【壱岐新報2024.6.28】補正と当初予算の二重計上、市は「懈怠があった」として弁明と謝罪
市議会定例会6月会議の18日、議案審議で複数の市議が昨年度3月31日の一般会計補正予算の専決処分に異議を唱えた。問題となるのは、勝本町ふれあいセンターかざはやの1873万6千円と、芦辺クオリティライフセンターつばさの2572万円の減額補正予算について。両施設は昨年度までに非常用発電機や受変電設備、貯水槽、特別浴室の改修工事が見込まれていたが、市職員による事務処理の懈怠(けたい・怠り)があり、工事は未執行となった。市議会は「同予算を含む当初予算の可決後、昨年度の補正予算を今議会で減額補正した。二重計上であり、手続きの順序が逆だ」と意見した。
市施設工事の未執行に疑義
市は、市議会6月会議で今年度中に速やかな工事を進めるため、同予算の専決処分を上程した。しかし、同工事の予算は昨年度予算に計上されたまま、今年度当初予算に計上するという、いわば二重計上にあたることがわかった。さらに市議からは「今議会の13日まで、市議会への報告と説明がなかった」「4月の懲戒処分報告の文書のみで、予算に関する説明がなかった」など、複数の疑義が浮かび上がってきた。
昨年度中の減額ではなく専決補正とした理由について、市民部長は「設計などが3月に執行中であったため、年度末まで事業費が確定できなかったこと、少しでも事業を進捗させておきたいという理由で、予算の減額をせず年度末まで事業に取り組むため、今回のような対応となった」と説明した。
今年度当初予算に計上していた理由では「施設の指定管理事業者との協議の上、未執行となった工事の対応は継続事業として年度開始後、速やかに事業に着手し、影響を最小限とするため、今年度の当初予算に計上した」と述べた。
これまで市議会への説明不備については「3月会議での予算特別委員会などでの説明が不十分だったこと、4月の懲戒処分発表後に予算に関する説明ができていないことは、意図したものではないが、市として今回のような事案の経験がなく、今議会での説明となった」とし、市議会で謝罪した。
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