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『青い封筒の約束③』~Tax return Story~

※確定申告をテーマに書いてます。
<前回のお話>

タイトル:『青い封筒の約束③』
プロローグ:税金の勉強はコスパ最強?
税金の勉強を始めて半年が過ぎた白井税子(しらい せいこ)は、日々の生活の中でお金に対する考え方が大きく変わっている自分に気づいていた。しかし、まだ「税金の勉強はコスパ最強」という池松税理士の言葉の全てを理解できていないと感じ、再びオフィスを訪れることにした。



税子の問いかけ
「池松先生、以前おっしゃった『税金の勉強はコスパ最強』っていう言葉、ずっと気になっていたんです。勉強すると確定申告がスムーズになるのは分かったんですけど、それだけじゃない気がして。」
税子は、机の上のノートを開きながら尋ねた。

池松税理士は微笑みながら、いくつかのグラフを手に取り、説明を始めた。


①お金の使い方に敏感になる
「税子さん、税金を勉強すると、まずお金の使い方に敏感になります。たとえば、経費を計算していると、『これが本当に必要だったのか?』と自問する機会が増えるんです。」
税理士は、消費と貯蓄の割合を示すグラフを指差しながら話を続けた。

「お金の流れが見えるようになると、本当に必要なものしか買わなくなります。結果として、無駄遣いが減り、お金が自然と貯まるんです。」

税子は頷きながら、「確かに最近、前よりも物を買う時に慎重になりました。それって税金の勉強の影響なんですね。」と、実感を込めて答えた。


②他人に優しくなれる理由
「もう一つ、税金を学ぶと、他人に優しくなれるんです。」
池松税理士の言葉に、税子は少し驚いた表情を浮かべた。

「優しくなる…ですか?」

「そうです。累進課税制度をご存知ですか? 所得が高い人ほど高い税率が課される仕組みです。たとえば、所得が900万円を超える人には、特に高い税率が適用されます。この人たちが多くの税金を払っているから、私たちは道路や学校、医療といった公共サービスを享受できるんですよ。」

所得税の税率表

池松税理士は続けた。
「税子さんも税金を払っていますが、その割合は高所得者と比べると小さいですよね。けれども、その人たちの存在が社会を支えていると知ることで、自然と感謝の気持ちが生まれるんです。そして、その感謝が他人への優しさに繋がるんですよ。」

税子は目を丸くしながら、「税金って、ただ取られるだけだと思っていましたけど、そういう考え方もあるんですね。知らないことだらけだな…。」と感心した様子でつぶやいた。


税子の気づき
税子は帰り道、先ほどの話を反芻していた。自分が普段何気なく使っている道路や公共施設、それを支える仕組みを考えると、日常が少しだけ特別なものに思えた。

「税金って、ただの義務じゃなくて、社会を支える一部なんだな。」

その時、税子のポストに青い封筒が届いているのを見つけた。以前は気が重かったその封筒も、今では彼女にとって新たな学びと成長のきっかけを象徴する存在に変わっていた。

「よし、次の申告も完璧にこなしてみせる!」
税子は封筒を手に取り、未来への決意を新たにした。



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池松孝一郎/予祝占い師/予祝税理士/イクメンドクター
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