【Mステからタモリさんを考察してみた】
まず、最初に気になったきっかけは、ささいなことだったんだと思う。
Hey Hey Heyや、うたばん とは違い、あまり出演者をいじらないタモリさんのMステ。まだタモリさんをあまり知らなかったころは「この人は大物なはず。芸人?とも言われている。なのに司会で笑いを取りにいこうとしていない。淡々としている。でも出演者は、Mステに出るだけじゃなくて、タモリさんに会うためにきている。これはなんなんだろう。」と思っていた。
小学生で、欠席の平日昼と、習い事のなかった休日昼のお決まりになったのが「いいとも」。タモリさんはMステよりもテンション高く、笑いを取りにいったり、出演者をいじったりしている。
Mステも楽しい。タモリさんの、話からの「はい、まいりましょう」も面白い。でも楽しいと感じるようになると、余計に「Mステ」での司会はなんなんだろう。というモヤモヤな気持ちが下のほうに漂っていた。
とはいえ、そのモヤモヤは日常に潰されていき、「Mステ」も「いいとも」も楽しい番組であり続けた。
高校1年生。ある程度物事を理解してきたころ。ある番組があった。それは、「題名のない音楽界」。ここにタモリさんが出演していた。トランペットを吹いていた。当時の私には衝撃だった。
「タモリさん」って……何者!?
頭の中がしぼむように思考を始める。
その圧力は高まり、見終わったとき、一気に我に返る。
思考停止した頭には、雲ができるようにモヤモヤが全体を包んだ。
それから、Mステを見るときも少し見方が変わった。
「あぁ…タモリさんも 音楽人なんだ」
「ジャズの人間なんだ」
「音楽を楽しんでいるんだ」と。
そして、いいともの見方も変わった。
「あぁ…これはジャズのセッションなんだ」
「即興を楽しんでいるんだ」
「芸能人のありのままをお届けしているんだ」と。
今では、「タモリ学」や「タモリ論」を読み、タモリ倶楽部やブラタモリを見て、YouTubeで昔のラジオ音源を聴いたりする。
あまりタモリさんは、自分を語らない。だから自分で考察することが多い。
だからMステとタモリさんも考察をする。
私が見る限り、 「いいとも」も「Mステ」もタモリさんは「全体の雰囲気を見ながら番組を盛り上げている」と思う。
どこかで、”仕切らない仕切り”という表現を聞いた。そのとおりだと思った。MCとして自分から場を仕切るというよりは、出演者のキャラクターを尊重しつつ全体の雰囲気を見て、自分のしたいことをしているという感じ。
ただ、やっぱり「いいとも」と「Mステ」での違いがある。
「Mステ」のほうが落ち着いている。アーティストをいじることもあるけど、いいともよりはない。笑ってもそのあとすーっと元に戻る。しゃべるのはアーティストが準備している時間だけ。だから「それではまいりましょう」をいうタイミングを常に意識している。
これは、最近「news zoro」の中で1つ答えを言っていた。
「ミュージシャンは、音楽番組が一番緊張する。ライブだと自分のペースにもっていきやすいが、音楽番組ではそうはいかない。だから司会はなるべく邪魔の無いようにしたい」ということ。
自身が音楽を愛し、音楽を奏でるタモリさんだから行きつく答えだと思う。
Mステが続く理由として、私はタモリさんの言葉も借りながら3つ思う。
まず、番組をプロデュースする立場としては、司会(タモリさん)のしゃべる時間が減れば、それだけ多くのアーティストを出演させることができる。すると見たい人も増える。視聴率はあがる。有名なアーティストも出たくなる。番組に箔が付く。まさに正のループ。さらにここにタモリさんいう人間の魅力もある。
(ちなみに、視聴者の立場も同じである。ここにもタモリさんの人間の魅力がある。)
また、アーティストとしては、緊張している私たちだけど、その中で魅力を引き出すのがうまい。芸能界の大御所でもあるタモリさんに会うとなにかを得られた気になる。博識も高く面白い、それでいて思いやりがある、となる。
さらに、視聴者とすれば、タモリさんが出ているということはいい番組、好きなアーティストもたくさん出る。アーティストが楽しそうな顔をしている。Mステはみんなが知っている番組、明日の話の種にもなる。また、ときどきでるタモリさんのお笑いが番組のスパイスになっている。だから見飽きない、長年愛される番組となっているのではないかと思う。SMAP×SMAPでやっていた音楽要素もMステから得たものなのではないかと考えている。
ときかく、タモリさんは面白い。人間的な魅力として面白い。
電車が好き、ジャズが好き、変態、テレビに出るのが好き、ということはテレビの世界で知る。本当のプライぺート(紅白司会をやらない理由や、いいともをやめた理由)は語らない。みんなが憶測でいうだけ。テレビの世界の人だけど親しみがあるし大御所。
Mステは、タモリさんにとって1つの番組であり、芸能人として恰好のつく作品であり、人間的魅力を引き出すツールなのではないか…と私も勝手に考察する。
ありがとうございます。 サポートって言葉、良いですね。応援でもあって救済でもある。いただいたサポートは、誰かを引き立てたたり護ったりすることにつながるモノ・コトに費やしていきます。そしてまたnoteでそのことについて書いていければと