ひとりウォーキング
テイクアウトの焼き鳥を目指して、
ひとり歩いた。
一人でウォーキングは、長らくしていない。
焼き鳥屋に着いたら、お休みだった。
出産が近いのでしばらくお休みします、
と書いてあった。
いい時代になったな。
店主の今の気持ちを想像して
嬉しくなった。
それから帰り道、
突然、とても自由になった気分。
風を切りながら歩く歩く。
思い出す。
20代の頃、夜のバンコクをバスで走り、
初めて降りた異国の街。
暗闇の中、雑貨屋のような露店が一軒、
小さな光がありがたかった。
気が付けば1時間40分も歩いていた。
夕食作らなきゃ。
現実に戻りつつ、まだ歩ける。まだ旅が出来る。
そんな希望が見えた。