マガジンのカバー画像

書籍レビュー

87
書籍レビューをまとめたマガジンです。
運営しているクリエイター

2024年8月の記事一覧

書籍レビュー『統合失調症がやってきた』松本ハウス(2013)「汚れなき壊れ屋」はどのように復活したのか

書籍レビュー『統合失調症がやってきた』松本ハウス(2013)「汚れなき壊れ屋」はどのように復活したのか

※2500字以上の記事です。
 お時間のある時に
 お付き合いいただけると嬉しいです。

『ボキャブラ天国』で
ブレイクした松本ハウス松本ハウスといえば、
私の中学時代、人気絶頂だった
『ボキャブラ天国』(※)で
大人気のコンビでした。

爆笑問題やネプチューンなど、
そうそうたるメンバーが
出演する中で、

松本ハウスの個性は
光っていました。

坊主頭に白いブラウス、
下はピタッとスリムな

もっとみる
書籍レビュー『家日和』奥田英朗(2004~2006)大きな事件はなくてもおもしろい日常

書籍レビュー『家日和』奥田英朗(2004~2006)大きな事件はなくてもおもしろい日常


「平成の家族小説」シリーズ1作目本作を手掛けた奥田英朗は、
20代の頃から好きな作家でした。

以前、「エッセイの研究」
というシリーズで、
彼のエッセイを
取り上げたことがありましたが、

意外にも note にやってきてから、
奥田英朗の作品をメインで
取り上げるのははじめてです。

本書は短編集で、
各話につながりはありませんが、
「平成の家族小説」シリーズの
1作目という扱いのようです。

もっとみる
書籍レビュー『アルジャーノンに花束を』ダニエル・キイス(1966)時の流れによって変化する自分

書籍レビュー『アルジャーノンに花束を』ダニエル・キイス(1966)時の流れによって変化する自分

※2500字以上の記事です。
 お時間のある時に
 お付き合いいただけると嬉しいです。

幼児並みの知能だった
チャーリイが生まれ変わる以前から気になっていて、
ずっと読みたいと思っていました。

映像化もされていますが、
そちらの方は
一度も観たことがありません。

そんな状態で
手に取った作品でしたが、

ストーリーもさることながら、
その表現手法にも
感心させられる作品でした。

主人公のチ

もっとみる