【ラジオ】イタリア通信「WBCイタリア代表はアメリカ人だった!」
国際女性デー年々浸透
今月8日、国際女性デーでした。
今年は、日本のニュースで、歴史や催しの開催、
イタリアでは「ミモザの花を渡す」習慣を紹介している記事や投稿を
何度も見かけ、年々注目度が上がっていると感じました。
チューリップやバラなどに比べ特別な植物。
高松で暮らしていた時はなかったような…
以前、局のOLパワースポット旅で
小豆島の笠ヶ瀧寺へ行く参道で見つけました。
そうめんの寒仕込みというのか、
夏に食べるそうめんは、この時期の気候により引き締まっためんになるんだとか。干しているそうめんの風景を香りを楽しみんがら向かったその先に、
大きなミモザの木をみんなで見上げたのを覚えています。
それが、私の生ミモザとの出会いでした。
また、小豆島には「タケサン農園」という場所では、
ミモザと河津桜の両方が見れると有名なんですね。
これは、日本にしかない特別な風景。
香川県には唯一無二のこんな素晴らしい景色があるんだ!と。
暖かくなったので小豆島の旅もいいですねぇ~
ここからはOAではカットしました。
さて、ミモザを渡すというイタリアの習慣。
どうしてミモザなのか。
春を告げる植物であることと、
身近なところで手に入ることが大きな点と言えます。
街の街路樹というよりは、公園内にあったり、庭の植木に、
または、建物の横に植えられているような、
春にだけ目立つ存在です。
夫とまだ恋人どうしだった9年前、
そこらへんでフサフサになったミモザの木から
枝を取ってプレゼントしてくれたことがありました。
初めてミモザをもらったサプライズだったので覚えています。
そして今年、あれ以来かも。
珍しくミモザとバラの花束をプレゼントしてくれました。
夫は花屋さんへ行ったようなんです。
そこで店主と話していて、この何年かで街のミモザは
12月頃に満開を迎えるようになったとのこと。
ということで、今年のミモザの花束は北イタリアから
出荷されたものなんだと話をしていたようなんです。
そういえば、年々「もうミモザが咲いている!」と
12月ごろに言っているような。
気候変動で変化していると考えられます。
さて、話題を変えて、今日本では、
一番「イタリア」「イタリア」と騒がれている日でしょう。
WBCの話題
準々決勝で戦うのが、イタリア!
試合の流れや選手の技術がなんて語りませんよ。
リスナーさんの大半がポカーンでしょう。
一主婦がイタリア代表の何を話すって、
サッカー大国イタリアで、「野球の歴史」です。
イタリアの人気スポーツ
まず、イタリアとスポーツについて。
人口も面積も日本のほぼ半分のイタリア。
その半分が成人で、その3分の1が定期的に運動をおこなっています。
中でも多くの人がサッカーをおこなっています。
アマ・セミプロ・プロ・学生などプレーする人のほか、
サポーターやサッカーくじ、試合による配信や販促など、
イタリア経済に大きな影響を及ぼすスポーツです。
続いて人気のスポーツは、
水泳、サイクリング、テニス、スキー、バレー、バスケ、
陸上、モータースポーツ、ラグビー
TOP10位に野球はないんです!!
サッカーの威力は強かった!
やはり、ボール一つでできるスポーツは、
垣根なくできる競技として人国を増やしていったと考えられます。
公園で、誰かがボールを蹴れば、知らない人でも参加します。
また、イギリスに近いことも影響していると考えられます。
近くに上手な人や学んだ人がいるから成長したのでしょう。
野球歴史 戦後アメリカ人から
ちなみに日本は、1870年頃。
アメリカ人が、アジアで初めて野球を根付ける実験を行いました。
それがものすごい勢いで波及。
子どもが運動を始めるって、まず少年野球、
さらには部活動、高校野球、プロ、草野球と幅広い世代に親しまれています。
ここまで成長するとは思ってもいなかったでしょうね。
大成功を収めました。
では、イタリアに目を向けてみましょう。
なんと、イタリアで最も古い野球の試合記録は、
1887年 アメリカの船乗りによる試合が行われました。
それが、なんと私の住む「リヴォルノ」で開催されたんです!!
こんなことある?
調べていてこの記事を見つけたときには身震いしました。
しかし、浸透はしなかったんです。(136年前)
ですが、この街にあるチームは1948年に創設されています。
早かったようです。
このように、イタリアで野球は戦後広まったようです。
アメリカに渡ったことのあるイタリア人が伝えたという説もありますが、
一番の理由はこれでしょう。
イタリアも日本、敗戦国。アメリカ軍基地が全土に点在しています。
基地のアメリカ人が教えたことが野球の歴史を築きました。
しかし、イタリアの野球人口はそこまで伸びなかったんです。
周りの人に、知り合いで野球をしている人を知っているか聞いてみると、
一人もいない。聞いたことがない。
一人の男性は、「球場はどこにあるか知っている?」と
私に尋ねてきました。郊外のハズレのあそこだよね!というと、
そう、僕はその隣のラクビー場でプレーしているんだ!と。
イタリアでラグビーをしている人にあったのはこれが2回目です。
その人も、野球をしている知り合いは居ないんだとか。
調べてみると、イタリアにおける野球人口は
現在2万人ほど。 プロアマ合わせて約470チームあるようです。
サッカーも同じように、イタリアのスポーツは、
ピラミッド型の構造になっていて、
下からアマチュア、そして頂点は優れたチームが在籍、
このトップがセリアAにあたります。
なので、プロ野球は、頂点にいるチーム同士で戦います。
成績が優れなかった年は、セリエBに降格するというもの。
セリエBで絶好調ならセリエAに上がれるのです。
いよいよ、WBCの話題に入っていきますよ!
出場する選手は、イタリアのトップクラスの野球選手が集められた!
のかと思うでしょ。それが、なんと、
ほとんどの選手が、国籍アメリカ人です!!
えぇーーーーーーなんでーーーーー!!
WBCは、メジャーリーグベースボールMLBによって招待されているんです。
ヨーロッパで1、2位を争うイタリアとオランダは、
アメリカで活躍する選手を交えてチームを構成しています。
ですので、イタリア代表の選手30人の内
8人がメジャーリーガー
15人がマイナーの選手
7人がフリーエージェント、
選手登録されている全選手の中でイタリア人はたったの4人!
それでもいいの!?と思いますよね。
WBCの規定によると、
市民権やパスポートを保持する、または資格が与えられる。
代表する地域で生まれた片親がいるなど、
WBCのルールに従って、
イタリア系アメリカ人らによるチームが出来上がりました。
血縁関係にいるからなどの理由でイタリアに誇りを持っているんです。
WBCだけでなく、オリンピックやヨーロッパリーグでも戦い、
ヨーロッパ内でも強豪チームです。そりゃそうだ。
でも、WBCに出場するというキャリアを得られるので、
たとえアメリカ国籍であろうと、イタリア代表で出られるのは
大きな魅力ではないかと想像します。
だからか、イタリアではWBC熱は日本ほど高くないです。
1次ラウンドから代表になったのは2013年以来、二度目。
準々決勝って記録的なことですが、
メディアはそこまで…
周りに試合があることを話しても、誰も知りません。
ということで、日本はお祭り騒ぎはしていられません!
メジャーやマイナーリーグで活躍する粒揃いです。
だから、どうなるのか…
優勝候補の日本がアメリカの選手と戦うことになるんです。
腕が試される、気の抜けない一戦になりそうです。
イタリアの野球ファンの注目は
そして、
数少ないイタリアの野球ファンは存在していて、
YouTubeでも一人だけ熱く語っている男性がいました。
彼も、WBCのイタリア代表のことは「うーん。。。」と、
心から大歓迎はしていませんが、野球好きということで応援するようです。
彼もそうですが、YouTubeにコメントしているファン、
さらには、新聞や各メディアは
イタリア代表のことよりも、試合のある部分に注目しています。
なんだと思いますか?
とにかく、黒字で大々的に書いています。
それが、
SHOHEI OHTANI
ですよ!
イタリアの野球ファンでさえも、
「僕のヒーロー!と。どっちを応援するべきなのか!」
みんな大谷選手のプレーを見たくて
高揚を抑えられないようです。
大谷選手は、世界中から大注目を浴びている選手だとわかります。
日本とアメリカだけではない、野球選手や愛好家には
目が離せない存在なんです!
日本人として誇らしいですね!
後日、イタリアのスポーツ紙がどのように伝えるのか楽しみです。
日本で最初のイタリア人選手
イタリアで生まれ育ち、
初めて日本でプレーした生粋のイタリア人をご存知でしょうか。
彼の名前は、
Alessandro Maestri
アレックス・マエストリと呼ばれていました。
なんと彼は、
2012年に香川オリーブガイナーズに入団していたんです!
ええーーーーー香川県にいたのーーーーーー!!
覚えている方もいるかもしれません。
アレックスは、日本でプレーすることを夢見ていました。
イタリアからアメリカに渡りキャリアを積み、
最初に一歩を踏み込んだ日本が香川県だったんです!
ですが、ガイナーズにいたのは、わずかヶ月。
この間に、前期優勝という記録を残しました。
そしてすぐに、オリックスに入団。
日本のプロ野球選手になるという夢が叶いました。
翌年には、WBCイタリア代表にも選ばれました。
その後、韓国、群馬、メキシコ、古巣のサンマリノ、
オーストラリアの球団を経て、2021年に引退しました。
現在はイタリアで教える側に回っているようです。
一人のイタリア人が、日本でのプレーを夢見て、
ガイナーズにやってきたという、
ガイナーズの懐の深さと体制も素晴らしいですね!
私の住む16万人の小さな街には、
U15歳やU12歳の野球チームが存在します。
どうにか彼らが、強くなって、メジャーリーグはもちろん、
アレックスのように、日本でもプレーする選手がどんどん出てきて、
最終的には、本物のイタリア代表になってほしいなと願います。
イタリアの野球選手の応援もしていきたいです。
以上、ラジオの内容を紹介しました。
1週間以内なら「radiko」で聞くことができます。
西日本放送ラジオ「チットチャットラジオ」内
2023/03/15 15時過ぎの放送です。
追記
試合の生中継は、Sky Sport で
有料配信をしていました。
また、YouTubeでも生配信を行っていました。
音声は聴こえても、画面の中央が隠され、
見たければ「下記のリンクをクリック」と
促され、有料配信を見るように指示されたんだと思います。
そしてさらに、
試合終了後、各ニュース番組をチェックしたところ、
WBCに触れる話題は一切ない!!
さらに追記した、現在(試合の翌朝)の
朝刊にも掲載されていない!
独占中継を行った局の記事と、
スポーツ専門紙が取り上げるのみ。
負けた試合ではありますが、
イタリア代表が戦っていることは
"なかったこと" として扱われていました。
イタリア選手もいるのに…
家族はどんな気持ちでしょうか。
有料で見たのでしょうが、
彼らの姿は、市民までに届かなかったのです。
一方で、日本の選手は、
アメリカのメジャーリーガーやマイナーの選手より
強いことが証明されました。
アメリカの視聴者や選手の家族も驚いたことでしょう。
華奢な体格の日本人があんなにも点を取るだなんて。
この先、メジャーより世界から注目を集めるのが
日本の野球かもしれません。