
今週気になったテックニュース 2023.05.12
今週の気になったニュースまとめです。チームの内部向けに共有していたのですが、外に出してしまおうという試みです。
その時々の「それが気になったんだ」というスナップショットとしても後から見返すとその過ちも含めて意味があるかなと思っています。
テックとエンタメが中心かと思いますがそうではないものも含まれます。
Unreal Engine 5.2がリリース
Unreal Engineの最新バージョンがリリースされたり新機能が発表されたりしました。
個人的にはApple Silicon サポート
とプロシージャル コンテンツ生成フレームワーク
が気になった感じでしょうか。
Apple Siliconをサポート
Apple Siliconサポートについては、周りではUEをやろうとするような場合はもうみんなWindowsマシンを使っているケースばかり見かけるのですが、Epic的にはちゃんとMacも気にしてるのね…という。
ランタイム実行時にも使えるプロシージャル生成フレームワーク
プロシージャル生成フレームワークについては、要は地形作ったり植物を設置したりというのが手作業からどんどん手続きベースになっていくということですが、ランタイムでの実行、つまりプレイ中にもそのプロシージャルの機能が使えるらしいので、表現にも使えそうでいいですねという。
NVIDIAのSIGGRAPHでの発表、AIによるリアルタイムレンダリングと質感向上
発表は色々ありますが、個人的にはレンダリングにAIが寄与してフォトリアリスティックな質感が向上することの恩恵と、それがリアルタイムに動きつつあることへの感動でしょうか。
僕はCGの専門家ではないですが、例えば大理石や人間の肌の質感をCGで表現するのにサブサーフェス・スキャッタリングという技術が開発されたり、質感をどう計算して再現するかというのは高度な技術開発なんですね。そして光や視覚のシミュレーションの話なので、高度な数学や物理の知識が活用される分野でもある。けれどもそういうものを、質感の具体的な例示の写真から学習して、レンダリング結果に反映させよういう方向ですね。
CGのレンダリングは大きく変わっていくだろうなという感じがしています。今までには手描きでしかできなかったようなスタイルも映像化できていくと思うと、個人的にはフォトリアル路線よりspider verseとかslam dunk的なノンフォトリアル路線への寄与が気になります。
夜に数km先の物体をカラーで撮影できるキャノンのSPADセンサーカメラ
CMOSセンサーとの方式の違いや、ユースケース、実際に撮影した画像が示されています。CMOSより原理的にノイズに強いらしい。価格が落ちてきたらエンターテイメントにも使ってみたいですね。
外部センサーやカメラなしにディスプレイの裏側から光学的読み取りが可能なMultiTactionのディスプレイ
東京駅前にある「ヤンマー米ギャラリー」で感動した展示&デバイス。
— sabakichi (@knshtyk) May 7, 2023
よくあるタンジブル的な仕組みと思いきや、上方からのカメラ撮影なし、ディスプレイとマーカのみで動作。マーカは単なる印刷でRFIDでもない。話を聞いたところ、なんとディスプレイ越しにマーカを"光学的に読み取って"いるとのこと pic.twitter.com/45FEtVv8v2
チーム内で聞いたところ使ったことあるメンバーがいました。
公式動画。
公式のPDF。手とタッチペンとマーカーを想定してるみたいですね。
https://www.multitaction.com/images/pdfs/TouchTechComparison-December-2022.pdf
マーカーは内側から赤外線カメラで撮っているので、印刷したマーカじゃないと反応しないらしいです。(スマホの画面とかだとダメ)
て、いいんだけど、数百万と価格がめちゃくちゃ高いらしいです。使ってみたいんですが、ハマらない案件も多いですね。
上下方向にも動いて立体的に編み上げる3Dプリント
Having a ball today playing with designs for Cura's wire printing function, SO much fun😆 pic.twitter.com/Fsr41dxWtT
— 3DPrintBunny (@3DPrintBunny) May 6, 2023
「編む」というのは本当は正しくはないと思いますが。動画を見るとちょうどノズルの角度を計算してる感じですね。僕はみたことがなかった事例で、こういう使い方もあったのかということで。
2年以上アップデートされてないiPhoneアプリが削除されるようになるかもしれない
地味だけど業務で使えるようなアプリで、そしてアップデートする必要がそんなにないやつとか、あると思うのですよね。まあ最新のAPIに対応してねみたいなのはそらそうして欲しいのは理解できるのですが。
とはいえ例えば友人が昔開発したこの ZIGSIMというアプリとかはiPhoneの各種センサーの値を自分の好きなものを選んでOSCで任意のIPに送出できるアプリなんですが、気になって更新日を見てみたら最終が2017年。今でもちょこちょこ使われてるのは見かけるので、こういうのが消えていくとしたらまああまり良い施策ではないなぁ、という気がします。どうなるのか。
MediaPipeのアップデートが発表されたGoogle I/O
ものすごく色々発表されたんですが個人的に気になるのはFirebaseのアップデート、MediaPipeのアップデート、AR関連のアップデートあたりです。
Google I/Oで発表されたMediaPipeの新版ゴイス
— forasteran (@forasteran) May 11, 2023
MediaPipeの🆕顔モデル凄い!
カメラから478個の顔のランドマークと52 個のブレンドシェイプを使ってトラッキングできる
blendshapeは顔形状パラメーター(表情制御に使える)https://t.co/pwG86l6FRz
2D生成画も動かしたい🤭https://t.co/3Kbmw2Cl0A
実際に試せます。
光るリストバンドに埋め尽くされたコールドプレイのライブ
光るリストバンド自体はかなり前から彼らは導入しているんですが、圧倒的物量からくる未来感はやっぱりすごい。あと昔見たものより制御のバリエーションが増している気がするので、リストバンドも進化してるんだろうなと思います。一度生でこの空間を見てみたい気持ちはあります。
歌舞伎町タワーではナムコのキャラクターAIがDJしている
歌舞伎町タワー3階、来るんじゃなかった……ナムコのキャラクターがバカデカい音で一生DJしてる
— ますだたろう | Taro (@masudataro_) May 6, 2023
入場料とかもなくふらっと入れるし、こんなの知ったら一生ここに入り浸ってしまう… pic.twitter.com/EVR0k09DI8
全てのフレームが手書きの(?)、Max Cooperのライブの映像演出
めちゃくちゃ好きです
Sometimes I need solace in structure, so I made a track about it for unspoken words LP, perfectly visualised by Donato Sansone, Marco Holland and Silvia Gariglio who built an audio synced animation and hand drew every frame for 3D sketch aesthetic for the 3D AV shows pic.twitter.com/J4D23oN6l9
— Max Cooper (@maxcoopermax) May 7, 2023
おわりに
今週はいろんな発表がたくさんあって大変でしたね。
内容とは関係がないのですが最近久しぶりに会った人にあれ読んでるよと言ってもらってちょっとモチベーションが上がりました。
ちなみにカバー画像は最近新しく出たNijijourneyの新スタイル"scenic"です。でもちょっと構図が難しい印象です。広角の絵が売りらしいんですが、さらっと出すと同じ構図ばっかりが出ちゃいました。工夫の仕方を学ばねばという感じです。