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バカじゃないの?

せんだい豊齢学園の修了(卒業)文集等を読むと、生まれは仙台ですが、転勤続きで定年後に戻ってきた方や、これからの長い生活を考え、終の棲家として住みやすい仙台を選んだという方も少なくありません。
そのせいなのか、以前より仙台弁が聞こえることが少なくなった気がします。

昔の話になりますが、私の家族も他県から仙台に引っ越してきました。
姉は中学の途中からということもあって、小学生の私よりも緊張していたと思います。ただ、近くの席になった生徒たちはとても親切で、転校初日からいろいろと教えてくれたり、給食も笑顔で一緒に食べてくれたようでした。

しかし転校から1週間ぐらい経った頃でしょうか。朝、いつものように席に座ると、隣の席の生徒が心配そうに姉を見て言いました。

「〇〇さん、バカじゃないの?」

「えっ?」

別な生徒も近づいてきて
「絶対バカだよ、保健室に行った方がいいよ」
「えっ?」
姉は驚いて声が出ません。なぜ出会ったばかりなのに、そんなことを言われるのか。
職員室へ行くと、担任の先生までが
「可哀そうに、これはバカだねぇ。ひどいときはお父さんかお母さん呼ぼうか?」

仙台が長い方はもうお分かりかと思いますが、仙台(やその近辺)では目が腫れる「ものもらい」を「バカ」と呼ぶことが多いのです。
周りの優しい生徒たちは本当に心配してくれたんですよね。

豊齢学園の人気講座『仙台の方言』でもこの言葉について触れたことがありましたが、数年に一度集まる中学時代の同級生との食事会で、必ず話題に出るそうです。

美味しいものを食べながら、ちょっとした勘違いも笑いに変えて、遠慮なく思い出話ができる日が早く来ますように。


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