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【平成回顧録】平成DAYS(です)よ!「1990年」

昭和から平成へと移り変わり、1年が経ちました。
バブル経済、好景気により日本の生活も、文化も、豊かで活力あふれるまま、
変化し続ける90年代へと突入していきます。
当時、滋賀県の小学生だった僕にはその実感がなかったものの、
ローンとはいえ親が家を建てたり、大阪の花博や海遊館に連れて行ってもらったりと、
片田舎でも庶民の生活に恩恵があったのかもしれません。
世界ではドイツが統一し、イラクがクウェートに侵攻するなど、
新しい時代という名の激動や、変動が世界地図を書き換えていきます。
日本でも翌年にバブルが崩壊するとは、当時の人々にはまだ誰もわかりませんでした。
1990年、平成2年の「平成DAYS!」は、「バブルと出世」をテーマにしながら、
今回も進めていきます。
楽曲提供はカラオケ歌っちゃ王さまと、KARATUBEさまでお送りいたします。

https://youtu.be/7KAJmBN51co

スーパーファミコン発売、ちびまる子ちゃん放送開始と、
カルチャーも新しい時代へと華を咲かせていきます。
201万枚の大ヒットは音楽業界に、リスナーに大きな影響を与えました。
KAN「愛は勝つ」

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「邦ちゃんのやまだかつてないテレビ」で使用された「愛は勝つ」。
水曜9時に始まったこのバラエティ番組は小学生の僕に、お笑いだけではなく、音楽なども、
すべてのエンターテイメントがつまったキラキラとしたテレビのように見えました。
「唯一天下をとった女性ピン芸人」と呼ばれるほどに、山田邦子さんはテレビに、歌に、CMにと、
出世をしていく大人気タレントとなっていきました。
その番組で使われた「愛は勝つ」は元々は、クイズ番組のエンディング曲だったのですが、
やまだかつてないテレビで大ヒットをします。
(追記・山田邦子さんは「ひょうきん族」に出演されて、バスガイドネタが有名。「ぶりっ子」を広めたともいわれています。
やまだかつてない~では、武田鉄矢の物まねつながりから、髪型が似てる?ウルトラマンの「ダダ」が出てきたりもしました。)

FM802でラジオ番組を担当していたKANさん。
そのラジオ番組「MUSIC GUMBO」では、ミスチルの桜井和寿、スピッツの草野マサムネ、ドリカムの吉田美和さんといった、
当時の若手アーティストたちもラジオを担当していました。
桜井さんはKANさんの影響をとてもうけてますし、
スピッツの「正夢」という曲では「愛は必ず最後に勝つ」という詞をい引用していたりもします。

シングルCDを聞くために。CDデッキを買ってもらった僕は、たしか最初に買ったCDは「愛は勝つ」だったと思います。
それをカセットテープにダビングして、親の車で聞いたりしていました。

オヨネーズの「麦畑」という曲があるのですが、これも記憶によると
親がどこかのカラオケで歌っていたのを覚えています。
1980年半ばから、カラオケボックスが誕生したり、1988年以降にCDの定価が下がっていくのもあいまって、
90年代、生活と音楽は非常に相性のいいものに育っていきます。

さてこの曲も170万枚のヒットとなりました。ピン芸人という出発からミュージシャンへとデビュー。
PVは高円寺の阿波おどりの会場で撮影されているのですが、その阿波おどりをモチーフにして作った曲だったそうです。
この年に起こった出来事と共にまいりましょう。
バブルカムブラザーズ「WON'T BE LONG」

https://youtu.be/5WYHAaUlzpw

銀行にお金を預けていただけで利息が増えていったバブル真っ只中。大阪では花の万博、花博が開幕されました。
行った記憶があるのですが、花の時計しか覚えていません…
海遊館もオープンしました。ジンベイザメにおどろいた記憶があります。

日本でただ一軒の講談の寄席、上野・本牧(ほんもく)亭が閉場。2021年現在、いまだに講談だけの寄席は存在していません。

「1・57ショック」と呼ばれる厚生省の発表がありました。本格的な少子化・高齢化社会の始まりと言われています。
31年前からこういうことが迫ることがわかっていたのに、子供を産みにくい、育てにくい、という国のその形は、
変化を恐れている、拒んでいるようにも思えます。

長崎では雲仙・普賢岳が200年ぶりに噴火します。その翌年に火砕流が発生し、その火山活動は4年半にわたって噴煙をはきつづけるのです。

ティラミスがこの年にブームになるのですが、そういったスイーツの流行はナタデココやタピオカへと現代へ続いていきます。
今で言いますと、マリトッツォですね。

バブルカムブラザーズのブラザートムさんは、80年代に放送されていた「お笑いスター誕生‼」という番組に出演していました。
今でいうオーディション番組です。この「お笑いスター誕生‼」は、
とんねるずやシティボーイズ、イッセー尾形さんとそうそうたる人物を世に出していきます。
そこにはウッチャンナンチャンも出演していました。この曲はそのウッチャンナンチャンの番組で流れていました。
平松愛理「素敵なルネッサンス」

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次のスター、次のカルチャーを担う人物、エネルギーのある若手と、ありとあらゆる文化から発掘されていきます。
今の時代では、お笑いでいうと賞レースがあり、そこで結果をだせば売れっ子になっていくという図式がありますし、
YouTube、SNSでバズれば、一躍人気になるということがあります。
1990年当時はSNSなどありませんから、あの人がおもしろい、劇場でこんなおもしろいことをやっていると、口コミで広まっていきます。
もちろん実力があるからこそ、人から人へと面白さは伝わり、
実際にテレビのディレクター、音楽のディレクターは現場でその人気を目の当たりにします。

子供の頃の僕の目には、先ほどの山田邦子さんや、ダウンタウンが番組を持つといった「出世」をリアルタイムで感じられました。
それこそ「出世」というのを目撃したのは、木曜9時に放送していた「とんねるずのみなさんのおかげです。」がお休みに入るということで、
次の番組に抜擢されたのが、ウッチャンナンチャンでした。関西ではあまり知られてなかったと思いますが、
土曜夜11時半に、ダウンタウン、ウッチャンナンチャン、清水ミチコ、野沢直子といった人気も実力もある、
若手のオシャレなコント番組がそれこそ、口コミでおもしろさが広まっていきました。
そのウッチャンナンチャンが、とんねるずが休んでいる半年の間任されるのです。

やがて、とんねるずは再び木曜夜9時に戻ってきますが、「ひょうきん族」がやっていた土曜8時の時間帯に、
ウッチャンナンチャンの番組は引っ越します。子供の目から見てもおもしろさにひかれ、その出世していく様に同じように喜んでいたりもしました。

ウッチャンナンチャンは、劇団SHA・LA・LAもやっていました。劇団の出川哲朗さん、入江雅人さんも番組に参加していきます。
先日、内村光良のオールナイトニッポンを聞いていましたが、自分の原点は忘れず、しかし原点と共に新しいものも取り込んでいくという
姿勢にグッときました。特にこの曲紹介にはグッときましたので、
劇団SHA・LA・LAの名前はこの曲からとりました。
サザンオールスターズ「シャ・ラ・ラ」

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そのオールナイトニッポンでも話されていましたが、内村さんは当時コントができれば、映画が撮れれば本当に良かっただけだと思っていたらしく、
オーディションでの結果の時などではあくびをしていたそうです。
コントへの情熱もさることながら、若い頃映画が好きで、演劇でチャップリンの「キッド」や、「自転車泥棒」などを演出されていたそうです。
さて、映画といいますと桑田佳祐さんつながりでこの曲へと行きたいと思います。
サザンオールスターズ「真夏の果実」

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この楽曲は桑田佳祐さんが初監督した「稲村ジェーン」で使用されています。「希望の轍」も有名ですね。
当時CMをすごい見たのですが、内容はいまだみてません。すいません。
が、先日30年の時を経て、DVD化されたので、この先もしかしたら観ることがあるかもしれません。
(追記・「稲村ジェーン」1990年9月8日公開。2021年6月25日DVD化。サザンのアルバムとして「稲村ジェーン」もあり、
「希望の轍」が収録されている。プロデュースとして小林武史氏も参加している。)

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映画といいますと、地元の滋賀県長浜市に映画館があったころ、「ゴジラVSビオランテ」を観に行った記憶があります。
のちに長浜市は映画館のない街になってしまうんですが、それなら「俺が映画館になる!」と立ち上げた活動が「立体映画館」でもあります。

そして、これ去年観たと思うんですが、「フィールド・オブ・ドリームス」。
主人公のケビン・コスナーが、自分の農場を野球場に改造してしまうんです。お金もどんどんなくなっていきます。
しかし、幽霊が野球を楽しくやるんです。そんで、おじいさん。いやー、泣きました。これはぜひ観てください。
(追記・日本では1990年3月24日公開。外国の映画としては興行10位に入った。)

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この曲は1月~3月に放送されていたドラマ「卒業」の主題歌です。主演は中山美穂、仙道敬子さん。
このドラマ、なぜかよく見ていてこの主題歌が忘れられません。ドリカムはこの曲で初のオリコンTOP10に入りました。
ドリームズカムトゥルー「笑顔の行方」

https://youtu.be/74m2Q6Qb9M4

この年から「渡る世間は鬼ばかり」がスタートします。ここから30年近くシリーズとして続いていきます。
そして、このシリーズお今も続いています。「世にも奇妙な物語」。「世界まる見え!テレビ特捜部」もまだ続いてますねー。
さて、この頃「漢字の練習をするから」と親をだまして、勉強するフリをして深夜まで起きていました。
深夜23時55分から始まる「EXテレビ」を見たかったからです。
月・水・金は三宅裕司さん司会で東京から、火・木は上岡龍太郎さんが大阪からという番組で東京からの放送は比較的お色気が強かったのですが…
小4の僕はこれも目当てだったのですが…
大阪からの放送が実験的な回が多く、僕が記憶にあるのは「詭弁」についての放送が強く印象に残ってます。
大人たちが深夜にこっそりやっている、大人の遊び、大人の議論に、夢中になった小学四年生でした。
(追記・カメラ1台で上岡龍太郎が30分しゃべるだけの回や、スタッフを帰らせて誰がいなくなったらほうそうできなくなるかなどの回もあった。)

近い年だったせいか、起こること起こること、すごく身近に感じていました。
今も続く「ちびまる子ちゃん」の放送がスタートします。「いけず~」「あたしゃ」「~である」「へ~い」など学校で言っていたような気がします。
B.B.クイーンズ「おどるポンポコリン」
(追記・1990年のオリコン年間シングルチャート1位。)

https://youtu.be/OmTJQVnNq5Y

舞台は昭和なので、昭和当時に流行っていた仮面ライダーや、山本リンダ、西城秀樹といった懐かしさを感じつつも、
逆輸入で、山本リンダ・西城秀樹の人気が出るというものすごいアニメでした。
(追記・1970年の静岡県清水市が舞台。)
昭和をなつかしむことを大々的にしたのはここからだったのかもしれません。
「りぼん」で連載されていたので、コミックスも買いました。本編とは関係ない読み切りも魅力的でした。
作者のさくらももこさんは早くに亡くなられます。本当に早いと思います。
(追記・さくらももこ、1965年~2018年。)

漫画でも名作が次々と世に出ます。「SLAM DUNK」「幽遊白書」「クレヨンしんちゃん」「うしおととら」。
学校へ登校するとき、友達とスラムダンクや幽遊白書がアニメ化したらどんな歌か?というのをしゃべってました。
その友達は、隣の学区から引っ越してきた「はっちゃん」という男で、僕は「黒船がきた」と思いました。
ジェルで頭を固めたり、バッシュをはいていたりと、文化も考え方も先に行っているのです。
この「はっちゃん」に追いつこうと、スラムダンクを読んだり、おもしろいことを追求したり、
この年に発売されたスーパーファミコンをいち早く持っていた「はっちゃん」の家に行って遊んだりしました。
とにかくこの刺激的な黒船の到来に、必死で追いつこうとしていました。

さて、ファミコンの後継機「スーパーファミコン」が発売されました。
この年はまだ発売されたばかりなので、まだまだ浸透はしていませんので、またのちに語りたいと思いますが、

「Theスーパーファミコン」という雑誌が大好きでして、この創刊号をまだ持っています。
なんとソフトバンクが発行していまして、創刊号には若きいとうせいこうさんのインタビューも載っています。
ナンシー関さんのコラムもあります。「ファミコンを生まれてから7分しかやったことない」と書かれています。

のちにこのバンドと縁の深い方と知り合いになります。
大久保で「ひかりのうま」というライブハウスをやってらっしゃいます。(ライブハウスがんばれ!!)
とてもお世話になっている方なのですが、その関係のあるこのバンドの曲を、
当時の社会とすすめていきたいと思います。
たま「さよなら人類」

https://youtu.be/ZTBHdIvCVOU

「中東のヒトラー」と呼ばれていたイラクのアダム・フセイン。イラク軍がクウェートに侵攻します。

これは湾岸戦争の発端となっていきます。戦争とは「過去のもの」「歴史の中のもの」と思っていたことが、
毎日報道されるニュースに、小学生の僕でも世界のどこかで「何かが起きようとしている」「緊張が走った得体の知れないもの」
を感じた記憶があります。

学校で先生が教えてくれた世界地図。勉強して習ったことが変わっていきました。
「ベルリンの壁」によって東と西に分断されていたドイツが1990年10月3日統一します。
第二次世界大戦後、アメリカとソ連は戦争にまでは発展しないものの対立をしていました。
西ドイツは資本主義陣営によるアメリカ側、東ドイツは共産主義陣営によるソ連側と分かれていたものが統一を果たすのです。

東西冷戦の象徴とも呼ばれていた「ベルリンの壁」が崩壊し、教科書に書かれていた国境線は消えることになります。
そのソ連ではゴルバチョフが大統領に選ばれます。歴史的には最後のソ連の大統領となります。
なぜなら翌年、ソ連は解体され、ソ連も世界地図から消えることになるのです。

この動画の制作中に訃報が届きました。本編で「ゴジラVSビオランテ」のことに触れていますが、
その音楽を作られた、すぎやまこういちさんが亡くなられました。
「帰ってきたウルトラマン」「イデオン」そして「ドラクエ」。
「Theスーパーファミコン」では、すぎやまこういちさんと、いとうせいこうさんの対談も掲載されており、
「真田十勇士」が好きと話されており、この年に発売された「ドラクエⅣ」は、
それぞれのストーリーがあり、最後に一つに集まるということでまさに「真田十勇士」で嬉しかったと話されております。

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ご冥福をお祈りいたします。

さて、いかがでしたでしょうか。平成回顧録を歌ってみた「平成DAYSよ!」第2回1990年ということでしたが、
毎週は無理そうです…資料を読み込んだり、歌を何回も録りなおしたりしてますと、隔週の放送でギリギリといった感じです。
平成31年まで行けるのでしょうか…そのためにはぜひ聞いてください…お願いします。
本当に、本当なんです…いや、それでも思ったよりかは第1回を見てくださっていたみたいで本当に励みになります。
ありがとうございます。

1990年、バブル最後の年ということでしたが、やっぱ豊かですね。今のように狭さがないといいますか、
まぁその狭さを産んだのはこのバブルが原因ということもありますが、僕自身も小学生ながらこの時期が一番楽しかった気がします。
戻れるならこの頃に戻りたいですね。

と、いったところで、再来週になりますでしょうか、1991年。
個人的には当時の資料を読み込むの本当に楽しいです。知らないことばっかりですから。
みなさんも昭和からのルーツ、影響をぜひ振り返ってみてください。
ご視聴ありがとうございました。「平成DAYSよ!」1990年でした。

参考資料
「ニッポン戦後サブカルチャー史」宮沢章夫著
「平成オタク30年史」新紀元社
「昭和50年男」CRETA
「キネマ旬報ベスト・テン90回全史」キネマ旬報社

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