初めてのヨウム飼育:61万円で迎えた新たな家族
爬虫類両生類は20年以上飼育してきましたが、鳥の飼育経験は子供の頃に祖父母の家で九官鳥やインコを飼育していた程度です。当時、祖母が九官鳥を逃がしてしまい、それ以来、もう一度九官鳥を飼育したいと思っていました。しかし、飼育種を日本産・アフリカ産に限定しているため断念しました。そこで、次に気になっていたヨウムを購入することにしました。この記事では、その際の葛藤や注意点について記載します。
ヨウムとの出会いと購入までの経緯
初対面
友人がタイハクオウムを見に行きたいと言うので、交通費を一部出すから車を出してほしいと頼まれました。「アクアリウム東京に研磨疑惑アルダブラゾウガメの件でフィードオン代表の黒田氏がいるか見に行くついでならいいかな。」と、イベントに行ったあとに駒込にあるえとぴりかTOKYOに一緒に行きました。
店に着くと、タイハクオウムがオスとメスの2匹いて、友人は延々と悩み始めました。
タイハクオウムは767,800円でした。爬虫類両生類以外の相場はよく分からないので、高いのか安いのかもよく分かりません…。
店員さんの一人がアクアリウムバスやアクアリウム東京でフィードオンの元でバイトした事があるらしく、研磨疑惑アルダブラゾウガメの件も知っていたので、その話と、たまたま連れ歩いていて車にお留守番していたケンマくんを持ってきて見せたりして盛り上がりました。
友達が悩んでる間、暇だったので、店内の鳥たちを眺めていました。
また、僕の飼育スタイルは、爬虫類両生類を日本産・アフリカ産に限定しているため、他の生き物も基本的に同じスタンスです。
しかし、ネズミガシラハネナガインコ(セネガルパロット)はすでに売約済み、コザクラインコやボタンインコもいませんでした。
ヨウムが目につき、以前から気になっていたこともあり、少し興味を持ちました。CITES附属書Iにリストされた後、価格が高騰しているとは聞いていましたが、66万円とは驚きました。
友人は購入するタイハクオウムを決めて購入してました。楽しそうですね。
結局、16時半から19時半までの約3時間、待たされました😅
一瞬、僕もヨウムでも買っていこうかとも思ったのですが、爬虫類や両生類とは違い、鳥は懐く生き物なので、気軽に手放すわけにはいきませんし、寿命も長いので今回は諦めました。
生体代割引券をもらう
50万円以上の購入で5万円OFFの生体代割引券がもらえたようで、友達がくれました。
他の店でも見てみる
寒川水族館にもヨウムが2匹いたので見てきました。年齢が12歳ということもあってか、価格は60万円を切っており、安めに感じました。
しかし、なんとなくピンとこなかったので、ここでは購入しませんでした。
本を買う
湘南T-SITEで「インコのきもち」を購入し、軽く読んで勉強しました。
※この記事を書いている途中でAmazonを確認したところ、Kindle Unlimitedで0円で読めることに気づきました😂
他の方々からの情報
色々と調べたり、他の飼育者さんからDMで情報をいただいたところ、えとぴりかは以前Xで病気が発生したり、専用フードに問題が出たりといくつかトラブルがあったようで、少し心配になりました。
また見にえとぴりかへ
ヨウムが気になっていたので、10月26日を逃すと次の月の16日まで土日祝が空いていなさそうだったこともあり、予定していたイベントに行くのを取りやめて、えとぴりかに行くことにしました。見るだけで諦めようと思っていました。
14時半頃に店に到着し、ヨウムを実際に触らせてもらいました。店員さんが手に移動させてくれたのですが、ヨウムが肉がえぐれるほど噛みついてきて、血がダラダラと出ました。
その後も何度か触ろうと試みましたが、手に乗せると隙を見てまた噛みついてきました。
もともと2024年にはレッドファクター(品種)も含めて7匹が入荷していたようですが、この子だけが最終的に売れ残っていた理由は、かなり神経質で人見知りが激しく、他の客にも噛みついていたからだそうです。自分に懐くかどうか不安でしたが、閉店1分前の17時59分まで悩んだ末、ここで買わないともう二度と鳥を買わない気がして、最終的に「なんとかなるだろう」と思い、購入しました。
名前は、研磨疑惑アルダブラゾウガメが「ケンマくん」と呼ばれていることに合わせ、加工系の名前で統一しようと考えました。そこで、IT用語の「トリミング」から「トリム」と名付けました。
僕も5万円の生体代割引券をもらい、余らせるのはもったいないので、セール中で65,780円になっていたコガネメキシコインコに適用して追加で購入しようかと考えていました。しかし、保険の契約や購入の説明を受けているうちに営業時間を過ぎてしまい、そのまま忘れて帰宅しました。
今思えば、鳥飼育初心者にはヨウム一匹でいっぱいいっぱいそうなので、これで良かったと思います。また、割引券の期限が1ヶ月しかなく、店員さんによるとあまり使う人はいないそうです。
生体代割引券の転売は禁止されていますが、店員さんによると手渡しで無償であれば誰に譲渡しても構わないとのことなので、どうしようか考え中です。
購入した内訳
ヨウム 610,000円 (生体代割引券5万円分適用後)
検査代 16,500円
挿し餌用セット 1,540円
ライトキャリー(移動用) 4,378円
バードケージ(IRCG2100) 29,876円 (後日発送)
餌やサプリメント等 3,982円
グッズ 693円
合計666,969円
あと、鳥に関しては爬虫類両生類と違ってよく分からず、動物病院にお世話になる率が高そうなので、購入時だけに入れるらしい、アイペットのうちの子キュートの70%プランに年払いで加入しました。
ヨウムの特徴と魅力
日本産・アフリカ産縛りで飼育しているため、日本で入手・飼育できるインコやオウムの中で選べる種類は少ないのですが、その中でも大型サイズで、九官鳥のように言葉を覚える点が魅力的です。また、グレーの体色に赤い尻尾が美しく、ピンポイントで気に入っています。さらに、猛禽類のようにネズミなどを使わず、配合飼料や穀物、野菜で飼育できる点も良いですね。
ただ、CITES附属書Ⅰに該当するため、5年ごとの申請が面倒です。パンケーキガメも同様ですが、できればまとめて申請できるようにしてほしいですね。また、購入後30日以内に国際希少種の譲受け届出が必要で、これを忘れないようにしないといけないのも難点です。パンケーキガメでも同じですが、忘れそうになることがあり、毎回焦ります。
また、ヨウムの平均寿命は約50年と長いため、一生一緒に過ごせそうです。現在38歳の僕よりも長生きする可能性もありますが、婚活を継続して良い相手が見つかれば、引き継ぎ先ができるかもしれません。見つからなかった場合に備えて、60歳を過ぎた頃に改めて考えられるよう、知識や人脈を増やしつつ飼育を続けていこうと思います。
また、帰りに寄ったガラパゴスの店長から興味深い話を聞きました。附属書Ⅰに登録された後、有精卵で輸入することで申請を通りやすくする方法が使われているそうです。実際、輸入日と誕生日が逆転しており、約2週間経過していました。また、えとぴりかで見たヨウムのリング番号は「ETPK JP 001~025」と振られていましたが、入荷数は全店舗で12匹でした。おそらく、25個前後の孵化直前の有精卵がフィリピンから輸入され、半数ほどが死亡し、残りが孵化したのだと想像しています。改めて、この趣味がいかに複雑で罪深いかを感じました。
飼育開始と数日の様子
初日はかなり噛んできましたが、挿し餌をした後くらいから少し大人しくなりました。ただ、ケージに戻そうとすると激しく噛みついてきたり、暴れたりします。
発生した問題
えとぴりかで購入したケージが届くのが数日後だったため、その間は移動用のキャリーケースで管理できるだろうと高を括っていました。しかし、思った以上にヨウムが賢く、自分でケージを開けて外に出てしまいました。その際、ケージの持ち手部分のビニールを噛んで誤飲していたため、急いで対策をしました。友人に頼んでケージを借りつつ、ナスカンも購入して対策しました。
動物病院へ
ビニール的なものを誤飲してたのが心配だったのと、たまたま運良く予約が入れられたのもあり、友達に紹介してもらった横浜市緑区にあるバーズ動物病院へ。
誤飲については、レントゲン撮影やそのうの触診をしてもらいましたが、現状、飼育に問題はなさそうとのことで様子見となりました。
また、えとぴりかには生体保証があり、迎え入れ後72時間以内にPBFD・BFDの検査を行い、後日陽性判定が出た場合に生体の返品を前提とした保証が受けられます。ただし、返金ではなく同等額内の生体と交換の対応で、他に欲しい生体がいないため、使う可能性は低そうです。しかし、万が一陽性だった場合は記事のネタにもなりそうなので、動物病院にも来ましたし、ついでに検査を依頼しました。
また、今回は誤飲で緊急外来として診てもらえましたが、大型の鳥を診察できる動物病院は急患以外の新規は断っていたり、予約前提のところが多いようです。そのため、72時間以内に検査が可能なのか少し疑問に感じました。また、ウイルス性疫病の発症確率は分かりませんが、結果が出るのが1ヶ月後と聞いています。その頃には愛着も湧いているでしょうし、同等額内の生体交換のみの保証は、よく考えられているというか、実質的には形だけの保証にも見えました。
まとめ
爬虫類両生類と比べると、放鳥の時間が必要ですし、餌切れに弱いので飼育は大変そうです。しかし、人に懐く生き物を飼育するのは約20年ぶりなので、この新しい体験を楽しもうと思います。
誤飲など、爬虫類両生類とは違うトラブルもあり、知らないことが多くて新鮮です。また、放鳥でコミュニケーションを取ることが重要で、爬虫類両生類のように全く触らない飼育とは違う点も興味深いです。
ここ数年は趣味も縮小して行ってたので、ジャンルを広げるのは久々ですが、色々と勉強しつつ楽しんでいこうと思います。
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