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【壱岐新報2024.9.13】市議会全員協議会が異例の公開審議。へき地保育所閉所問題で

 郷ノ浦町の柳田と志原地区へき地保育所閉所の方針をめぐり、へき地保育所の存続を望む会(頴川加奈江、田中愛妃共同代表、以下、望む会)と柳田保育会の法村洋介会長は先月30日、市議会の小金丸益明議長に対し「へき地保育所の閉園延長に関する請願」を提出した。市と保護者、地域住民の間での話し合いは平行線のまま、望む会は「市は一向に私たちの声を聞き入れてくれず、何を話しても、もう閉所は決まったことと一蹴するのみ。このままでは市に対し私たち保護者、地域住民との溝は深まるばかり」と話している。


深まる溝、住民が請願書を提出


 請願には紹介議員として中田恭一議員、賛同議員には8人、計9人が連名している。

 中田議員は「なぜ、市は住民と保護者への説明が1年前にできなかったのか。市民の声を聞かないとなれば、市と市民で溝は深まるばかりだ。ここ1年の猶予を設け、じっくりと市民に説明をしていくことが良い」と請願に賛同した理由を述べた。

 市議会9月会議で市が提出した「市へき地保育所に関する条例の一部改正」で、閉所を事実上の決定とする市の考えに対しての反発と見られる。さらに、これまで2回に及ぶ「柳田保育所閉所に関する説明会」を経て、地域住民と保護者らは「幾度も話し合いを尽くしたところで、篠原一生市長と市いきいろ子ども未来課は『すでに決まった方針』を繰り返すのみで、一向に私たちの意見に耳を貸そうとはしない」とした、市の対応への不信感が請願提出に至った理由だ。

 請願書には「先月6日、20日に行われた柳田地区・保育所保護者合同説明会において、担当課よりへき地保育所の閉所に関する説明が行われたが、柳田地区公民館への説明は同月6日が初めてであり、地域住民が十分に納得できていない状況で来年3月末の閉所は望ましくない」として、市による住民と保護者への説明の不備を指摘した。

 また、「柳田保育所保護者も立地や小規模保育の環境を望んでいる。市と地域、保護者や子育て世代間に大きな溝がある。今後は市と地域、保護者が溝を広げるのではなく、寄り合いながら新たな保育所運営を行っていただくために次のことを請願する」とし、市議会に対して要望を提出した。

 要望には、①柳田地区の立地を踏まえ、柳田地区の需要性をみるために、今年度募集園児の制限をかけずに閉園の延長を行うこと。

②今後、閉園については需要性、民間保育所との調整を図りながら地域住民や保護者に丁寧に説明を行い進めていくこと。

③閉園延長期間内に、新たな保育環境を望む市民の意向に寄り添い、認定子ども園の具体的な計画や今後の保育所運営について再検証すること-の3項目を求めた。

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