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大学院とサービス、とは
みなさん、おはようございます、こんにちは、こんばんは。
長らく理系の大学院で働いていて、理系の大学院教育について思っていたことを書きます。
大学院の話なんて役に立つ人そんなにいないと思いますがまあそういう世界もあるんだなと思って読んでくださいまし。
もっとも高校生・大学生で大学院に行ってみたいという人の夢を壊しかねない(笑)
学ぶということはお金がかかりすぎるので入り口にも立てないという面はもちろんありますけれども読み物として読ませる力量を発揮したいと思います。
文系の大学院のお話を聞いてみたら理系のような共通概念がなさそうな世界で人によってあまりにも違いすぎるとだけお伝えいたします。
大事なことなので冒頭にお伝えしますがスケジュールに追われるのが嫌なら理系の大学院は向いていないのでやめた方がいいです。
学校はそういう実もフタもないことを言いません。
実験してデータを取って発表するのが大多数の理系の大学院です。
論文、学会、色々な形で発表してナンボでその締め切り前は有無を言わさず拘束されます。学会や講演会の準備は大学院生の仕事で上の先生は都合も何も考えてくれません。
それが当たり前で学者になるための修業です。
実際に学者になれば研究だけしていればいいのではなく授業や関わっていくものが多いのです。
だから大学で研究を続けることを好ましく思っていない人もいます。
どう思っていてもいいので学生を育ててくれていればこちらはいいという何様目線の事案も見てきました。
大学院は学者として研鑽しに行くところで遊びに行くなら四年で卒業したらよろしい。
大学院に進学すると就職がよくなるという分野もあるでしょうが粛々と先生の言うとおりに進めるがいいと思います。
どうしてこんなことを書くかというと先生の言うことも聞かず自分の思うとおりにスケジュールが取れなくて(遊びに行けなくて)大学院を辞めた学生がいるからです。
逆にスケジュールを詰め込んだらうまくいったかもしれません。
今の教授は「学会の予定を詰め込むのは学生へのサービス、自主性に任せるとよろしくない」とおっしゃいます。
サービスって言い方、ですが(笑)
前のお部屋は放牧という感じで勝手にえさを食べてというやり方でよそで訓練を積んできた研究員には居心地がいいかわかりませんが何もかも未経験の学生も同じように勝手に育てではそりゃどんどんいなくなるわなと思います。
学問に限らずついて来いというような師匠がいないと伸びないし、盗みたい背中がいなければどうにもならないのです。
20代になるならないの若造に対して、決して甘えではないと思います。
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大学院博士前期課程(修士)+博士後期課程(博士)の5年間の特別プログラムのポスターです。
”カネのことは心配するな”とわかりやすく書いてあります。
大学を上げて5年間支えて”先導的量子ビーム”の研究に没頭できる用意をしているわけ・・・難しすぎてわからんことをするにはこのような支えをしてもらえるようになっている世の中ですね。
一部の領域だけではありますがこういう研究をけちらないような社会になってほしいと心から願います。
私は昔の理系なので大学院=休み返上実験という頭があるのです。
今働いている某国立大学は最近安全面で学生を早く帰すようになりました。
あちこちの学校で火災が起きたのをきっかけに学生だけでの休みの日の実験を控えるようになったところが多いと聞きました。
聞いた話では校舎が一棟燃えた学校があるそうです。
火災や事故があるとどんどん制約がつきます。
![](https://assets.st-note.com/img/1677895820539-NMKi6WFtfG.jpg?width=1200)
大阪大学のポスターです。面白おかしく書いてありますが大事なことなので。
あと、理系の建物のエレベーターには必ず「液体窒素のタンクと必ず同乗しないように」と書いてあります。
液体窒素がエレベーターのような狭い場所で漏れると窒息するので液体窒素をエレベーターに載せて自分は走って階段を上って液体窒素に追いつくか目的地のエレベーターに誰か待っててもらうということでしょうか。
常に火災と窒素と隣り合わせ。
そんな私のお仕事も四年で卒業します。
某国立大学を卒業したような気持になってもよろしいではないですか。
春から予想外の場所で全然違うお仕事をします。
では!