青春をありがとう あの頃のタワレコは一つの世界だった
※2500字近い記事です。
お時間のある時に
お付き合いいただけると嬉しいです。
音楽の話ばかりが続いていて、
恐縮なんですが、
また音楽関係の話です。
でも、どうしても
書いておきたいので、
どうかお付き合いください。
先日の記事で、人生ではじめて
タワーレコードを訪れた時の
衝撃を振り返りました。
私がはじめて
タワレコに行ったのは、
2001年の早春でした。
今から二十数年前、
私が住む札幌には
2軒のタワレコがあったんです。
一つはピヴォ店、
もう一つはプリヴィー店、
ピヴォもプリヴィーも
札幌の商業施設でした。
そのテナントの一つとして、
タワレコが入っていたんですね。
実は、札幌って、
日本ではじめてタワレコが
開店した土地でもあるのを
ご存知でしょうか。
札幌に日本初のタワレコが
オープンしたのは
’80年のことです。
この時代の札幌のタワレコのことは、
私よりも10個以上、年上の先輩から
聴いたことがあります。
今でこそ、タワレコといえば、
「CDショップ」の代名詞的な存在で、
店内もキレイなイメージですが、
その頃の札幌にあったタワレコは、
雑居ビルの1フロアに
所狭しとダンボールが積まれた、
今でいう、
中古レコードショップのような
雑然としたお店だったそうです。
この'80年にオープンした
タワレコというのが、
実は、アメリカ法人と
正式な契約を結んでいなかった
非公式なお店だったらしく、
のちに、'81年に
渋谷に公式のタワレコが
オープンしたあとに、
公式に現地法人と
契約を結んだお店
という逸話もあります。
この時にオープンしたタワレコが
のちに私が足しげく通った
ピヴォ店のタワレコに
引き継がれたようです。
(ピヴォ店のオープンは'96年)
「ピヴォ」「ピヴォ」
といっても、
札幌以外の方には、
まったく馴染みのない
施設だと思うので、
軽く説明を入れておきましょう。
ピヴォがオープンしたのは、
'95年です。
この9階建てのビルは、
もとは’68年にオープンした
「中心街デパート」
という百貨店だったようです。
その後、'73年にダイエーが
この建物を買い取り、
「ダイエー札幌店」となります。
(ダイエーの北海道進出1号店でもあった)
'93年にダイエーが閉店し、
建物を改装後、
リニューアルオープンしたのが
「ピヴォ」だったんですね。
子どもの頃の私にとって、
札幌の中心部でいうと、
この近所にあった
「4丁目プラザ」
という商業施設が馴染み深かったです。
「4丁目プラザ」も
昨年、閉店し解体されたのですが、
この度、ピヴォも建物の老朽化もあって、
閉店・解体されることになりました。
その閉店日が、
先週の火曜日(5月16日)、
丁度、私がはじめて
タワレコに行った日のことを
記事に書いた日でした。
そんなことを知らずに、
最初は記事をアップしたのですが、
たまたま、そのことに気づいて、
これも何かの因縁と感じ、
仕事終わりに、
久々にピヴォへ行ってみました。
私が毎週のように、
ピヴォに通っていたのは、
もう20年以上前のことなので、
中に入っているテナントは、
知らないお店ばかりでした。
時の流れを感じましたね。
でも、あの頃に毎週のように
通っていたタワレコの空間に
もう一度足を踏み入れたい
という気持ちが強かったんです。
私にとっては、
二度と訪れることのできない
青春時代の思い出が詰まった
場所でしたからね。
20年以上前の記憶なので、
かなり記憶も薄れていたのですが、
その場に居合わせると、
当時の感覚が少し戻ってきました。
タワレコは、
私がよく行っていた
’01~'03年頃は
2フロアを占めていたんです。
ただ、しばらく行かない内に、
そこが1フロアになり、
ピヴォ閉店を前に、
近くのパルコに移転しました。
(昨年、パルコに移転)
パルコに移転してからの
タワレコにも
今年になってから行きましたが、
やっぱり、私がよく行っていた
20年前とは違います。
店の広さも
こじんまりとしていますし、
CD の棚の数も
圧倒的に少ないんですよね。
前の記事にも書きましたが、
私がはじめて行った頃の
タワレコは本当に広くて、
そこに世界が詰まっている
感じがしたものです。
今回、久々に、
ピヴォを訪れて、
改めて認識したのですが、
タワレコが入っていたのは、
7~8階の2フロアだったようです。
文章で書いても
伝わらないかもしれませんが、
7階の天井を突き抜けて、
8階に繋がっているんですね。
(吹き抜け構造)
つまり、実質、
7階から見上げると
2階分の高さが
感じられるんです。
あまりにも、
この記憶を忘れたくなくて、
当時のタワレコのマップも
描き起こしてみました。
この図を見ると、
店内の空間が
広く取られているのが
わかるでしょう。
7階中央のスペースは、
イベントや特別な展示をする時に
有効活用されていました。
なおかつ、そのスペースは、
吹き抜けになっているので、
例えば、7階で
イベントをやっていると、
8階からも見下ろすことが
できるというわけです。
タワレコピヴォ店の
思い出は挙げれば
キリがないほどで、
以前も、スケッチ・ショウの
新譜を買いに昼休みに
駆け込んだ話も書きましたね。
この記事に出てきたタワレコも
ピヴォ店のことです。
あとは、忘れられないのは、
ジャズトロニック
というアーティストの
インストアライブを
ここで観たことですね。
ジャズトロニックは
まったく知らない
アーティストだったんですが、
そのライブを観て、
その場でアルバムを購入しました。
今でもサイン入りの
CD が家にあります。
これからも
たまに書くかもしれませんが、
ここにあったタワレコでは、
単に「音楽」そのものだけでなく、
そこに付随するたくさんの
体験をもらった気がします。
そういう場が、
二度と現れることがないんだ、
と思うと、
一抹の寂しさも感じますね。
とにかく、
何が言いたいかというと、
「青春をありがとう、ピヴォ」
ってことです(笑)