2021年11月の記事一覧
書籍レビュー『世界でいちばん幸せな男』エディ・ジェイク(2020)目を背けてはいけない歴史
今も左腕に残るナチスの痕跡note の「読書の秋2021」の
課題図書一覧で縮小して掲載されていた
本書の表紙を見た時、
コメディーの本かと思いました。
もしくは、世界的な成功者が、
その知恵を綴った自己啓発書か
何かかと思ったのです。
だって、あまりにも、
表紙に映っているおじいちゃんの顔が
優しそうな表情をしているんですもの。
ところが、本書のサブタイトルを見て、
思わずギョッとしてしま
書籍レビュー『短くて恐ろしいフィルの時代』ジョージ・ソーンダーズ(2005)争うことがバカらしくなる
独裁者フィルの時代note では現在、読書感想投稿コンテスト
「読書の秋2021」が開催中です。
課題図書に指定されていた全84冊のなかで、
もっとも興味を引き付けられたのが本作でした。
紹介文にある
「熱狂的な演説で民衆を煽る独裁者フィル」
「国民が6人しかいない小国をめぐる
奇想天外かつ爆笑必至の物語」
という一文が興味をひきます。
タイトルと装丁も簡潔で素晴らしいです。
読みはじめ
書籍レビュー『長いお別れ』レイモンド・チャンドラー(1953)ほろ苦い文体を堪能
あらゆるエンタメの源流に
チャンドラーありレイモンド・チャンドラーの名前は、
あらゆるエンタメ作品の源流をたどると、
よく出てきます。
私がはじめてチャンドラーの名前を目にしたのは、
20代の頃にハマった映画監督、
コーエン兄弟のインタビュー記事でした。
彼らの『ビッグ・リボウスキ』(’98)
という作品のモチーフの一つとして、
チャンドラーの作品群が挙げられていたのです。
かの有名な村上春