イキダネ!奈良!健一自然農園に遊びに行こう!(イキダネvol.25)
「まほろば」という言葉をご存じですか?
「素晴らしい場所」「住みやすい場所」という意味の日本の古語だそうです。今回のイキダネ!ツアーは、耕作放棄地を使って、自然栽培のお茶作りをしている伊川健一さんを訪ねる旅。
お茶、自然、地球環境と真剣に向き合う健一さんのまわりには、確かに大和魂が息づく「まほろば」がありました。
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京都駅からレトロな国鉄車両が残る電車に揺られて30分。今回の集合はJR奈良駅。初の西日本地域での開催となりました!
まずは「ウェルカムドリンクです!」ということで、奈良市内にあるカフェスタンド「the Blend」へ。こちら理髪店と合体した店舗で、ロゴマークがなんともかわいいお店です。
茶葉はもちろん、健一自然農園のものを使い、なんとその場で茶器を使ってお茶をたててもらえるのです!
早速出会えたはんなり奈良美人のあでやかなお点前にみんなメロメロ!このクオリティで300円台、家の近くに欲しいです。
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さて、美味しいラテを片手にいざ、茶園へ。参加メンバーはみんな、本物のお茶畑を見るのは今回が初めて。奈良盆地を見渡せる山間部に広がる茶園の想像以上の奥行にびっくり。
そして自然栽培のお茶園は、なんといっても生き物の宝庫。かまきり、蜘蛛、蜂、バッタ、イナゴ・・・たくさんの動物たちが、思い思いに居心地よさそうに過ごしていました。
苔や雑草ものびのびと自由にのびのびと共存しています。
真っ白で可憐なお花も印象的。
初めて見る自然栽培の茶畑の豊かさに感動を覚えつつ、早速、製茶体験のレクチャー。まずは葉っぱの摘み方は、「一芯二葉(いっしんによう)」。ひとつの若芽と二枚の葉っぱを摘み取るという意味です。
ふむふむ。
更に、「♪あらよーいしょー」という掛け声が印象的な、この地域で唄われている「大和茶摘み唄」を習いました。
全国的には、「♪夏も近づく八十八夜~」が有名ですが、京都や静岡など日本の茶の名産地には地域ごと独自の茶摘み唄があるとのこと。
そして、茶摘み全盛期の新茶の時期は、近隣の街からも人が集まり、総出で作業が行われたため、茶園は絶好の男女の出逢いの場でもあったそう。
昔から人々の生活の軸となり文化を形成していたお茶、面白いですね。
茶葉を摘んだら、いよいよ、製茶体験。今回作るのは「釜煎り茶」。読んでその通り、この大きな釜を使って作るお茶です。
まずは、摘んだ茶葉を乾かして、
熱した釜で茶葉を炒ります。
茶葉がしんなりしてきたら、茶漉し布巾で茶葉にひねりを加えて、
水分を更に絞りとり、
もう一度釜でよく炒って、
マイパッケージを作ったら、完成。
みんなで摘み取ったこの茶葉達が、
こうなりました。
プロの手つきはやはり違いました。茶葉が踊ります。
普段何気なく口にしている日本茶ですが、一度自分の手で作ってみるとそのありがたみが身に染みました。
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さて、すっかり日も暮れ、今日の宿泊地、奈良の初瀬へ。
初瀬でのお目当ては、オオニシ恭子先生の薬膳料理です。元々は、新時代を担うインテリアデザイナーとして活躍をされていたオオニシ先生、長年ヨーロッパで暮らしていましたが、東日本大震災をきっかけに日本に戻られ、今はこの初瀬に居を構え、やまと薬膳の食育指導をされています。今回は「月」をテーマにした薬膳料理をいただきました。
コースのお料理には、白砂糖や動物性のタンパク質は一切使っていないにも関わらず、食べ終わる頃には、不思議とお腹の底から満足感が涌きあがってきました。オオニシ先生の穏やかな口調も手伝って、心なしか、みんなのしゃべり方もいつもより穏やかでまったりに…。
忙しさを言い訳に普段蔑ろにしがちな食べ物ですが、今回の体験をきっかけに、日々口にするものが身体にどれだけ影響を及ぼしているのか、学ぶことができました。
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さて、日付は変わって翌日。
「早起きは三文の得」ということで、朝は5時起きで、花の御寺として名高い真言宗・長谷寺で勤行体験。長い長い屋根付きの階段(登廊と言うそうです。)を上り、ご本堂へ。
今回参加した「祈りの回廊」、現役のお坊さん達と一緒に、お経を詠ませてもらえるという贅沢なプランなんです!
「♪~」
声明と呼ばれる独特の節のついたお経は、何度も舌を噛みそうになりましたが、勤行が終わるころには、寝ぼけていた頭もすっきり。
勤行後には、ご本尊の十一面観世音菩薩立像はもちろん、所狭しと本堂に展示されていている奉納品の由緒についても、お坊さんから丁寧に解説していただけます。
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場所を移して、奈良市街地へ。
訪ねた人は、煎茶美風流のお家元であり、中国古来から伝わる「文人趣味」の第一人者・中谷さん。茶道のお家元で知識人とくれば、会った瞬間、自分の無学さが丸裸にされやしないかとそわそわしていましたが、なんとも温かく優しい空気をまとった方が現れて、一同安心。
ここ、「茶・アートカフェうつぎ」は美風先生がプロデュースされた自然派料理と大和茶を楽しめるカフェ。お茶だけではなく、こだわったインテリアや壁一面に並べられた数々の書籍も楽しむことができるまさに文人のためのサロン。
高円山の山奥で、自然と一緒に暮らしているお家元の娘さんたちが、奈良の自然の移ろいを題材に出してくれるお料理は、一枚一枚丁寧に作られていて、ときめかずにはいられません。
大満足の食後には、まだ青葉残る10月の春日山をテーマにした和菓子と一緒に、昨日作った釜煎り茶をお家元に入れていただきました。
「こうしなきゃいけない、あちらが正しいといったような堅苦しい形式や作法はおいておいて、今日はお茶そのものを味わいリラックスできる時間を一番に味わってほしい」と話してくれた美風先生。東洋思想をベースに、日々の自然や生活を楽しむ教養の奥深さを伝授してもらいました。
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午後は、健一さんの茶園をめぐりながら、奈良ドライブを楽しみました。
「やすんば」という神様が神社間を移動するための足場がある神社や、
水田のところどころにある古墳の跡地、
上り框が広くつくられた三棟造りの大和棟の家々、
苔むした小さな獣道…。
至る所にどこか懐かしい日本の原風景が広がっていて、太古の日本にタイムスリップしたような、ゆったりとした空気が流れていく。奈良が「まほろば」と呼ばれる由縁を堪能できた旅でした。
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お茶をきっかけに、健一さんと奈良のキーマン達が織りなしていく世界観、我々も引き続き応援させていただきます!
ありがとうございました。
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