究極の選択 【植物編4】
この木のために頑張ったのに…。
写真は落葉樹として有名なブナの木です。
落葉樹は寒さの刺激を受けると、葉を落とす種類の樹木です。
葉をたくさんつけていると、水分や栄養分が大量に必要になります。
夏は長時間強い光が降り注いでいるため、
光合成をたくさん行うことができ、
木の栄養分は豊富ですが、
冬はそういうわけにはいきません。
葉を落とし、
水分や栄養分をなるべく使わないようにしなければ、その木(本体)が生きていけなくなります。
そのシステムは
「アブシシン酸」という植物ホルモンが関係しています。
木は寒さという刺激を感じて、アブシシン酸を出します。
このアブシシン酸の刺激で、
さらに「エチレン」という気体の植物ホルモンを出します。
このエチレンは、葉と幹の間に離層というものを作ります。
この離層により茎が細くなり、最終的には落葉してしまいます。
さらに、
落葉する前段階として、起こるのが「紅葉」です。
離層が形成されて維管束(水・養分や栄養分の通り道)が細くなると、
葉で作られる物質は、幹に運ばれなくなります。
通路を封鎖されるようなイメージです。
葉で作られるものはデンプン(栄養分)の他に「アントシアニン」という色素があり、
これが、幹に移動せずに葉にたまってくると、色が変わってきます。
そう!
これが「紅葉」です。
実は「紅葉という状態に入った」ということは、
離層が形成されて、葉が落ちる前触れだというサインだったのです。
人間にとっては、紅葉は秋の楽しみであり、植物の良さを感じる時期です。
しかし、この背景を知っていただければ、
落葉樹が最期の時期を迎えているという「はかなさ」も感じられるのではないでしょうか。
夏、一生懸命に働いてくれた葉を
残すのか落としてしまうのか…
自分を守るための最終手段。
究極の選択
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