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コスパ優先という病気が僕たちをダメにする
無意識のうちに費用対効果を考えてませんか。まず損とか得を考えるのは仕方ないかもしれません。しかし無意識のうちに費用対効果を考えるのがクセになっているのではないでしょうか。それはコスパ優先という病気なのかもしれません。そんな病名はありませんが、無意識のうちに支配されているならそれは病気みたいなものでしょう。
「それって難しいですよね」「それって時間もったいなくないですか」って会議でよく聞く言葉ですが、深く読み解くとコスパ優先に毒されているのだとわかります。これって単なる経験論ではなくて現代に必要な「最新・そもそも論的な生きていくためのスキル」だと思うので、それをシェアしたくなりました。この想いが届くべき人に届きますように。
池松潤(いけまつ じゅん)
恋愛小説家/ サイボウズ式第2編集部 / アウトプットLAB 情報発信学 SNSコーチング ※登壇・イベントなどは ⇒ コチラ
ちょっと怒っているモードに見えるかもしれないんですけど、「それって難しいですよね」って実は「コスパ悪いことしたくないんだよね」って感じたんです。お金だけじゃなくて時間にセンシティブなヒトが増えてきた感じがしていたのですけど、その正体は「レンジにチン」ばかり食ってるような感じがしています。その辺を書きますので、少々お付き合いください。
コスパ優先の一般用語化は外資から染みこんだ
ミーティングで「それって難しいですよね」とか「それって時間もったいなくないですか」とか「それ儲かるんですか」って言う人がいます。一見まともな意見に聞こえるのですが、コスパ優先主義の病気なんじゃないかと感じます。目に見えない短期的な費用対効果を求められるようになった歴史を振り返るとバブル崩壊して少し落ち着いた90年代初頭でした。バブル崩壊するまでの日本の会社は「長期的視点」でビジネスを考えることが主流でした。多くの会社員にとって費用対効果という概念は辞書になかった気がします。
費用対効果が「コスパ優先」という単語が一般化したのは2016年・西友のCM「やっぱコスパ」シリーズからではないでしょうか。2015年12月に西友は西武・セゾングループからウオルマートの完全子会社になりました。経営方法が完全に変わったことを考えると「コスパ優先」CMシリーズも頷ける気がします。CMはその会社の暗黙知や文化・常識が滲む場合が多いからです。僕は前職の広告会社の経験からそれをよく知っています。CMを見れば、その会社の社風や何を大事にしているか、逆にどこら辺が嫌らしい部分か見えてきます。まぁ一種の職業病みたいなものかもしれませんけど。
コスパ優先は「要領のいいヒト」が促進させた
それから「それって難しいですよね」ってミーティングで言う人は、結構アタマが良いというのか、要領がよかったりするんですよね。会社が四半期決算を重視するようになると、会社員の思考様式も徐々に費用対効果をまず語る文化が醸成されます。それを悪いとはいいませんが、出世に関わる「基準値」なので盲目的に信奉する会社員が出てきます。そのコスパ信者が出世するとコスパ教は主流派となってコスパ優先文化という暗黙知ができあがります。つまり世渡りの上手いひとが費用対効果優先の状況をハックしてコスパ優先を加速させてきたわけです。それって「仕方ないじゃん」のひとことで解決できますから誰も否定しないでしょう。そうやって目に見えない本質的な部分を見失ってきたのでしょう。徐々に30年かけて「長期的視点」を失ってしまったのが現在地なのかもしれません。
コスパが挑戦と未来を失わせる
チャレンジしようとすれば膨大なエネルギーが必要だし失敗したときのリスクも当然あります。競争している場合は主導権争いで摩擦が生じたりもするでしょう。コスパ指向が加速され何事にも短期的な損得だけで対応する人が過半数を超えています。積極的に仕事にチャレンジするよりはコスパの良い事だけやろうと思うようになっているのが現実でしょう。
でもよく考えればわかるのですが、挑戦もしないコスパ優先の世界に未来があるわけがないじゃないですか。その状況を乱暴に例えていうなら、100円ショップのような仕事を量産しているってことだと思うのです。100円ショップって便利だし安いしコスパ最高ですよね。僕も100円ショップ・セリアは大好きです。楽しいですから。でもね。100円ショップで買ったものが10年・20年後に買ってよかったなと残っているモノがありますか?使い捨ての消耗品ですよね。つまり粛々と浸透したコスパ優先思考は、使い捨ての100円ショップのプラスチック製品のようなシゴトを大量生産してるんじゃないかと思うのです。
「それって難しいですよね」「それって時間もったいなくないですか」ってミーティングで、まともそうな発言をしているヒトっていますよね。それって実は組織の挑戦力と未来を失わせている(気がつかないうちに重症化している)疫病なのではないでしょうか。それは木村石鹸の木村さんとお話ししてハッキリとわかったのです。マトモな感覚が失われつつあるのは「コスパ優先病」という目に見えない病から始まっているのだと。
「脱・コスパ優先」はコインランドリーからはじまった
木村さんに「それ儲かるの?」って会議で言うの禁止にしたんですよ。ってハナシを聞いてなるほどなと思いました。「それ儲かるの?」って「挑戦するチカラ」を封じる凄いパワーがあります。だってやって見なければ壁は超えられないのですから。これって説明が難しいのは「脊髄反射的にやってみなけれりゃわからない」ではないのですよ。「一生懸命考えても、考えても不可能だけど、やらなければブレイクスルーしない」ってことだからです。
実は木村さんとはリアルではお会いしたことはありません。zoomだけです。そのきっかけはコインランドリーにありました。そこに木村石鹸のSOMALIが使われていました。
なんだろ?メチャ綺麗だな〜と思って覗いてみたらあれ?なんか見たことあるぞ #SOMALI ってなんだっけ。あーっ❣️木村石鹸さんでした🧼 木村社長さん@yudemen 洗うものがなかったです🙇♂️こんなオシャレなとこでいきなり裸になるわけにいかないのでこんど使わせてもらいますw pic.twitter.com/LnsCTdvwMl
— 池松潤 / Jun Ikematsu (@jun_ikematsu) May 7, 2021
で。このtweetのあとスグに溜まった下着やシャツをココで洗ったのですけど、僕は他拠点生活なのでコインランドリーの乾燥機の静電気が凄いのが嫌でどうしたものかと感じていたところでした。木村さんはイケウチオーガニックの阿部さんがセンタク会議で一緒の方なのは知っていたのですが、洗い終わったTシャツに顔をつけると「何も匂いがしない・いい匂い」がしたんですね。
センタク会議とは、毎日何気なく洗っている服を大切に着たいと思いつつどう洗濯したらいいのか知っているようで知らない・をIKEUCHI ORGANICの阿部さん、木村石鹸の木村さん、Baluko Laundry PlaceってコインランドリーをやってるOKULABの永松さんが語る「場」です。
というわけで恋愛未満のエッセイを書きました。
このことがきっかけで、第2回SNSシフトのLTに登壇してもらえないかとご相談のDMしたところ即レスで快諾していただいたのです。日頃からnoteとtwitterは見ていたのですが、その行動の速さにびっくりしました。それでイベントの背景や想いをご説明するためにzoomしたのですが、そこで一番深くささったのが「ミーティングでそれ儲かるの?って禁止」ってハナシだったんです。これは失われた30年の病根だったのではないか?コスパ優先って米国式会計の四半期決算を背景とする、株主至上・資本主義経済から来ているのではないかと思ったわけです。とすると、まともな感覚は「脱・コスパ優先」から回復するのかもしれません。10年後・20年後・100年後どうなるか僕にはわかりませんが「脱・コスパ優先」をSNSの文脈にあてはめると、少し見えてくる感じがしました。
木村さんにSNSシフトへ登壇して頂きます
というわけで、6/10第2回SNSシフト LT(ライトニングトーク)をして頂けることになりました。何気なく使っているSNSですが人それぞれに考え方や想いがあります。ハックするとか、時短とかそういう視点じゃなくて、自分のためにどうSNSを使っているのか?というお話しが聞けると思います。
プラットフォームに踊らされるのではなくて、自分のためにつかう。乱暴にいえば「まともなハナシ」が聞けると感じてお願いしたので、僕が一番楽しみにしているのだと思います。
このイベントはSNSユーザーによる、SNSユーザーのためのイベントです。従来のようなインフルエンサー・著名人に対して集まるイベントではなく、SNSユーザーのフラットな交流のための場を目指しています。単に「バズる」とかでは無く、自分の仕事や、興味関心に対してnoteやyoutubeやtwitterなどのSNSをどう活用するのか。シゴトに活かす情報アウトプットのスキルやノウハウをシェアする場なのですが、その背景には「SNSマーケ」って言われる過去の広告ビジネスの延長にある文脈から脱皮して次の使い方に行こうよ。っていうのがあります。その辺はこちらのnoteに書いたので、気になる方は読んでみてください。
きっと楽しいと思うので、皆さんもぜひ遊びに来てください。今日から登壇者の方々との馴れ初めを書きますので、どうぞよろしくおねがいします。
第2回SNSシフトLT
6月10日(木):20時00分~21時30分(開場・19時45分)
前半・オンラインLTトークイベント(無料/zoomウェビナー形式)
・オープニングトーク:「鬼フィードバックというSNS道場とは」前田デザイン室・勝てるデザイン(幻冬舎)4刷 前田高志さん+池松
・LT1・木村石鹸・大正13年創業四代目社長 木村祥一郎さん
・LT2・株式会社SmartHR インハウスエディター 大久保志朗さん
・LT3・note株式会社 ユーザーコミュニケーション担当 金子智美さん
・LT4・ キナリ杯超無限優勝・前田デザイン室「鬼フィードバック」1&2執筆・4期メンバー 斎藤ナミ/パン子さん
・エンディングトーク 「決裁者マッチングサービスとSNSは人材採用や新規顧客獲得をどう変えるか?」オンリーストーリー COO 川角健太さん+池松
後半・オンライン交流会(有料/zoom会議室ブレイクアウトルーム形式)※登壇者や参加者同士の繋がりの場があります
※ZoomとDISCORDを利用しますのでEメールで前半とは別のURLをお送りします
エントリーはコチラからどうぞ。▼前回のLT動画も見れます。
6/10開催 第2回 #SNSシフト LTイベント
— SNSコーチング (@topinfocoaching) May 31, 2021
予告編動画、公開中です☺️https://t.co/2jyZM2eM1y pic.twitter.com/Uc3aZ54xiR
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