スイカの夏
4人の子どもに祖父母同居の8人家族で育ったので、大玉まるごとひとつ分がスイカの単位で、大きなお盆にまるごとひとつ分のスイカを大人数でわしゃわしゃ食べた。
夏には7人兄弟で育った父と帰省して、ものすごい数のいとこや親戚が集まって、いくつもの大玉スイカをみんなでわしゃわしゃ食べた。
メロンやなんかがきょうだいで取り合いになるのと違って、スイカの尽きない感じがすごく好きで、都会に出てきて、小玉スイカを初めて見たとき、ああ、少人数の家族だと、そうねー、スイカがそうなるのねー、と、妙に感心した。
そして現家族は、スイカの種を全部外してから食べるので、面倒くさいのか、スイカにそれほどの興味が無い。
わたしからすれば、そんな、スイカの種をひとつひとつ外していたら、あの、大人数でスイカを食べるに、まるで、2切れくらいしか、食べられないではないか、というものなんだが、
スイカは2切れも食べればお腹いっぱいになるというので、それはそうなんだろう、と、腑に落ちた。
そういう経緯があって、夏のヨガ帰りにスイカ6分の1カットを買って、ひとりで存分にわっしゃわしゃ食べるのが夏の楽しみのひとつだ。
残夏。
わたしは前に行くぜ。
またね。