見出し画像

これまでも、これからも。ともに築いた未来が、人生の証となる。

IKEUCHI ORGANICの京都ストアは、2024年9月で10周年を迎えました。

これまで多くのご縁と温かい支えに恵まれたおかげで、歴史と伝統の街・京都に、IKEUCHI ORGANICを根付かせてくることができたと感じています。

この10年の感謝の気持ちを込め、オープン当初から京都ストアを見守り続けてくださった非営利株式会社eumo(ユーモ)の新井和宏さんをお招きし、代表の池内を交えたトークイベントを開催しました。今回は、そのダイジェストをお届けします。

------✂------

人生の終わりに、未来に残せるものがある幸せ

── 新井さんはオープン当初から京都ストアを応援してくださっていますが、IKEUCHI ORGANICに対して、どのような気持ちで見守ってこられたのでしょうか?

新井さん:
まずは、10周年おめでとうございます!本当にここまでよく頑張ってきたと思いますし、その努力を称えたいです。

私は前職の鎌倉投信でファンドマネージャーをしていたのですが、鎌倉投信は創業当初から、上場・非上場を問わず「いい会社」に投資することを理念として掲げていました。いい会社とは、株式市場に関係なく存在するものですから。

その投資先の一つがIKEUCHI ORGANICで、ちょうど京都ストアがオープンする直前に投資を始めたんです。だからこそ、京都ストアには特別な思い入れがあります。

その後、鎌倉投信の枠を超えて、IKEUCHI ORGANICへのより深いサポートが必要だと感じ、2018年にeumoという会社を立ち上げました。鎌倉投信とeumo。両方を通じて、この10年間、投資家として関わらせてもらっています。

ものづくりに情熱を注ぎ、本当に良いものを作ることを追求する人は、コストを惜しみません。一方で、商業的に利益を追求する人は、できるだけコストを抑えることを考えます。発想が全く逆なんですね。

この10年間、池内さんの想いにはいつも感銘を受ける一方で、投資家としてはどれだけ苦しんできたか(笑)。

新井さん:
池内さんと一緒に仕事をしていると、「そこまでする必要があるのか!」と驚くことがしばしばあります。だからこそ、投資家としては非常に苦しく、自分でも「ドMだな」と思うことが多々ありました(笑)。

私は投資家として、IKEUCHI ORGANIC以外にも、これぞ本物のオーガニックだと感じる企業や団体に投資しています。例えば、東京・神田にあるレストラン『ROSY』や、北海道・洞爺湖にある『佐々木ファーム』。どちらもサステナブルで、素晴らしい活動をされていますが、投資家として配当を一度ももらったことはありません。

しかし、投資において最も大切なのは、投資したお金が社会のために役立っているかどうかだと思っています。自分のお金が意味のあるところに流れていれば、配当がなくても問題ありません。それよりも、もっと大切なものが手に入るからです。

それは、応援によって生まれる関係性だし、この企業を自分たちの手で守れたという実感です。もし、素晴らしい企業を未来に残す手助けが少しでもできたのであれば、この世を去る時に、自分の人生も意義のあるものだったと感じられるような気がしています。


どんなピンチでも、前向きに捉えられる理由

── 京都ストアの10年を振り返ると、コロナ禍をはじめ、数々のピンチを乗り越えて今があると感じます。これから先も、きっと様々な困難が訪れると思いますが、代表と新井さんはどのように「ピンチ」と向き合っていらっしゃるのでしょうか?

池内:
僕は75年の人生の中で、良いことも悪いことも長くは続かないということを学びました。だから、どんなピンチでも「まぁ、何とかなるだろう」と思っています(笑)。

振り返ってみると、父から会社を引き継いだ時もまさにそうでした。

新卒で入社した松下電器を辞め、今治に戻ることを決めたわけですけど、池内タオルの創業記念日である2月11日に入社することにしました。その日は父の誕生日だったからです。

ただ、タオルのことを何も知らないままではいけないと思い、今治の職業訓練校で学ぶことに決め、その手続きのために1月末に今治に帰ることにしました。当時は夜行のフェリーで大阪から帰っていたのですが、いつもは港に迎えに来てくれる父がいません。

タクシーで実家に帰ると、父の体調が悪いので病院に行くという旨の書き置きがあり、急いで病院へ駆けつけました。母は「すぐに良くなる」と言っていましたが、父の顔を見た瞬間、これは長くないだろうと感じました。そして、一週間後、父は意識が戻らないまま亡くなりました。

そのため、何も引き継ぐことなく、僕は会社に向かうことになりました。特に困ったのは資金繰りのことです。当時の経理担当者に尋ねても「詳しいことは社長しか分からない」と言われ、月末に資金が必要だということを知り、名刺も持たずに銀行へ向かいました。

「先代の意識が戻らないので、代わりに私が来ました。メインバンクなんですから、何とかお願いします」といった感じでしたね。支店長からすれば「お前は何を言ってるんだ」という感じだったと思いますが、最終的には融通をきかせてくれました。

その時も「まぁ、何とかなるだろう」と思っていました。だから、どんなピンチでも、最後は何とかなる(笑)。もちろん、踏ん張る努力は必要ですが、トップに立つ人間が諦めたら終わりですからね。

── どんなにピンチでも、トップに立つ人があきらめたらダメ。新井さんも、常々そうおっしゃっていますよね。

新井さん:
そうですね。ピンチに陥った時こそ、「ピンチこそチャンス」と捉え直すことが大切だと思っています。

例えば、リアル店舗にとってコロナ禍は大きなピンチだったと思います。でも、そこで立ち止まるのではなく、IKEUCHI ORGANICはオンライン接客にいち早く取り組みましたよね。ピンチがあったからこそ、こうした新たな発想や取り組みが生まれたわけで、ピンチとは成長のために必要な機会だと感じます。

また、私たちがやっている共感コミュニティ通貨『eumo』の話をすると、いい取り組みをしている企業や団体を応援できるよう、余分にお金を支払える決済システムを作っています。でも、この事業はインフラにコストがかかるから、運用にすごくお金がかかっていて、最近まではずっと赤字続きでした。

でも、私も池内さんと同じで、「まぁ、何とかなるだろう」と思っています(笑)。

なぜそう楽観的でいられるかというと、私たちの周りには共感してくれる人たちが集まってきているからです。お金を稼ぐことが目的ではなく、『eumo』の理念に賛同し、一緒に何かをしたいと思ってくれる人が増えています。この人の輪が広がっていく感覚は、私にとって大きな希望であり、「絶対にうまくいく」と確信を持たせてくれます。

そんな風にトップの人が何かを確信をしていれば、社員の人たちはついてきてくれる。逆に、確信を持てないと、みんな不安になる(笑)。そういう意味でも、根拠のない自信というのは、すごく大事なんじゃないかなと思いますね。


オーガニックな部分でのつながりを大切に

── 最後に、これからの未来についてお伺いしたいと思います。お二人とも、年齢を重ねても常に生き生きとされている印象があります。人生100年時代とも言われていますが、長い人生を若々しく過ごすために、新井さんはどのようなことが大切だとお考えですか?

新井さん:
やっぱり一番は、「やりたいことをやる」に尽きると思います。やりたいことをやっている人は、みんなイキイキしていて、いくつになっても若いんですよ。だから、人生が長くなる分、やりたいことをやっていかないと、若さは保てないと思います。

もうひとつ、私が感じているのは、若い世代の人たちと接すると、若さを保ちやすいということ。

私は、24年春に開校した、サッカー日本代表の元監督・岡田武史さんが学園長を務める『FC今治高校』で、金融リテラシーの授業を担当させてもらっています。この学校には投資について学ぶ「投資部」があり、30名以上の部員が在籍しているのですが、その顧問もつとめています。サッカー部より部員が多いのが、ちょっとした自慢です(笑)。

この高校には全国から子どもたちが集まっているんですが、みんなイキイキとしていて、すごく影響を受けるんですよね。

同時に、いい歳のとり方をしていくには、「つながり」がすごく大事だと思っています。FC今治高校でも「どんな大人とつながるかが、人生において大事だよ」という話を、生徒のみんなにはいつも伝えています。

例えば、こんな天然記念物みたいな池内さんとつながれるのも、とても貴重ですよね(笑)。池内さんと会うと、なぜかいつも明るい気持ちになれる。

京都ストアのような場所があることで、世代や立場を超えて、色々な人たちのつながりが生まれるのは素晴らしいことだと感じます。本質的なオーガニックな部分でのつながりを大事にしていけたら、より良い人生になっていくのではないでしょうか。

<編集協力:井手桂司>

------✂------

noteの記事や、商品の感想をお待ちしてます!

IKEUCHI ORGANICでは、「ファンの方々と一緒に未来をつくって行きたい」と思っておりまして、よかったら、ハッシュタグをつけてSNSなどに感想を投稿いただけると嬉しく思います。

#IKEUCHIORGANIC

こちらのハッシュタグがついた感想には、イケウチスタッフが全て目を通して、イケウチのこれからに活かしていきたいと思っています。ご感想、お待ちしてます!

また、IKEUCHI ORGANICではXのアカウントもやっています。よかったらフォローいただけると嬉しいです!


いいなと思ったら応援しよう!