見出し画像

美意識の未来 - 新しい美の形を探る

 「HASUNA」代表 白木夏子氏と「粋な女子道」創始者 稲垣沙織氏による特別対談 

快晴の中の2024年11月19日の午後、東京・表参道にあるジュエリーブランドHASUNAの本店でVoicyの公開 収録を開催いたしました。登壇したのは「HASUNA」代表の白木夏子氏と、「粋な女子道」創始者の稲垣沙織氏
16名の女性たちが見守る中、二人の対談が和やかに始まりました。


はじめに

夏子:今日はこのような機会を設けていただき、ありがとうございます。沙織さんとお話しできるのを楽しみにしていました。

沙織:私も同感です。夏子さんとはいろいろな共通点があって、鎌倉在住や27歳での起業など、たくさんの共 通点がありますよね。


夏子:そうなんです。面白いエピソードがあって...実は先ほど10分くらい話し始めていたんですが、録音ボタ ンを押し忘れていて...

沙織:そうそう、公開収録なのに録音していなかったんです。何やってるんだろうって感じですよね(笑)

夏子:本当に申し訳ありません。でも、それくらい夢中で話していたということで...

沙織:そうですね。私たち、結構天然なところがあるんですよ。粋なポンコツ、で粋ポンですね(笑)でも、それ も含めて素敵な時間になりそうな予感がします。

夏子:本当にそうですね。緊張せずに、自然体で話せそうです。

自己紹介

沙織:では改めて、自己紹介からしましょうか。
私から始めさせていただきます。 稲垣沙織と申します。「粋な女子道」講座やコミュニティの運営をしている株式会社Thanks laboを経営しています。「子ども達が憧れる素敵な大人創り」をテーマに活動しています。
このテーマは、実は自分の人生のどん底を経験した後に生まれました。

現在は小学校での特別授業や、「粋な女子道」のコミュニティ運営
そして「湘南スタイルmagazine」という雑誌での連載などをしています。
昨年はニューヨークで「IKI  TOTONOE」という初めての書籍を出版しました。 これも全部ご縁ですね。目標を立てて計画的に進めたわけではなく、全てご縁でできている私の人生なんです。 今年の3月にはニューヨークに行って、その書籍のトークイベントをしてきました。今日も一緒にニューヨーク に行ってくれたメンバーが来てくれているんです。皆さんの応援のおかげで、何とかやってこられています。

夏子:素晴らしいですね。ニューヨークでの反響はいかがでしたか?

沙織:日本の美意識や生活習慣に興味を持ってくださる方が多くて、嬉しかったです。特に「粋」「整える」「余白」という概念が新鮮だったようです。

夏子:日本の文化や価値観を海外に発信するのは本当に素晴らしいことですね。私も共感します。
では、私の自己紹介をさせていただきますね。 私は白木夏子です。ジュエリーブランドHASUNAの創業者で、現在も代表をつとめています。2009年に立ち上げて、今年で16年目になります。こちらの表参道に本店があって、オンラインや全国のショップでも展開しています。

HASUNAは、人や社会、自然環境に配慮したエシカルジュエリーを作りたいという思いから始まりました。
大学生のときにインドの鉱山に行く機会があって、そこで働いている子供たちや大人たちの暗い表情を見て、 大きな衝撃を受けたんです。そこで、ジュエリーを買う人も作る人も、みんなが笑顔で幸せになれるようなブランドを作りたいと思ったんです。 現在、HASUNAでは世界10カ国以上から素材を輸入しています。
また、日本国内でリサイクルされた金属なども使いながら、できる限り人権にも環境にも配慮したものを作るよう心がけています。去年はオーストラリアでオパールの調達をしたり、ブラジルで宝石を買い付けてきたりしました。今日も店内に並んでいますので、 ぜひご覧いただければと思います。
それから、2021年からは武蔵野大学のアントレプレナーシップ学部で教員もしています。事業計画の作り方 やSDGsについて教えています。次世代の起業家を育てることも、私の大切な仕事の一つです。志を持った 素晴らしい起業家が増えれば、社会はもっと良くなると信じています。

沙織:素晴らしいですね。エシカルジュエリーという概念自体が、美しさと社会貢献を結びつけているように感じます。

夏子:そうなんです。素材から美しいものを身につけることで、世界をより良くすることができる。そんな想いを込めています。

美しさについて

沙織:今日のテーマは「美意識の未来 - 新しい美の形を探る」というものですね。私たちは角度は違いますが、どちらも「美」というものを追求し、探求しているんです。見た目だけではない美しさについて、深く掘り下げて話し合いたいと思っています。

夏子:そうですね。美しさって何だろう、という問いから始めて、新しい美の形を探っていきたいと思います。

沙織:私たちが考える美しさって何だろうっていうところをちょっと聞きながらいきましょう。美しさって一言では 完結できない深さがありますよね。

夏子:本当にそうですね。私はやっぱりジュエリーの美しさが人間の根源的な欲求に繋がっていると思うんです。子供の頃に川で綺麗な石を拾った経験を思い出します。
キラキラしたものに惹かれる心理があるんですよね。 ある美学に関する本によると、宝石の煌めきが美しいと感じるのは、水面のきらめきを想起させるからだそうです。私たちは進化の過程で水中から陸上に上がってきた生物なので、水への憧れや生命力を感じるんじゃないかと。

沙織:なるほど、そういう視点があるんですね。確かに、見て感じるものですよね。キラキラしたものに惹かれるのは本能的なものかもしれません。

夏子:そうなんです。地球は水の惑星ですしね。私たちの体の70%は水でできていますから、水と惹かれあっているのかもしれません。

沙織:そう考えると、ジュエリーの美しさは私たちの本能や生命力と深く結びついているんですね。私にとっての美しさは、少し違う角度から見ています。
以前、モーターショーに出演している女性たちの教育をしていたときに、表面的な美しさと内面の不一致に衝撃を受けたんです。舞台上では輝いていても、裏では疲れ切ってお行儀がよくないという姿を見て、美しさって一体何なんだろうと考え始めました。
そこから美を探求してきて「粋な人」という概念に行き着いたんです。
生き方や考え方、行動が美しさを形作ると思うんです。粋という字は「米に九・十」と書きますね。90歳になってようやく「粋な人」になれるという考えで、 日々の積み重ねが大切だと感じています。

夏子:なるほど、内面からにじみ出る美しさですね。それは本当に大切だと思います。HASUNAでも「美しいものでできている」という考え方を大切にしています。日常生活における一つ一つの選択が、個人の生き方や世界を変える可能性があると思うんです。

沙織:そうですね。選択の積み重ねが、その人の美しさを作っていくんですね。

夏子:はい、まさにそうです。例えば、エシカルなジュエリーを選ぶという行為一つでも、世界をより良くする選択になると考えているんです。

沙織:それって素敵ですね。日々の小さな選択が、大きな変化を生み出す。そう考えると、毎日がより意味深くなりそうです。

夏子:そうなんです。だからこそ、私たちは日々の選択を大切にしたいと思っています。

日本の美と世界への発信

沙織:私は最近、日本の美しさ、特に精神性を世界に伝える取り組みをしています。「IKI TOTONOE」という英語の書籍を出版したんです。日本人の美意識や習慣を海外に伝えることを目的としていて、撮影は全て鎌倉や葉山など地元の風景を使用しました。

夏子:素晴らしいですね。日本の美意識って、海外の方にはどのように受け止められているんですか?

沙織:すでに「WABISABI」「IKIGAI」なども人気なワードですが、「粋」「整える」「余白」という概念に興味を 持ってくださる方がいて嬉しかったです。日本人にとっては当たり前のことでも、海外の方には新鮮に映るよう です。「忙しいNewYorkerにはこの考え方が必要だ」と感想を伝えてくださった方もいます。

コロナ禍での経験

夏子:コロナ禍では大変な時期もありましたが、お客様に支えられました。ジュエリーが人々に勇気を与える力を持っていることを再確認しましたね。

沙織:そうですね。私もVoicyの配信を通じて、リスナーの方々に支えられました。お互いに支え合うことの大切さを感じましたね。

夏子:そうですね。コロナ禍で、この表参道の店舗を維持するのは本当に大変でした。でも、「こんな時期だからこそ」と言って買いに来てくださるお客様がいらっしゃって...本当に感謝の気持ちでいっぱいでした。

沙織:そうだったんですね。
大変な時期に、お客様の支えがあったんですね。

夏子:はい。不安な時期だからこそ、ジュエリーのパワーをもらいたいという方もいらっしゃったんです。ジュエリーは、単なる装飾品ではなくて、人を勇気づける力があるんだなと改めて感じました。

沙織:私も同感です。Voicyの配信でも、「沙織さんの声を聴くのが日課になっています」とか「元気をもらって います」というコメントをたくさんいただいて。本当に支えられましたね。

夏子:本当にそうですね。お客様やリスナーの方々の存在が、私たちを支え、前に進ませてくれる原動力になっているんです。

沙織:そうですね。私もVoicyの配信を通じて、同じように感じました。時には体調が優れないときもありましたが、リスナーの方々が待っていてくださると思うと、頑張れる力が湧いてきたんです。

夏子:その気持ち、本当によくわかります。私たちの仕事って、単に物を売ったりサービスを提供したりするだけじゃなくて、人々の心に寄り添うものなんだなと、改めて感じましたね。

沙織:そうですね。私たちの活動が、誰かの支えになっている。そう思うと、責任も感じますし、同時にやりがいも感じます。

夏子:本当にそうですね。さて、そろそろ時間も迫ってきましたが、最後にこれからの抱負などをお話しましょ う。

沙織:はい。今日の対談を通して、改めて「美しさ」という概念の奥深さを感じました。それは単に外見だけで なく、内面や生き方、そして日々の選択にまで及ぶものだと再認識しました。これからも、「粋な生き方」を探求しながら、日本の美しさ、世界の美しさ、地球の美しさ、宇宙の美しさを次世代に伝え残していきたいです。 そして、一人一人が自分らしく輝ける社会づくりに貢献していきたいですね。

夏子:素晴らしいですね。私も今日の対談を通じて、美しさの多様性と普遍性を改めて感じました。ジュエリーを通じて人々に喜びや勇気を与えられること、そして同時に社会や環境にも良い影響を与えられることに、大きなやりがいを感じています。これからも、エシカルジュエリーの概念を広げながら、大企業へのコンサルティングなども通じて、より多くの人々に影響を与えていきたいと思います。美しい選択が、美しい世界を作る。そんな思いを胸に、これからも歩んでいきたいと思います。

沙織:素敵ですね。私たちの活動が、少しずつでも世界を美しくしていけたら、こんなに嬉しいことはありません。

夏子:本当にそうですね。今日は沙織さんとお話しできて、本当に刺激になりました。ありがとうございました。

沙織:こちらこそ、夏子さん。素晴らしい時間を過ごせて本当に感謝しています。これからも、お互いの道で、美しさを追求していきましょうね。

夏子:はい、そうしましょう!皆さん、今日はお越しいただきありがとうございました。これからも、美しい日本、美しい世界を一緒に作っていけたらいいですね。


こうして、「HASUNA」代表の白木夏子氏「粋な女子道」創始者の稲垣沙織氏による特別対談は、温かな雰囲気の中で幕を閉じました。
参加者たちは、二人の言葉に深く頷きながら、それぞれの心に新たな「美」への気づきを得たようでした。
ご参加いただきました皆様、ありがとうございました。

いいなと思ったら応援しよう!