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【壱岐新報2022.1.7】新年の挨拶

新年の書「望」

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人々は望みをつないで生きている。今年も人それぞれの望みに託しましょう。
 昨年は、東京五輪の成功と新型コロナの収束を願って「念」としましたが、念は通じたと思っています。 令和四年 新春 孤舟 福田 敏


新年のご挨拶
長崎県知事 中村法道

 新年明けましておめでとうございます。
 県民の皆さまには、健やかに新春をお迎えのこととお慶び申し上げます。
 昨年を振り返りますと、「東京2020オリンピック・パラリンピック」に本県ゆかりの15名の選手が出場され、2つの金メダルと3つの銀メダルを獲得されるなど、その輝かしい活躍は、私たち県民に大きな夢と感動を与えました。また昨年は、長崎県が誕生してから150周年の記念の年であり、様々な事業を通じて、県民の皆さまと改めて本県の歴史を振り返るとともに、これから変わりゆく「まち」の姿と明るい未来を共有する機会となりました。
 一方、8月には、全国的に記録的な大雨となり、県内でも5名の方がお亡くなりになるなど、一昨年に引き続き、防災の大切さを感じた年でもありました。また、新型コロナウイルス感染症につきましては、全国的に感染が拡大する中、本県においてもまん延防止等重点措置の適用を受けるなど、危機的な状況に陥ったことから、様々な感染拡大防止対策を講じるとともに、医療提供体制や検査体制の強化、ワクチン接種の推進などの対策に全力を注いでまいりました。
 特に、県民生活や社会活動の制限緩和と地域経済の活性化に向けては、皆さまが安心して県内の飲食店を利用できるよう「ながさきコロナ対策飲食店認証制度」の普及拡大に努めるとともに、安全・安心に旅行ができる環境づくりや、魅力ある観光地づくりに取り組んでまいりました。
 未だ感染収束は見通せない状況にありますが、今後の地域間競争に遅れることがないように、インバウンド対策としては、コロナ収束後を見据えた情報発信のほか、国際航空路線やクルーズ船の早期運航再開に向けたプロモーションにも取り組んでいかなければならないと考えております。また、コロナ禍における新しい働き方、暮らし方として注目されているリモートワーク・ワーケーションについても、受入環境づくりや都市部企業等との関係づくりが大切であると考えております。
 さて、本年秋には、いよいよ長年の悲願であります西九州新幹線(長崎~武雄温泉)が開業いたします。新幹線の開業は、交流人口の拡大をはじめ、地域の振興や産業の振興など、本県にとって大きなチャンスであり、開業までの残された期間、さらに市町や経済団体等との連携を図りながら、官民一体となって開業効果を最大限に高められるよう、皆さまのご協力をお願いいたします。また、IR誘致については、本年4月期限の区域認定申請に向け、設置運営事業予定者とともに準備を進めております。今後とも、九州・長崎IRの実現には、九州各県や経済団体などと、連携して取り組んでいく必要があるものと考えております。
 また、県庁舎跡地の活用については、本年3月までに基本構想を取りまとめることとしており、その後、広場などを仮整備し、その利用状況を検証しながら段階的に整備を進め、本県に活力をもたらすような、歴史を活かした賑わいの空間や、交流・イノベーションの場の創出を目指すこととしております。
 このほか、来る令和7年度には、「国民文化祭、全国障害者芸術・文化祭」を本県で開催することが内定しております。同大会の開催を通じ、地域の特色ある文化芸術活動を活発化させるだけでなく、本県の魅力を全国に発信することで、観光振興やまちづくりなどにつながるものと考えております。また、産業分野においては、5G関連や自動運転技術等の進展により、世界的に半導体需要が拡大する中、本県への誘致企業による新工場の更なる拡張や、新たな投資計画により、数百名規模の雇用の拡大が期待されます。
 このように、本県が迎える大きな変革の時期をチャンスとして捉え、地域の活性化につなげる施策への取組、そして新たな時代を生き抜いていく、力強い長崎県づくりが始まっております。
 結びに、本年が皆さまにとりまして、素晴らしい年となりますよう心からお祈り申し上げます。

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