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書籍レビュー

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2023年12月の記事一覧

書籍レビュー『病名がつかない「からだの不調」とどうつき合うか』津田篤太郎(2014)診断とは常に「暫定的」である

書籍レビュー『病名がつかない「からだの不調」とどうつき合うか』津田篤太郎(2014)診断とは常に「暫定的」である

※2500字以上の記事です。
 お時間のある時に
 お付き合いいただけると嬉しいです。

原因不明の身体の不調30代の終わりから、
時折、お腹が痛くなることが
ありました。

その痛みは歳を重ねるごとに
ひどくなり、昨年はそれが原因で、
仕事を休む日があるほどでした。

最初は腸の病気を疑って
病院に行ったのですが、
医師の診断では
「神経」の問題だという話です。

今も漢方薬を常用して、
なんと

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書籍レビュー『ハツカネズミと人間』ジョン・スタインベック(1937)カリフォルニアの雄大な自然、徐々に高まる不穏な空気

書籍レビュー『ハツカネズミと人間』ジョン・スタインベック(1937)カリフォルニアの雄大な自然、徐々に高まる不穏な空気


アメリカ文学の巨人、スタインベック本作を手掛けたスタインベックは、
「アメリカ文学の巨人」
と言われた作家で、
生涯で27冊の著作を発表しました。

それらの多くは
西洋文学の古典とされており、
とりわけ重要な作品は、

ピューリッツァー賞を受賞した
『怒りの葡萄』('39)です。

当時の経済恐慌を反映し、
カリフォルニアにやってきた
移民の農民たちと資本家の
摩擦が描かれています。

'52

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書籍レビュー『「毒と薬」のことが一冊でまるごとわかる』齋藤勝裕(2022)誰にとっても身近な毒と薬について幅広く学べる

書籍レビュー『「毒と薬」のことが一冊でまるごとわかる』齋藤勝裕(2022)誰にとっても身近な毒と薬について幅広く学べる


誰にとっても身近な
毒と薬について幅広く学べるたまたま書店で見かけて
思わず飛びついてしまった本です。

「毒」と「薬」について、
わかりやすくまとめられています。

本書の構成は、
以下のようになっています。

どちらかというと、
毒の話の文量が多めでした。
(感覚的には7~8割が毒の話)

毒や薬の歴史から、
われわれの身近にあるものまで、
幅広く網羅されています。

毒と薬の違いとは多くの

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書籍レビュー『ラブコメ』松久淳+田中渉(2004)高橋幸宏の楽曲が使われているんだもの

書籍レビュー『ラブコメ』松久淳+田中渉(2004)高橋幸宏の楽曲が使われているんだもの


高橋幸宏の楽曲が
使われているんだもの普段の私は恋愛小説は
読まないんですが、
これは読まずにいられませんでした。

というのも、本作では、
挿入歌として、
高橋幸宏の楽曲が
使われているからなんですね。

とある音楽雑誌の
高橋幸宏のインタビューで、
このことが語られていました。

なお、本作の中で、
挿入歌として使われているのは、
以下の2曲です。

いずれも私が
二十歳くらいの頃に
よく聴

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