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シンプルだけど難しい何切る

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日本プロ麻雀協会の池野まひろです。

先日、同期の麻雀プロ3人とともにゲストとして雀荘イベントに参加しました。

我々は、Aota Guys

イベント終了後は4人同じ部屋で一泊することに……
麻雀プロが集まれば、自然と話題は麻雀の話になっていきます。
一通りの恋バナを終えた後、突然始まる何切る超会議。

セットや勉強会で打ったときに悩んだ手牌は、あとで見返せるように写真を撮ることが多いです。
4人とも写真のストックがそれなりにあったので、それを持ち寄って何切る問題を出し合いました。

なかなか楽しく盛り上がり、2, 3時間くらいはやっていたのですが、
中でも一番悩んだのがこの牌姿

4445789m789s4589p
形はシンプル

さて、何を切る?

協会ルール、赤はありません

ドラや巡目、点数状況や場況でも判断は変わってきそうです。

今回は点数がフラットで場況もない「東一局 親 1巡目」として、
ドラが①北のとき、②8sのとき、③4mのとき
それぞれ何を切るかを考えてみましょう。

Xでも様々な意見がありました。

打牌候補

打牌候補はおおむね「打5m」,「 打4p(or 5p)」,「打 8p(or 9p)」あたりでしょうか。
どれを切っても一向聴です。
5mを切るか、45pをはらうか、はたまた89pを落とすのか。

一向聴での受け入れ枚数と、聴牌したときの役をまとめてみました。

ざっくりと「一向聴を一番手広く👐 打5m」vs「絶対三色🔥 打4p」vs「好形確定✨ 打8p」
みたいな感じ
再掲

さて、何を切りましょう…?


1. ドラ 北

まずは北がドラのとき。
現状ドラなし。打点的な価値が欲しいので、789の三色を狙いたいですね。
というわけで、三色を消さない5mか4pを切りたいです。

では、どちらを切るのか…?
結論を先にいうと、4pを切りたいです。

先ほどの表にあった通り受け入れ枚数が多いのは5m切りですが、89p縦引きは立直のみになってしまいます……
あまり価値のない89pツモをカウントからはずすして、三色になる受け入れだけを数えると、5m切りも4p切りも受け入れ枚数は同じ(18枚)
であれば、7pが先に埋まったときに36p待ちになるよりも356m待ちの三面張になる方がうれしいので4445mを残したいですね。

5m切りと比較したときの4p切りのメリットは他にもあります。
それは、4p→5pと払いきれること
2枚まとめて切れるので、手牌に1枚余剰牌をもつスペースが生まれます。
この違いは次巡ドラの北をツモった場合などが分かりやすいです。

もし画像下の手牌が配牌だったら何切りますか…? 
私は三色とドラ重なりを見て打4pかな……

「打4p→ツモ北」の手牌では、打5pとすることで三色を狙いつつドラ重なりも逃さない「356m7p北」の一向聴にとれます。余剰牌をもつスペースがあることで自然にドラを抱えられますね。
一方「打5m→ツモ北」の手牌は、ここで三色を見切るかドラを切るか、またはどちらも残して45pを払っていくかの選択を迫られます。もしここで45pを払えば「57p北 (or 47p北)」の一向聴になりますが、「356m7p北」の一向聴の方が明確に形がいいですね。

また今回は、4p→5pと切ることでペン7p待ちが残ったときに先引っ掛けのスジになっているというのもあります。
ただし、この手牌においてこれはオマケ要素みたいなもので、牌姿をすこし変えた下の図のようなときでも5mより4pを切りたいです。

長くなりましたが、ポイントとしては
価値のある聴牌にしたい(立直のみは嬉しくない!)
・一手進んだときに安全牌やドラを自然に抱えられる強い形にしたい
ということで、「打4p」がおすすめです。


再再掲

2. ドラ 8s

これが一番回答が分かれるかなと思います。

今度はさっきと違ってドラが1枚あります。
一発裏アリの協会ルールにおいて、ドラ0とドラ1の差は大きいです。
ドラが一枚あれば、立直一発ツモとか、ツモって裏1とかでマンガンになりますからね。

ということで、立直ドラ1はそれなりに偉いです。
それを前提にして、各打牌の主張はだいたいこんな感じでしょうか。

「三色は逃さない!でも立直ドラ1も妥協点として悪くない」の打5m派
vs
「メンピンドラ1で十分!好形つくって和了率MAXでいこう!」の打8p派
vs
「裏ドラ…?あいつは信用できねぇ、漢は黙って三色同順」の打4p派


これに関しては、どれを切ってもいいかなと思っています
少なくとも今の私には、どれがいいか分かりません……(投げやり)

ただ、打点と受け入れ枚数のバランス的には、「打5m」か「打8p」がいいと思います
ドラが北のときは「ツモ89p聴牌にほとんど価値がない」ので89pの受け入れを無視していました。
しかし、ドラ8sの今回は「打5m→ツモ89pの立直ドラ1」も採用するので、ツモ89p聴牌にも価値があります
そうなると、受け入れ枚数の差で「打5m」>「打4p」となります。

じゃあ「打4p」は「打5m」の下位互換かというと、そういう訳でもなく……
今回は4p→5pと切って最終形がペン7p待ちの聴牌になったときが強いので、
・聴牌率は「打5m」>「打4p」
・聴牌した後の和了率は「打5m」<「打4p」

というイメージです。
また、「打4p」は三色確定なのに対して、「打5m」は不確定なぶん
・平均打点は「打5m」<「打4p」
となります。なので最終的に
「聴牌率」×「聴牌したあとの和了率」×「打点」
を考えたときにいい勝負なのではないかなと……

ただし、基本的にドラ1あるときは「打5m」>「打4p」だと思います。
例えばこんな牌姿であれば、「打5m」>「打4p」は覆らないでしょう。

打5mと打8mで迷う〜

とりあえず、結論を出すとすると
・打点と受け入れ枚数のバランス的には、打5mか打8p
ただ今回は打4pもあり
という感じです。


再再再掲

3. ドラ 4m

最後にドラが4mのときです。
いま一度牌姿を見てみましょう……

すでにドラが3枚あって打点は十分です。

ならば打点を気にせずに聴牌枚数MAXで「打5m」かというとそう単純な話でもありません。
「打5m」としたときは、ツモ3456p引きでペン7p聴牌になります。
さっきまでは打点的な魅力が大きかったのでペン7pの価値は高かったですが、すでに打点が担保されている今となってはそこまで価値はありません。もちろん三色がつけば打点は上がりますが、それよりもアガリやすさや形を重視したいです。

聴牌を目指すのではなく、アガリを目指しましょう。

ということで、「打8p」がおすすめです。

一応89p落としのデメリットとしては、ペン7pや36p(or 36m)を鳴いてマンガンのチーテンがとれなくなるということが挙げられます。

ただ、チーできなくても両面と三面張の一向聴です
メンゼンで十分いけるでしょう。

この手は鳴きができなくても大丈夫。
この手がアガれなかっときに泣きましょう。


最後に……

4. 教えてNAGAたん

左NAGAは添えるだけ。

初めてNAGAを使いました。もし使い方間違っていそうだったら教えてください…!
「カスタム牌譜解析」というので解析しましたが、あとになって「親の第一打シミュレーション」というのがあるのに気づきました。
絶対そっち使うべきだった……まあいいや。

NAGAのタイプは「バランス型ニシキ」と「超副露型カガシ」です。

注意としては、NAGAは「天鳳段位戦四麻喰断有赤有」想定らしいです。
・天鳳の順位点概念で考えている
・赤アリ想定で解析している

という点だけ留意いただければ。

①ドラ 北

4pかな〜

4pと5mが候補らしいです。
やはりドラなしなので、三色は逃さないようにという感じでしょうね。

②ドラ 8s

4pかな〜

5m, 4p, 8pすべてにバーが伸びています。
イチオシは4pらしい。先引っ掛けが偉いのかな…?
あとは赤アリ想定だから、「三色が狙える」かつ「赤5m赤5pツモをどっちも逃さない」みたいな要素もあるかも…?

気になったので、先引っ掛けにならない牌姿も試してみました。

「ペン7p→ペン7mをに変更」
5mかな〜
「ペン7p→ペン7sに変更(ドラ8mに変えています。ドラ1枚なのは一緒)」
5mかな〜

やっぱり、この形だと4pはほとんど候補に入っていないですね。
5mと8sはいい勝負。やや5mより。

③ドラ 4m

8pかな〜

かなり8pよりらしい。

以上です!
ありがとうNAGAたん、勉強になったよ。

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