいことができるように、ただその一点を極限まで究める道を選んだ。そして長い年月が過ぎ・・・鍛えられたKATANAのように洗練されたゲームができあがった。
さらにその歴史の中で、クリエイティブなゲーム性に魅了されたプレイヤー達は、ふつうのやつらが100時間かけてクリアするような通常チャレンジにさえ満足できず、無数のMODを生み出していった。特にいくつかの高難易度MODは、スリルと挑戦に飢えた真の男たちを引き寄せ、それぞれ単体で独自のコミュニティを生み出すことさえあった・・・。
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このように、土台をつくるWubeと、アイデアをMODで形にするユーザーという構図が長年続いていた。だが・・・Wube Softwareはそれだけで終わるやつらでは無かった。積み重ねられた技術力という名のGunを手にした開発者たちが、再び世界を揺るがすべく動き出したのだ。そうして2021に全世界に衝撃を与えた発表から3年後、ついにリリースされたのが今回のDLCというわけだ。
衝撃的だったトレーラー
FactorioSAではこれまでの本編クリア後につながるシナリオ、つまりはロケット打ち上げ後の宇宙開発がメインとなる。だが、宇宙開発という要素はすでに散々MOD化されており、せいぜいどこかで見たことのあるようなギミック群が公式に実装される程度だと思ったヤツもいたことだろう。事実おれもそうだった。・・・だが、FactorioSAのトレーラーをみたおれは完全に打ちのめされた。ことここに及んで、まだWubeの実力を侮っていた事をまざまざと思い知らされることになった・・・。
まずトレーラーが始まるやいなや、次々と地表からロケットが打ちあがり宇宙船にドッキングされる。宇宙船では触手みたいなロボットアームがスペースデブリを回収して資源にしており、この時点でおれは、過去にSpace Exproration MODなどで見てきたイメージとは全く違う宇宙船の姿に興味を持った。そして次に映されたSpace Ageの舞台・・・地球外惑星をみた瞬間、おれの興奮はMAXになった。
灼熱のヴルカヌスの大地を蠢く巨大ワームのもたらす無慈悲な破壊は、ラピュタで巨神兵が一撃で地平線を焼き払った時のような、巨大質量による原始的な恐怖をおれに思い出させた。異形蔓延る生命の地グレバは、鉄と石を信奉する工場長たちに、農業や腐敗という新たな挑戦を与えた。稲妻が全てを苛むフルゴラは、生命の生存を許さぬ乾いたメキシコの大地の過酷さを想起させた。
そして極寒の惑星アクィロ・・・ベルトコンベアさえ凍りつく大地は、これまであまたの地平を征服してきたプレイヤーに対する死の宣告めいていた。
これらの映像をまざまざと見せられたおれは、WubeのSpace Ageにかけるエネルギーに畏怖すると同時に、大いなる挑戦への予感に震えた。
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裸一貫で挑め
ここまで読んだおまえは、さっそくFactorioのストアページへと飛び、Space Ageのセットアップを始めるとともに、宇宙に対する本能的な恐怖から、NOTEやwikiなどで情報収集を始めたくなったに違いない。だが、このゲームの快感の正体は改善の実感であり、改善を産む源泉となる様々な失敗を恐れる必要はない。ゲームを始める前からあれこれ計画して完璧に進めようと、過剰に準備することはむしろ控えるべきだとおれは考える。裸一貫で挑め。
本編を既にプレイしたことのあるやつであれば、工場を調子よく拡大していたら突如バイターの群れに拠点を跡形もなく破壊されて防衛の重要性を学んだり、後から出てきた最新の建造物が既存のやつより微妙にデカいせいで工場がめちゃくちゃなスパゲッティになってレイアウトの余白の大切さを実感したりしたはずだ。あのころのヒリヒリした緊張感、経験が血肉となった感覚を思い出せ。失敗の数だけ強靭さを増す真の男になれ。
SFの原風景を感じろ
溶岩に覆われた大地・・・嵐渦巻く不毛の大地・・・極寒の星・・・これらの映像をおまえはスターウォーズやブレードランナーなどのSF作品でみたことがあるはずだ。FactorioSAはこういったSFの原風景ともいえる世界に降り立てるだけでなく、思うがままに開拓することさえ可能とする。
毎日の代わり映えのしないタスクに翻弄され、なにかに挑戦することなど遠い昔になくなり、寂れたサルーンで酒をあおる日々・・・Space Ageをプレイすることによって、おまえはそんな日常から脱し、昔空想した無限の可能性の広がる宇宙へとエントリーすることができる。
自分の想像力の赴くままにベルトコンベアを並べ、鉄道を引き、人工島を作り、橋を架け・・・時に失敗しながらも、着実に1つ1つの星をコントロールしていくたびに、自分の中のクリエイティブな精神が刺激されるのを感じるはずだ。
そうして自分だけの帝国を作り上げることができれば、きっとその経験はおまえに矜持と輝きをもたらしてくれるだろう。