うねりノート#7 私は写真のフィルムだった
めがさめると、さわやかな初夏の日差しを感じた。
私の体は透け、光が体を貫通している。
私はペラペラだった。
私は写真のフィルムだった。
現像液につけられたあと、乾燥させるために干されていたのだった。
私に写っているのは、人物でもなく、風景でもなく、光だった。
光を拡大し、うすみどりや、ほとんど白に近い色で、
丸が構成されているような、なんだかわからないものだったが、
それが、初夏の日差しであることはわかった。
ここから先は
0字
¥ 100
うねりにお菓子を買ってあげてもいいという方は サポートお願いします。