ジャズと私(10)20の頃に聴いたウェザー・リポート
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前回の記事で書いたように坂本龍一の『サマー・ナーヴス』を聴いて、フュージョンに興味を持ちました。
そこから、最初に聴いたフュージョンがウェザー・リポートです。
ウェザー・リポートをどこで知ったのかは定かではないんですが、たぶん、YMO のインタビュー集(『OMOYDE』)なんかでも、この名前は出ていた気がします。
ただ、YMO が影響を受けたというのではなくて、「フュージョンと言えば」といったような形で、その代表格として挙げられている感じでした。
私がはじめて聴いたのは、『Black Market』('76)というアルバムです。
なぜ、このアルバムを選んだのかと言えば、ベーシストのジャコ・パストリアスがバンドに加入した時期のアルバムだったからです。
ジャコ・パストリアスは伝説のベーシストですが、この名前もどこで知ったのかも今では定かではありません。
一つ可能性があるとすれば、マイルスの記事でも書いた、親しい先輩に教えてもらった気もします。
ジャコ・パストリアスは、先輩の好きなパット・メセニーとも共演していたので、そういう流れで教えてもらったアーティストだったかもしれません。
それと、私が当時好きだったテクノの中では、「スクエアプッシャー」というアーティストがいるんですが、彼は打ち込みとのエレキベースを駆使した音楽をやっていて、それが「ジャコ・パストリアスに似ている」とも先輩は言っていたんですよね。
そんな話を聴いて、ジャコ・パストリアスに興味を持ちました。
さらに、ウェザー・リポートに彼が在籍していたのを知って、飛びついたのでしょう。
あと、うっすら覚えているのは、このアルバムがタワーレコードの「洋楽フェア」みたいなセールでピックアップされていて、少し安めの値段で売られていたというのも、購入の後押しになった気がします。
ウェザー・リポートは、今でも大好きなバンドなんですが、この時代(20歳の頃)はこのアルバムしか聴いたことがなかったです(今もこのアルバム以外で、しっかり聴いたことのあるのは1枚だけだが)。
しかし、そのサウンドは1枚で、お腹がいっぱいになるくらいの満足感で、マイルスのような「徐々に好きになる」感じとは違って、聴いた瞬間に「これはいい!」という感じでハマっていきました。
シンセの音もテクノとは違いますが、これもまたいいんですよ。
そして、全体的なサウンドの完成度ですね。
このアルバムには、人の声、港(船の汽笛)や列車の音も SE として収録されており、楽曲との一体感が素晴らしいんです。
そして、ジャコのベースがまた最高でした(⑥『Barbary Coast』はベースがメインの楽器ともいえるほど目立っている)。
この頃から私はベースが好きだったんだなぁと、改めて再認識させられるエピソードでもありますね。
(続く)