沖縄旅行記 那覇後編
ちょっと休憩
沖縄県立博物館・美術館を出て首里城に向けて歩き始めた。
この時点で1時間以上の遅れである。
博物館と美術館が思った以上にボリュームがあったからだ。
予定ではここから首里城まで昼食の場所を探しながら歩いていく予定だった。
朝食を途中で食べる予定だったのにタイミングを逃してずっと食べ損ねていたのでさすがに昼食はそれらしいものが食べたかった。
大きな道を少し歩くとゆうなみ坂下店という店それらしい沖縄そばの店を見つけた。
昼食時を少し過ぎていたが食券売り場に列ができてる。
頼んだのは軟骨ソーキそばとミニタコライスのセットで1000円。
軟骨がトロトロで味が良くしみていて美味しかった。
この後何回か他の店でソーキそばを食べたがここのが一番美味しかったように思う。
とても混んでいたので食べ終わるとさっさと店をでた。
そこから首里城方面へ向かいさらに東へ進む。
沖縄は平地のイメージがあったがかなり長めの上り坂を汗だくになりながら登った。
荷物を少なくするためあまり着替えを持ってきていないので汗をかきたくなかったが初日から予定がくるってしまった。
バスに乗らずわざわざ坂道を上ったのは途中の角萬漆器によるためだ。
角萬漆器は歴史のある店で棗などの茶道具も扱っている。
小棗、中棗、大棗、平棗。棗の形は豊富だった。
蒔絵はゆうな(オオハマボウ)やパパイヤ、ハイビスカスなど南国らしいもの。
紅型を思わせる鮮やかな色彩のものがあった。
技巧は非常に繊細でありながら図案は沖縄らしいものが多くとてもそそられたがなぜか京の塗り物に比べて軽く(重量の問題ではなく)感じられた。
それはそれで南国らしい軽やかさがあるとも言える。
今回は焼物目当てなので手が出ないが是非次回は欲しい。
通販もしているのでそっちでも良いかもしれない。
玉陵(たまうどぅん)
鮮やかな漆器に後ろ髪を引かれつつ次の目的地首里城へ向かう。
角萬漆器から首里城までは10分もかからない。
その短い道のりの途中に玉陵がある。
玉陵は第二尚氏王統の陵墓であり、二代目の尚真王によって築かれた。
当初ここによる予定は無かったが首里城に向かう途中でたまたま入り口に目が留まりせっかくだからと入ってみることにした。
入り口の坂を上ると受付があり、解説や厨子などが展示されている奉円館がある。
受付をするとまず地下の展示室に行くよう指示されたので言う通りに展示室を一回りして奉円館左の玉陵に向かう。
黒っぽい石塀に空いた低い入り口を潜ると広場があり、さらに次の門を潜ると玉陵の全容が見えてくる。
低く垂れこめた曇り空と相まってその威容に心を奪われた。
岩の上や塔の上には三頭のシーサーがこちらを睥睨している。
大和民族の文化とは全く違うものだった。
恐らく写真を撮ることは許されていたと思うがとてもカメラを向ける気にはならなかった。
右に行ったり左に行ったり、出たり入ったりしながらその場から離れがたく眺めた。
玉陵には全く様子の違う場所だがなぜか初めて伊勢の神宮の正殿近くに近づいた時のような感覚があった。
首里城
次は言わずと知れた首里城である。
沖縄と言えばここだが、三年前の火災は誰もが心を痛めたことだろう。
正殿手前の奉神門までは火災の傷跡はあまり感じられなかったが正殿とその周辺は未だ覆い屋に囲われており未だ完全な復興までは遠そうだ。
しかし復興中であっても城壁や各門の堅牢な様子は往時の琉球王国の繁栄を偲ばせるには十分だった。
首里城から南に下ると識名園という庭園がある。
今日の予定では識名園まで行く予定だったので日本の道100選にも入っている金城町の石畳を下って行ったがかなり急な上、雨上がりで道が滑りやすくなっていて、下の大きな道まで降りるのにずいぶん難儀した。
そのせいで力尽きたのと、時間もギリギリになってしまうので識名園はあきらめて後日に回すことにして予定より少し早いが予約したホテルのある松山に向かうことにした。
松山
松山は飲み屋やクラブなどが立ち並ぶ沖縄最大の歓楽街だ。
いざ行ってみると思ったほどギラギラした町ではなかった。
新しそうな店と昔からありそうな店がまだらに存在していた。
今日泊まるのは一泊3000円のカプセルホテル。
チェックイン時の外国人労働者の説明が聞き取りづらかった。
穴ぐらに潜り込んで荷物を置くと早速大浴場に行く。
時間が早かったおかげで誰もいない湯船で足を伸ばすとまた穴ぐらに入って横になった。
汗を流したらまた散策に行こうと思っていたのに疲れて起き上がる気力が沸かない。
もうこのまま寝てしまおうかと思ったがやはりもったいないので街に出ることにした。
が、まさかの大雨。
沖縄滞在中は雨が降らない予報だったが南国故だろうか。
夕食はネオンが目に留まったステーキハウス88jrに入った。
1000円のサイコロステーキセットでサラダとスープとご飯は食べ放題。
サラダで腹を満たすのは無粋なので米と肉で腹を満たした。
味はまあ1000円だなという味。
後で知ったがこのステーキハウスは沖縄中にあるらしい。
明日は陶芸家が集まる村、読谷村に向かう。
沖縄中部編(読谷村、コザ、アメリカンビレッジ)につづく
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