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2000.5.1 藤田和之 VS マーク・ケアー@東京ドーム 〜プロレスラーが霊長類最強になった瞬間〜

久しぶりの過去試合に関する投稿です。そして、今回はプロレスラーが出場していますが、プロレスの試合ではありません。総合格闘技「PRIDE」の試合を紹介させて頂きたいと思います。

最強のファイターは誰か?

「ガチンコでやったら誰が最強か?」「試合ではなく喧嘩だったら誰が最強か?」

ルールの中で行われているプロレスの世界ではある意味ナンセンスな質問ですが、いつの時代でも想像するとワクワクする質問だと思います。

ガチンコに近い「セメント」という言葉があります。新日本プロレスの道場で行われる寝技だけの本気のスパーリングのことだそうです。

その「セメント」の世界に拘り、最終的に自分の団体「パンクラス」を立ち上げた船木選手。そんな船木選手が選ぶセメント最強の選手は

藤田和之選手

でした。

総合格闘技の世界でも圧倒的な存在感を放った藤田和之選手

僕が思春期へと突入していく、90年代後半から00年代前半は総合格闘技黄金期でした。

一方で、人気に陰りが出始めたプロレス界は、総合格闘技のリングに選手を送り込んで強さをアピールしようとしていました。

その中でも異彩を放ったのが、猪木イズムの最後の継承者として、オーケストラ版の炎のファイターで入場する藤田和之選手でした。

その怪物ぶりに世界が最も震えた試合が、今回の「2000.5.1 藤田和之 VS マーク・ケアー@東京ドーム」だと思います。

当時「霊長類最強」と言われたマーク・ケアー選手に文句なしの判定勝ち

藤田和之選手の2回戦の対戦相手は、圧倒的な筋肉量と技術の高さで相手をねじ伏せる、当時当時霊長類最強と言われたマーク・ケアー選手。

まず、試合前にファンが驚いたのは藤田和之選手の体格です。筋肉量が売りであるマーク・ケアー選手と体格で負けていなかったのです。巨体の外国人選手と引けをとらない日本人選手の体格は当時の総合格闘技のリングでは珍しかったと思います。

試合開始後、始めこそマーク・ケアー選手の鋭いパンチや膝蹴りをまともにくらいに押される雰囲気になりますが、後半はスタミナが切れてきたマーク・ケアー選手の隙を見事に付いて、抑え込みました。

抑え込んだあとは、顔面を殴り、膝蹴りを腹に入れて、徹底的に反撃を許さない姿勢を続けました。霊長類最強のマーク・ケアー選手は、手に取るように戦意喪失をしていきました。

そして、KOやギブアップまで追い込めなかったまでも、文句なしの判定勝ちを手にしました。

プロレスラーが霊長類最強だ!

当時は世間だけでなく少年たちの中でも、プロレスと総合格闘技(K1/PRIDE)の境目に混乱していたように思えます。

しかし、僕ら少年たちの中では、なんとなくプロレスはニセモノで、総合格闘技が本物の格闘技であり、リアル天下一武道会なんだみたいな空気はあったと思います。

総合格闘技も好きでしたが、ゲームの影響からプロレスの方がそれよりも前から好きであったため、プロレス出身の藤田和之選手がマーク・ケアー選手を倒した時に、「やっぱりプロレスラーは本気出すと最強なんだ!」と思ったことを、時空を超えてYoutubeの動画を観たことで思い出しました。

※その後、実はこの頃のマーク・ケアー選手は既に薬物やステロイドの影響でかなりスタミナや筋肉量が落ちてきており、全盛期は過ぎていたことがわかるのですが、当時の少年はそんな事実を知る由もありませんでした。


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