あしおと。
「そんなことは無理だよ。」
「どーせやったって意味ないよ。」
たくさん鼻で笑われてきた。
たくさん批判されてきた。
老人はいいよなあ。
地位があって、偉そうにしてるだけでいっぱいお金が貰えるシステムで。
政治も、社会の仕組みもお年寄りに優遇するばかり。でも俺たちもその仕組みを作ってる一員であることにちょっとだけ皮肉を感じる。
「どーせ変わんないよ。」
「何言ったって一緒だよ。」
若者の間では諦めたような言葉が蔓延るようになった。
助けて貰うんじゃなく、期待するんじゃなく、諦めてる。自分たちでなんとかできる範囲はとうに過ぎてしまったってね。
「早く席開けろよ。俺たちに世界を動かさせろ。」
本音で叫んだそんな声は高齢化の暴力にいとも簡単に殴り倒される。
でもね。
俺たちはあなたたちと喧嘩がしたい訳じゃない。
俺たちだけの幸せを願ってもいない。
世代を超えたみんなが自分らしく生きれたらそれが1番いいと心から思ってる。
それは、自分たちのことだけ考えた利権まみれの様子を生まれた時から見てきたから。
そうじゃない。
みんなで幸せになろうよ。
そのアイデアと行動力は若者が沢山持ってるよ。
わかるよ。
努力して、長い年月をかけて積み上げてきた地位や栄光を失うのって怖いよね。
あなた達が頑張ってきた年月は、僕たちの生きてきた人生より長いかもしれない。
そんな小僧に権力を渡すのも怖いよね。
でも大丈夫。
あなたより俺たちの方が思ってるよりその地位を上手く使えると思うよ。
今の若者って地位を築くことにさほど興味がなく、みんなの幸せを願っている人が多いと思う。
そんな人達が権力を自分だけのためでなく、
みんなの幸せのために使ったら?
おもしろくない?
そして、地位や権力を譲ったとしてもあなたの価値は変わらない。てか俺たちは肩書きであなたのことを見ていない。
あなたがこれまでの経験から得た知見が、リスペクトに値して、ひとりの人としてステキなのであれば、自ずと人は集まってくるんじゃないかな。
安心してこれからの日本を、世界を上の世代から任されるように俺たちは日々努力を続けてるよ。
先人たちのやってきたことへのリスペクトを忘れずに、俺たちのアイデアとエネルギーを上手く伝えられればいいなあ。
大事なキーワードは、お互いの
「歩み寄り」
それはもちろん、生きてきた年代も大事にしている価値観も、お互い理解できないだろう。
でも、知ることは出来るはず。
ああ、この人はこの精神を大切にしていたんだなって。
そうやってちいさな歩幅でいいから、この歩みを止めないこと。
少しずつ。すこしずつ。
時代が変わることを恐れないで。
ステキな未来のために。
少しずつ。すこしずつ。
お互いの"あしおと"が聞こえるその日まで。