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【発表予告】#金曜トワイライト 文学賞 大賞作品・映像化-その背景と想い

ども。おはようございます。昨年末から進めていた「クリスマス金曜トワイライト文学賞」総合大賞受賞作品の映像化ですが、完成予定の2月末を大幅に前倒しして完成しました。で。ですね。その前に背景とか想いを綴っておこうと思います。こんな機会にしか書くタイミングが無いので超長いです。5千字超になりました。お時間のある方はお付き合いください。
(※映像化作品の発表は2月13日土曜日UPします)


※クリスマス金曜トワイライト文学賞とは・・
「恋愛小説をリライトした作品」からクリスマスシーズンに表彰式イベントを行いました。

※恋愛小説・金曜トワイライトとは・・・
池松潤が書き下ろしたオトナの恋愛小説。昨年7月~9月の毎週金曜日に配信されました。その作品をもとに自由にリライトしてもらうという企画。初回昨年10月の開催では1週間で48作品の応募がありました。各参加者のフォロワーによりSNSでシェア&拡散されて、さらにnote公式編集部にピックアップされる等ヒット企画になりました。昨年末開催のクリスマス金曜トワイライトでは57作品の応募がありました。まったく新しいタイプのイベントとなりました。

※映像化とは・・・
総合大賞・受賞作品「レモンドロップ」湖嶋いてらさん 賞品「映画CM風60秒アニメ動画」を製作しました。

#金曜トワイライト
#ラストのQRコードをチェック

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◆なぜ映像化?

文学賞の「賞品」は何がいいのか。そこから「企画」は始まりました。

・「見てから読むか」、「読んでから見るか」
紙の時代は出版社が本を出して、映画化は映画会社がしていました。現在は誰もが情報発信できます。新しい時代の文学賞はどうすればいいか?ヒントは40年前にありました。「見てから読むか」、「読んでから見るか」。角川映画は角川文庫と「映画と書籍」のメディアミックスは、当時の最新手法でした。

『セーラー服と機関銃』を映画化。赤川次郎はこれで大ベストセラー作家になり、薬師丸ひろ子は「時代のアイドル」となり、相米慎二は名監督となり、主題歌を作った来生たかおも大ブレイク。角川映画は薬師丸ひろ子や原田知世を専属女優として大成功。そのほか沢山のヒットが出ました。『犬神家の一族』横溝正史、『人間の証明』『野性の証明』森村誠一、『戦国自衛隊』半村良、『蘇える金狼』『野獣死すべし』大藪春彦、『復活の日』小松左京。映画はヒットして本も売れました。「見てから読むか」、「読んでから見るか」は角川映画CMのキャッチコピーでした。



・企画のベクトルは「外向き」に
置き換えてみると「書籍の映画化」に相当するものは「何」なのかを考えると。受賞作品を映画化するのはちょっとスケールが大きすぎて直ぐには実現できそうにありません。では映画化を妄想してそのCMを作るのであればどうだろうか。その長さならTwitterやInstagramにも動画を流せます。60秒くらいならばなんとか作れるだろう。もしかしたら「note陸の孤島問題」という「ちっとも読まれないnote問題」への新しい解決方法の一助となるかもと考えたのです。


・イベントの「設計思想」を大事に
「noteお題企画」は、嶋津さん主催の「教養のエチュード賞」から発展して、「キナリ杯」など、誰でも主催できるイベント形態になりました。これは素晴らしい事だなと思います。しかし同時にコモディティ化により埋没してます。しかし「目立てばイイ」とか「数字」を追う企画にすると、何のための「文学賞」か分からなくなります。「思想」が無ければ、単なる「お祭り騒ぎ」で空虚なものになってしまうと感じます。だから「イベント企画」には「どんなイベントにしたいか?」それで「何を目指すのか?」という設計思想がとても大事だと思います。


◆そもそも、なぜ文学賞なのか?

「参加してよかったな」と記憶に残る企画とは何か。空気のようにフワフワとしがちな企画を「文学賞」と銘打つことで「緩さ」より「ガチさ」の気持ちも込めたかったというのもあります。

・いい文章は「読み手の数だけある」
評価をするわけですから、協力してもらうメンバーや表彰の仕組みは色々な方に相談しました。本屋大賞の創設の経緯や、出版社の文学賞の構造も聞きました。そこで大事にしたのは「いい文章は「読み手の数だけある」という思想に基づいて賞を構成するということです。エントリーをしてもらう事を考えると、大きな賞金を出したり、部門賞を増やせばいいと考えがちですがそれでは違う感じになってしまいます。そこで「読み手の視点」「エントリーした書き手の視点」「審査員の視点」「妄想の視点」「独断と偏見で池松の視点」と多様な視点で評価することで、各部門賞から総合大賞を選ぶという仕組みにしました。


・「書き手」と「読み手」に境目はない

本屋大賞や出版社文学賞に無い視点が、「エントリーした書き手の視点」です。新しい時代にふさわしい賞の構造を考えるには、出版の構造と比較する事で分かりやすくなると思いました。

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出版構造とちがって、noteは「書き手」が「読み手」でもあり「読み手」が「書き手」でもあります。紙の時代のように「読者」と「著者」に際は無いのがポイントです。

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というわけで、エントリーされた方には「書き手賞」としてGoogleフォームへアンケート記入してご協力頂きました。


・57作品は「もはや原作である」

私が書いた4本の恋愛小説を(広義の意味の)リライトするのがエントリーの条件ですが、大きく2つのタイプの方がいらっしゃいました。「原作フレームに忠実に書く方」そして「原作から飛び出て書く方」です。どちらも素晴らしい作品でしたが「それは妄想すぎるだろw」という作品まであって非常に興味深いなと思いました。AIが小説を書ける時代はすぐそこ数年先まで来ています。「AI小説が星新一賞1次審査パス」したのは2016年。それから考えると「妄想すぎる」のも「スタイル」として評価した方がいいと選考メンバーで相談して、ますこすこさんの「妄想賞」に加えて「ゆうらくで賞」という特別賞を追加設定しました。これは「逆佐亭 裕らく」さんのスタイルが他になく独特だったので設定したものです。すべての作品はリライトではなく「原作を超えた原作」だと思いました。四宮さんには「筆者自らが難易度を高めて「挑戦」した作品に贈る賞」として「特別賞」を贈らせていただきました。



・ピアノ弾きの連奏のように「書き手」は文章で会話ができる
「だれもが創作をはじめ、続けられるようにすること」はnote社のミッションです。その「創作」とは「創る」と「作る」で、それぞれ違います。「作る」は「1→10」のことで、前例に基づいて作ること。「創る」は「0→1」のことで、前例にないものを生み出すこと。文書を綴り編み出すには「創る」と「作る」の両方が大事ではないでしょうか。「書き手」はその労苦を意識・無意識のうちに感じていて、それはピアノ弾きが連奏するときに無言の会話をするのに似ている感じがします。「書き手」同志は、文章で会話することが出来ると思うのです。


◆映像化への道筋

昨年末から始めた映像化を書くと長いハナシになるのでサマるとこんな感じです(サマるな)本当に映像化できるのか?と思った時に「まぁなんとかなりますよ」とずっと励ましてくれた猫野サラさんには感謝しかありません。そしてstandFMの声がカッコ良くて猫野サラさんと「涼雨さんでしょ!」でお声がけしましたら「映像編集できますよ」とのこと。これは本当に助かりました。実際に始まったら「ダメな監督」でいる宣言をして「いいね~!やって~!ドンドンやっちゃって~!」とお二人にお任せしました。マジにギャラ無しが怖すぎるプロ。これは既存のシゴト概念を壊すほどの威力でした。すげぇ。「愛」としか例えようがない。ホントありがとうございます。感謝です。

【映像化への流れ】
▼地道にコンセプト作りを妄想する。
▼猫野サラさんへ声掛けする。快諾でホッとする。
▼イベントメンバーに協力してもらって映像編集者を探す。
▼やっぱ編集は自分でやるのか?不安と共に「コンテ割」を書く。
▼難航する映像編集者探し。紹介されど中々決まらず。
▼ナレーションは猫野サラさんと一致で涼雨さん。快諾にホッとする。
▼灯台もと暗し。涼雨さんが映像編集をやってくれることになる。
▼仕事より早い!進行スピードに驚く。
▼池松は「ダメな監督」でいる宣言する。
▼どんどん画が出来上がり、すぐに改定に反映される(凄
▼18回の改定を経て完成。←イマココ!


◆コンテンツは信じる力が生み出す

1:「こんなのやりたいな」に聞く耳をもってくれた
この映像化は文学賞プロジェクトメンバーがいたから出来たと思います。独りでは絶対にできない。でもこれは会社とか組織だからできるものでもないと思います。文章愛から生まれたのだと思います。

2:「こんなの作りたいな」を信じてくれた
猫野サラさん、涼雨零音さんには「愛」しか感じません。私の「ギュイーンって感じ」とか「バーン!って感じ」とか抽象的なディレクションに最後まで付き合ってくれました。この「こだわり」に付き合ってくれたのは感謝を通り超して「愛」しか感じません。

3:目に見えない「イメージ」を具現化してくれた
コンテンツは文章も映像もスキルが伴わないと具体化できません。その全体構造や制作意図をなるべくシェアしやすいように「コンテ割」(映像の設計図みたいなもの)を書くのですが、時間が無かったのでカフェで走り書きしたのがコッチ▼(抜粋)

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で。涼雨さんがちゃんと書いてくれたのがコチラ▼(抜粋)
ホントありがとうございます。(カットにナンバリングすると作業のやり取りがスムーズになります。これ仕事なら書くやつ・・言い訳)

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4:映像は「漆を刷毛で何回も塗る」ように積み重なって出来ている
例えばオープニングのドロップが手のひらに落っこちてくるシーンは涼雨さんのアイデアです。ドロップって箱から出てくるけど、缶にしちゃおうか。いや缶から出てくるのだとどうかなぁ。とか。猫野サラさんとやりとりしてたら「こんな感じどうっすか?」とサクッと作ってくれたのが涼雨さんでした。こんな感じが沢山あって書ききれませんが、映像の60秒には720時間以上の愛が込められています。本編をお楽しみにお待ちください。

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5:この映像は、メンバーの「愛」と「知の集積」で出来ている
たとえば、車窓のシーンは電車の揺れにあわせて細かく振動しています。めちゃ細かいところにまで絶妙な「猫野・涼雨」連係プレーで仕上がっているのですが、「いいね~!やって~!ドンドンやっちゃって~!」とダメ監督はさらに加速するのでした。ええ。これはですね。「ダメな親を見てしっかりした子供が育つ」のようなものです。と言ったら神から天誅が下りそうなので言えません。言ってるけどw

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◆映像化を経て得たもの

「コンテンツ創造の真髄」とは、高い人間力を持って創造性があふれるスタンドプレーによって成立するのだといます。想定しない困難な状況に対して「メンバーへの全幅の信頼」から生まれると思います。

チームワークというのは使い方を誤ると「責任転嫁」であったり「仕事の押し付け合い」になります。弱いチームほどそうなる。

だから最後は人間力なのでしょう。愛のチカラかもしれません。ヴァイブスが合うとか理屈では説明できない運と縁なのかなぁと思うのです。


【信頼する=能力へのリスペクト】

この関係はどこか恋愛関係に似ている気がします。ゼロイチを生むとは、そこに感動やエモーションがあって初めて成立するわけだし、細かい相互補完の関係が無ければ完成しないからです。私はこの映画の台詞を思い出しました。カッコ良すぎるか。いや。こんな感じだと思うのです。

「我々の間には、チームプレーなどという都合のよい言い訳は存在せん。有るとすればスタンドプレーから生じる、チームワークだけだ」
攻殻機動隊 S.A.C. 第5話 公安9課長・荒巻大輔より引用



◆映像化作品は2月13日土曜日UPです

今回2つのバージョンを作りました。映像化したのでイベントも開催します。お楽しみに!

※映像化とは・・・
総合大賞・受賞作品「レモンドロップ」湖嶋いてらさん 賞品「映画CM風60秒アニメ動画」を製作しました。

#金曜トワイライト
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◆プロジェクト・メンバー

昨年秋の構想から映像化まで辿りつけたのもメンバーの皆さんのおかげです。感謝です。改めてご紹介させていただきます。エンディングロールをお楽しみに!

選考:仲高宏さん  クニミユキさん 池松潤
fm配信:嶋津亮太さん 
クニミユキさん masako katoさん
映像化:
猫野サラさん 涼雨零音さん
協賛対応:
田所敦嗣さん
会場グループ:
ホンブダイゴさん  ナンブミチヨさん

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※映像化作品の発表は2月13日土曜日UP。最新情報はtwitterでチェックしてください!

ハッシュタグは
#金曜トワイライト
#ラストのQRコードをチェック
です!


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