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終わる日記(2024/12/02)

2024/12/02

家でオンデマンド授業を受けて黒豆茶を入れてから研究室に向かう。坂を上って行くのか住宅街を抜けて行くのか、メインストリートから行くのか中央の通りから行くのか、階段から行くのか坂を上って行くのか、植え込みの右から行くのか左から行くのか。性格診断みたいに試されているようで、どっちもどっちだろうがどっちが近いのかとかいう話になる。自分の選択に対して確信的なことが言えず、後から後悔することはあっても満足することはない。どっちを選んでも未練が残るものだと思っていた。そうじゃない。どちらでもいいのだ。そうではなく、二択を選べるのだと捉えてみると途端に見え方が変わってくる。同じ道を違う道へと塗り替えていくこと。歩きながらそのことについて考えていた。

昼ごはん。メインストリートを歩きながら銀杏臭くなるのはいつなのかと話した。足元には潰れて乾いた銀杏がいくつか転がっていて、いつの間にか通り過ぎてしまったと言った。カンシタまで行ってから、坂の下のラーメンを食べに行くことにする。去年の実験班のメンバーについてのはなし。歩いているときはきまってスマホ歩きをしている彼の名前を同期は知らなかった。店の前に着くと閉まっていた。夜にまた開くらしい。吸い寄せられるように看板の前まで出ていって、鶏白湯ラーメンは鳥「さゆ」ラーメンではなく鳥パイタンで、白湯は白ではなく透明な湯だと先週と同じことを反復した。誰もそれには反応せず通り過ぎていった。

近くの泡系ラーメンに行った。研究室に帰るとどこに行っていたのかと言われて、山を下りてきたと言った。猿みたいだと笑った。泡系ラーメンに行って帰ってくるまでで一時間だったと言うと、カンシタに行ってやめてから泡系ラーメンに行って帰ってくるまでで一時間だったとそれを訂正した。

夜ごはんについて考えている。今日はどうしよっかと思うと帰り道が楽しくなってくるが、時間的にも体力的にも余裕がなくなって平日に満足した献立を用意できなくなってきている。自炊と外食のハイブリッドで考えるようにしてもいいだろうし、土日に平日分の作り置きをまとめて作ってみるとか、考えているといろいろ可能性が広がってくる。松屋で牛めし(とみそ汁)を食べてから家で残りのポトフ、とか。ポトフは作りすぎるので何日分もいっぱい残っている。冷蔵庫から鍋を取りだして温め直して二杯。一杯目はそのまま加熱してブラックペッパーを振りかけて。二杯目はウィンナーを入れてブラックペッパーを振りかけて。

ホットカーペットで仮眠をとって、起きたら熱中症っぽい気だるさがいくぶん和らいでいた。頭に脈打つ痛みが日中ずっとあった。シャワーを浴びて黒豆茶を入れる。このところ丹念に歯磨きを時間をかけてやっていて、丹念にやっていることが目的化していくような感覚でそれ自体をおもしろがって、糸のフロス、百均のフロス、先の尖った歯ブラシ、普通の歯ブラシの4つを、この順にひとつひとつ施している。すっかりデンタルオタクになった。ナマズみたいにだらんと垂れ下がったフロス。リモネアローションを吹きかけて左眼の瞼をワセリンで閉じて、電気を消しながら寝ているときに痒くなっても決して搔くまいと誓った。フロスはまだ慣れなくて、奥歯にぜんぶ通すのはなかなか難しく自分の口の形状がどうなのか知らないがどう考えても指がそんなに奥まで入るようにはできていないと鏡を見ていて思う。誰かにやってもらいたいと思う。切実に。頑張ったら通るには通るが、コツをつかむのに当面は時間がかかりそうで、というか、どこかで無理だと思ってやっぱり自分でやるものではないのかもしれないと言いながらやっている。糸のフロスは歯医者でやってもらうものだというステレオタイプがべったりとこびりついている。そういうのもあるのだろうか。肩が凝っているのも誰かに揉んでもらいたい。

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