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ジャズと私(3)クラブミュージックとしてのジャズ

【約1300字/3.5分で読めます】

高校2年生の頃にゲーム『探偵 神宮寺三郎』でジャズのカッコよさにしびれた私でしたが、まだ CD を買って聴いたりするまでにはいたりませんでした。

私が音楽にどっぷりハマるようになったのが、高校3年生の頃です。

その頃の私の興味はもっぱらテクノが中心で、とにかく電子音が入っている音楽にしか興味がありませんでした。

当時は、インターネットも一般的ではなく、音楽の情報を得るには、雑誌や書籍、テレビが中心だったんですよね。

そんな中で、私が音楽の情報を得るために毎週欠かさず観ていたのが、深夜の音楽番組『FUTURE TRACKS』です。

『FUTURE TRACKS』
'98~'02年にテレビ朝日系列で放送。クラブミュージックを題材にした音楽番組。

この番組でジャズの特集がありました。
私が高校を卒業してからのことなので、'01~'02年くらいのことだったと思われます。

当時、クラブミュージック界隈で、「ジャズアンビエント」(「アンビエントジャズ」とも言う)というジャンルが流行りはじめていて、その音楽について番組で取り上げた回があったんですよね。

今ではお気に入りのアーティストである Calm(カーム) などもこの時の放送を観て知りました。

この時の放送で紹介されていた音源は、コンピレーションが多く、のちに私もこのうちの何枚かを買って聴くことになります。

▼いずれもくう」(のちの「時空」)レーベルから発表されたコンピレーションアルバム。紙ジャケのオシャレなデザインも特徴的だった。

『Nowhere Rain』
(1999)
『THE RETURNING SUN』
(2000)
『The Armchair Traveller』
(2001)

▼番組で紹介されていたアーティスト

そのサウンドは、名前のとおり「ジャズ」と「アンビエント」がミックスしたような、それまで私が聴いていたテクノともまた一味違ったものでした。

この特集を観て、すぐに CD ショップでこれらの音源を探し求めた私でしたが、たまたまそのお店にはこれらの CD が置いていなかったんですよね。

その時に私は、番組の中で紹介されていた「ジャズアンビエント」の一つのルーツを思い出しました。

「スピリチュアルジャズ」です。

その代表格として紹介されていたのが、ジョン・コルトレーンだったんです。番組の中でレコードのジャケットも出てきたので、私はそれと同じものを買い求めました。

それが『My Favorite Things』だったのです。

こんな経緯で、私が人生ではじめて買ったジャズの CD がこれでした。

いいアルバムなんですが、実際に聴いてみると、これがジャズアンビエントとどう結びつくのか、当時はよくわからなかったんです。

今にして思うと、コルトレーンが「スピリチュアル」な感じになっていくのは、もっと後の時代の作品だったのでは?という感じがします(有名なアルバムだし、ジャケットも映えるので、このアルバムが表示されただけだったのかもしれない)。

そういうことがわかるのも、いろんな音楽に触れてからのことで、ずっと後のことでした。

(続く)

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いっき82
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