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プロレスの意地・三沢の意地が炸裂!! 〜2001.4.18 三沢&力皇 vs 小川&村上〜

現代・過去のたぎるプロレスの試合を紹介する連載です。
今回は、前回に引き続き、総合格闘技とプロレスが火花を散らしていた時代の話です。

経緯を知らなくても観ていてゾクゾクする試合

背景を全く知らない状態で、この試合を観ても十分に楽しめる試合だと思います。他のプロレスの試合ではなかなか観られない、物々しい空気感や、異様な緊張感。いつもにも増して眼光のするどい三沢の顔つき、デビュー1年とは思えない力皇の気迫。必要以上に三沢を挑発するUFOの小川と村上・・・・。

どの視点から観てもこの試合の迫力は強く、そして何よりも三沢のカリスマ性が映像からも伝わるものとなっています。

とはいえ、背景も少し振り返ります

プロレスは試合だけでも楽しめますが、背景やストーリーを知るとさらに楽しめるという2度も3度も美味しい構造が魅力だと思います。

そのため、この4.18のタッグマッチも背景を少し振り返りたいと思います。

そもそも、この試合の構造は

三沢・力皇(NOAHチーム) vs 小川・村上(UFOチーム)

という団体対抗戦を、どちらでもないZERO-ONEのリングで行っています。 

複雑に入り組んだ団体抗争の時代が2000年代前半

NOAHとUFOの試合をZERO-ONEで行う・・・非常にややこしい構図です。

今であれば新日本の選手が新日本のリングで行う、たまにフリーランスの選手がゲスト挑戦者としてリングに上がる程度が定番なのと比べると難しいと思います。

NOAHはそもそも三沢が全日本から離脱して立ち上げた新団体、ZERO-ONEは橋本が新日本から離脱して立ち上げた新団体、UFOは総合格闘技の波もあり猪木と佐山が立ち上げた新団体。つまり、2000年代前半は、新団体が多く立ち上がり、それぞれが対立しながらも、対立するという構図でファンを呼ぶことで、支え合っていたとも言える時代とも言えます。

プロレス界の嫌われ者であったUFO

支え合っていた側面があるとはいえ、それぞれイデオロギーの違いがあって別団体を立ち上げていたため、感情的な対立は確実に存在していました。

特に、猪木・佐山が立ち上げたUFOは総合格闘技路線を強く打ち出し、プロレス的な格闘技と対立する存在でした。特にその中心選手であった小川直也は、1999.1.4に「新日本プロレスのファンの皆様、目を覚ましてください!」とプロレス界に喧嘩を吹っ掛け乱闘事件を誘発した過去があります。

そのため、プロレス界の中心人物の一人であった三沢にとって小川直也は絶対に負けてはいけない相手でありました。負けないだけでなく、圧倒的にプロレスが上であることを示さないといけないくらいの感情があったと思います。

今のプロレスにはないヒリツキ

今の華やかなプロレスも大好きですが、この時代はプロレス全体が沈み始めており、そこに抗う緊張感、特に総合格闘技とプロレスの対立の緊張感はものすごいあったと思います。

この試合もプロレスvs総合格闘技の構造となっており、試合前・試合後の物々しさは映像からでもヒリツキが伝わってきます。

00年代前半のプロレスは、試合だけでなくこの団体抗争や総合格闘技の匂いを感じながら閲覧するとさらに楽しめると思います。


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