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短鎖脂肪酸とは~効果のこと~

「短鎖脂肪酸が与える効果」について、できるだけ分かりやすく書いていけたらと思います。

短鎖脂肪酸を生産させるためには

まず、おさらいしておきましょう。

短鎖脂肪酸を腸内で生産させるために必要になのは、オリゴ糖や食物繊維をしっかり摂取すること。
そして、その大前提として、腸内環境がしっかりと善玉菌優位を保ち発酵作業がしっかりと行われる環境であることです。

以前の記事にも書いているのでご参考ください。

大腸のエネルギー源

短鎖脂肪酸は大腸の粘膜細胞のエネルギー源としての役割を持っています。

大腸の粘膜は血管から供給されるエネルギーよりも、短鎖脂肪酸からのエネルギーに方に依存しているということが科学的にわかっているそうです。

ガン予防

短鎖脂肪酸は腸内を弱酸性に保つ働きがあります。

なかでも、酢酸は悪玉菌を退治する殺菌作用や増殖を抑える静菌作用があるとされています。

悪玉菌が出す酵素の活性を抑えられるということになるので、発がん性物質である「二次胆汁酸」や有害な腐敗産物が出にくくなります。

つまり、腸内環境が健康に保たれ、がん予防につながると言われています。

腸管バリア機能アップ

腸の粘膜は病原体の侵入を防ぐ「腸管バリア機能」を担っています。

酪酸やプロピオン酸には、元気な腸粘膜を維持する働きがあると言われています。

肥満予防

短鎖脂肪酸は、脂肪細胞にある受容体に作用して脂肪細胞へのエネルギー取り込みを抑え、脂肪細胞の肥大化を防ぐ働きがあると言われています。

さらに、神経細胞にある受容体にも作用し、交感神経系を介してエネルギー消費を促します。

つまり、より効率的にエネルギー消費がなされるようになるので、肥満予防につながるというわけですね。

食欲の抑制

酢酸やプロピオン酸は、腸管のL細胞からGLP-1やPYYのような腸管ホルモンの分泌を促す働きもあります。

このGLP-1やPYYというのは、脳に直接作用して食欲を抑える働きがあると言われています。

満腹感を維持させて過食を防ぐという役割ですね。

また、酢酸にも直接脳に作用して食欲を抑えるという研究報告があるとされています。

便秘解消

短鎖脂肪酸が腸内を弱酸性に保つことで、大腸の粘膜を刺激して腸のぜんどう運動を活発にする働きがあるとされています。

便を排泄する動きが活性化するので、便秘解消につながるというわけですね。

糖尿病の予防

先に言ったように、酪酸には腸管にあるL細胞に作用して、腸管ホルモンであるGLP-1の分泌を促す作用があります。

GLP-1にはインスリンを分泌する細胞の減少を抑えたり、インスリン分泌を促す作用があると言われています。

つまり、糖尿病予防や改善に効果があるということですね。

免疫機能の調整

腸には数多くの細胞が存在しています。

特に免疫細胞においては、全身の半分以上が腸に集中しています。

酪酸には、過剰な免疫反応を抑えるT reg細胞という免疫細胞を増やす効果があると言われ、免疫機能が必要以上に反応するのを抑えてくれます。

短鎖脂肪酸がもつ働き

腸内環境が正常で且つしっかりと発酵が行われていることで、身体は「いい調子」になります。

しかし、現代人は多くのストレスを抱えたり食生活が乱れたり生活リズムが乱れたりと、腸内環境を正常に保つことが難しい状況にあります。

そんな中で「ヨーグルトを食べてるから大丈夫」や「発酵食品を食べてるから大丈夫」などと思い込んでいる方々が多くいらっしゃいますが、正直なところ“普通に食べる”だけではほぼ効果は期待できないと言ってもいいかもしれません。

外から摂る菌は体内では定着が難しく、仮に定着してもほんの僅か。

さらに、もとからいる菌との勢力争いに勝つことも難しく、効果はあまりないと言ってもいいかもしれません。

じゃあどうしたらいいのか?

そこのところを、今後の記事でつっこんでいければと思います。


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