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【壱岐新報2022.12.2】認定こども園、建設地反対署名3017筆を提出

 壱岐のこどもの健やかな育ちを守る会(山内裕司・割石賢明共同代表)は先月24日、市役所郷ノ浦庁舎で郷ノ浦町柳田地区に建設予定の認定こども園の計画変更などを求める要望書と建設地反対署名3017人記載分(11月24日分まで)を、2024年4月の開園に向け建設計画を進める社会福祉法人北串会(雲仙市、中路秀彦理事長)へ手渡した。山内共同代表ら市民団体は「このままでは意見は平行線のまま。建設予定地の代替案を用意した」とし、新たな用地2案を提案した。提案を受けた中路理事長は「これまで長い時間をかけて用地を選定した。現状で建設地変更の考えはない」とするが、「同会の理事に報告し検討はする」との回答にとどめた。会談には共同代表を含めた市民団体7人、北串会側は中路理事長ら3人と建設予定地所有者の市内在住関係者1人が向かい合った。


市民団体「建設予定地の代替案あり」、北串会「現状のままでいく」意見交わす


無償の土地を提案するも「建設地の変更はない」

 市民団体の山内共同代表は「本日は建設的な意見交換がしたい。まず認識してもらいたいが、我々は建設について反対ではない。むしろ、行政ができない部分を民間で進めてもらえることに感謝の思いもある」と中路理事長へ考えを伝えた。しかし、「現在の建設予定地は土砂や水害、交通事故などの危険があり賛成できない。同会が反対するのは子ども達への危険が伴う現建設予定地についてのみだ」と同市民団体の総意を述べた。

 これまで市や市議会に対して、建設地変更の要望を重ねてきた経緯を踏まえた上で、山内共同代表は「このまま話し合いをしても平行線のままで意味はない。お互いに納得ができる落とし所を用意した上で話し合うべきだ」とし、山内共同代表が個人所有している壱岐病院近隣の土地、約1800坪のうち800坪を同園建設地として無償提供することを提案した。

 山内共同代表は「補助金事業であり、完成までの工期も決まっていることから、今から新たな用地選定は時間的に難しいことは理解する。私が所有の土地であれば判断は早い。現建設予定地は200坪だが、提案地はそれ以上の十分な広さがある。水害や交通事故の危険もない。壱岐病院が近いため、何かの時には保護者も安心できる。さらに、病院職員も子どもを預けやすく働きやすいのでは」と伝えた。

 現建設予定地はガソリンスタンド跡地であり、用地工法には土砂災害特別警戒区域が隣接することから、山内共同代表は「さら地から建設した方が費用面や設計も有利ではないのか。地代も無料だ」と付け加えた。中路理事長は「市とも工事の延期手続きなど共同で事業を進めており、法人としての考えもある。これまで通り現建設予定地で進めていく」と答えた。

 山内共同代表は「今後の費用面など、さまざまな面で現建設予定地よりも合理性がある提案のつもりだ。それでも建設地は変更しないという。補助金などの縛りはわかる。しかし、こども園を作る計画だ。検討を願いたい」と再び意見を求めた。

 中路理事長は「提案はうれしいが、数年かけて土地の選定を行い申請した。手続きでは問題点や手順も適正に進めた。建設地変更の考えはない」と回答を繰り返した。しかし、その後も無償用地とは別に大谷公園周辺の用地を提案した同市民団体に対し、中路理事長は「2つの提案内容は理事会に図る」とし、案を持ち帰り検討することにした。

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