ある "たましい" の救済の物語 〜 ばってん少女隊 アルバム『九祭』に乗せて 〜(終)
エピローグ
第十二夜 " OiSa PARKGOLF Remix " 〜何かが変わった夜〜
どこかでお祭りの声が聞こえる。
そうか、今日はお祭りだった。
ちょっと寝てたのかな。
さっきまで鬱々として、祭りの声もうるさいと思ってたのに。
今はなんだか、そわそわする。
久しぶりに行ってみようかな、お祭り。
やるせなく味気ない、想定どおりの毎日。
お祭りなんか行ったって
ー なんにも変わりはしない ー
そう思ってたけど。
なんか昔の夢を見たみたいで、ちょっと思い出した。
あの夏、感じていた君との距離。
ワタシの唇からは、ついに出ることのなかった、君への想い。
だって、怖い。
受け入れられなかったら…
否定されてしまったら…
ー そこでワタシの夏は終わってしまう ー
そんな気がして、永遠に閉じ込めた。
みんな上辺だけで付き合って、ココロを見せてはくれない、って嘆いてたワタシ。
でもそれも、ワタシが仮面をかぶっているからなのかもしれない。
怯えて、怖がって、想いを口に出せない。
言葉は、想いは届くかわからないけど、殻に閉じ込められた想いを
ー 見つけて欲しい ー
って思ったって、それは無理だよね。
声かけてみなくっちゃ、同級生で終わっちゃう。
ココロを開いて、寄り添っていかなければいけないのは、ワタシの方だった。
人間の力ではどうにもならない大きな力。
そういう目に見えない物事を神様として畏れ、敬う。
いや、「神様」って、もしかしたらそんな抽象的なものじゃなくて、友達とか、同僚とか、近所の人とか、いつもワタシに関連してるいろいろな人たちの事なのかもしれないな。
そう、たとえば、いつもワタシに元気をくれているアイドルさんとか。
ワタシ、ひとりっきりで生きてると思ってたけど、ワタシだけが苦しいんだと思ってたけど、そうじゃないのかもしれない。
嬉しか時でも、悲しかときこそ、祭りばい!とばかりに、腹の底から "おっしょい!" と叫んでいたあの頃の記憶は、ワタシの想いをギュッとつかんで離さんでいてくれたんだ。
そうだね。出かけよう。
外に出れば、もしかしたら想定の遥か斜め上のことが起きるかも。
ずーっと昔、将来を約束した幼馴染に偶然出会ったり、とかさ。
ー んなわけないか ー
やるせなくて、味気ない明日には、変わりはないとしても。
(完)
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#OiSa #九州
※ 歌詞の解釈、ストーリーは、公式見解とは一切無関係です。全てはアルバム『九祭』を聴いた、この文章の作者の妄想であり、感想です。