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【壱岐新報2022.2.25】県知事選で大石氏が初当選、本市は中村氏の票が上回る結果

 任期満了に伴う県知事選挙は20日に投開票され、これまでにない熾烈な戦いを見せた。無所属新人で元厚生労働省医系技官で医師の大石賢吾氏(39)=維新推薦=が、無所属現職の中村法道氏(71)と無所属新人の宮沢由彦氏(54)を破り、現職知事では全国最年少となる初当選を果たした。投票率は47・83㌫(前回36・03㌫)だった。本市は投票率57・05㌫(前回51・08㌫)と、前回を上回った。

全国最年少の知事が誕生

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 知事選は出馬当初から波乱含みの様相を呈した。4選を目指す中村氏を初当選時から支えてきた自民党県連は大石氏の推薦を決めた。しかし、国会議員や県議の半数は県連の判断に反発を見せ中村氏の支援に回り、自民分裂の選挙に突入した。本市選挙区の山本啓介県議は、大石氏の積極的な支援活動を展開した。本市では各漁協も支援に加わった。
 選挙はこれまで3期12年にわたる中村県政の支持と、若手候補者の台頭による県政刷新が争点だった。政治経験がない大石氏は世代交代を声高に訴え、本市を含めた離島をくまなく回る選挙活動に徹した。谷川弥一衆議院議員の力強い応援も加わった。医師の資格を活かした新型コロナウイルス対策を強調し、無党派層を中心に支持を拡大した。
 一方、中村氏は新型コロナウイルス感染拡大防止に追われ、前半は足を使った選挙活動はままならなかった。企業誘致などの実績を強調し、農業、商工関連の団体のほか、連合長崎の推薦や立憲民主党、国民民主党の支持も得て組織型選挙を展開。しかし、長期県政停滞による人口減少に不満を持つ県民の厳しい判断が下った。
 本市の投票結果は、中村氏6367票、大石氏5029票、宮沢氏698票と、中村氏への支持が他2候補者を上回った。当日有権者数は2万1392人(男1万152人、女1万1240人)、投票者数は1万2205人(男5908人、女6297人)、有効投票数は1万2094人、無効投票数は111人。
 今回の投票率は57・05㌫と、前回・2018(平成30)年の51・08㌫、前々回・2014(平成26)年の54・68㌫と比べて高くなった。期日前投票は5459人(男2573人、女2886人)と、コロナ禍により前回の4605人から上回った。

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記者の目線
保守分裂の中での県知事選挙は、谷川弥一衆議院議員、金子原二郎農相の猛烈な支援のもと、大石賢吾氏が現職を破り選挙を制した。大石氏と中村氏の得票差はわずか541票。まさしく僅差で明暗を分けた形だ。
 敗れた現職側の支援をした半数の県議と、当選した新人側を支援した県議とで、大きなしこりを残す形になった。
 来たる今夏の参院選では、保守一丸となって金子農相の支援となるのだろうか。

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