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書籍レビュー

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#歴史

書籍レビュー『文明崩壊 滅亡と存続を分けるもの』ジャレド・ダイアモンド(2005)古代と現代を結ぶ環境問題

書籍レビュー『文明崩壊 滅亡と存続を分けるもの』ジャレド・ダイアモンド(2005)古代と現代を結ぶ環境問題

※3000字近い記事です。
 お時間のある時に
 お付き合いいただけると嬉しいです。

古代と現代を結ぶ環境問題この本を紹介するのは、
なかなか骨が折れます。

というのも、上下巻で
1000ページ以上ある本なので、
書いてあることも広範囲に
わたっているのです。

こういう本こそ、
友達に話すような
軽い感覚で書くのが
いいでしょうね。

まずは、著者の
ジャレド・ダイアモンドについて
お話しし

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書籍レビュー『次の震災について本当のことを話してみよう。』福和伸夫(2017)大地震をどう迎え撃つか

書籍レビュー『次の震災について本当のことを話してみよう。』福和伸夫(2017)大地震をどう迎え撃つか

※3500字以上の記事です。
 お時間のある時に
 お付き合いいただけると嬉しいです。

※この記事は
 2019年1月2日に書いた記事に
 加筆修正をしたものです。

地震の怖さがわかる2018年9月6日、
北海道胆振地方中東部を震源とする

マグニチュード6.7の大型の地震を
体験しました。
(北海道胆振東部地震)

私の住む札幌市内でも
震度5強を観測、
その直後に北海道全域で停電が発生し、

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書籍レビュー『書と日本人』石川九楊(2004)政治制度を利用するために漢語・漢文を輸入した

書籍レビュー『書と日本人』石川九楊(2004)政治制度を利用するために漢語・漢文を輸入した


政治制度を利用するために
漢語・漢文を輸入した本書は書家、書道史家である
著者が日本の「書」の歴史について
綴った本です。

「書」というと、「書道」「本」
といったいくつかの意味を持ちますが、

本書では、「書道」を中心としつつも、
日本の文学史も含め、
幅広い範囲で捉えられています。

本書によれば、わが国における、
もっとも古い「書」の歴史は、

西暦57年の『漢委奴国王印』
(かんのわの

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書籍レビュー『フェルマーの最終定理』サイモン・シン(1997)どれほどコンピューターが進化しても「考える」のは「人間」

書籍レビュー『フェルマーの最終定理』サイモン・シン(1997)どれほどコンピューターが進化しても「考える」のは「人間」

世界の数学者たちを悩ませた
フェルマーの最終定理(※自然数:
  0より大きい正の整数。
  正の整数は1、2、3…
  といった単純な数字)

というのが
「フェルマーの最終定理」です。

「n」が2だと、
以下のような答えが出せます。

しかし、なぜか、
「n」が3以上になった途端、
x、y、z の数字が
導き出せなくなります。

つまり、この式の「n」は、
3以上の自然数だと、
成り立たない

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書籍レビュー『世界は贈与でできている』近内悠太(2020)経済の隙間にある大事なこと

書籍レビュー『世界は贈与でできている』近内悠太(2020)経済の隙間にある大事なこと

「贈与」は気づかれてはいけない「世界は贈与でできている」

なんと興味をそそるタイトルなのでしょう。

ここで「贈与」という単語を
辞書で引いてみます。

金品を人に贈ること。

だそうです。

本書の定義とは、ちょっと違います。

本書では、「贈与」について、

僕らが必要としているにもかかわらず
お金で買うことができないもの
およびその移動

と定義されています。

なおかつ、贈与は気づかれて

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書籍レビュー『世界でいちばん幸せな男』エディ・ジェイク(2020)目を背けてはいけない歴史

書籍レビュー『世界でいちばん幸せな男』エディ・ジェイク(2020)目を背けてはいけない歴史

今も左腕に残るナチスの痕跡note の「読書の秋2021」の
課題図書一覧で縮小して掲載されていた
本書の表紙を見た時、
コメディーの本かと思いました。

もしくは、世界的な成功者が、
その知恵を綴った自己啓発書か
何かかと思ったのです。

だって、あまりにも、
表紙に映っているおじいちゃんの顔が
優しそうな表情をしているんですもの。

ところが、本書のサブタイトルを見て、
思わずギョッとしてしま

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