Just do it!
“Hey I’m Kevin.” “Do you like catch??” 冴えない青年が僕に話しかけてきた。”huh?“と返すと、夕方キャッチボールをするメンバーを探しているとのこと。僕の他に5人くらいに断られていることを教えてくれた。”OK, I’ll come“ 僕は夕方行くことを約束した。
その日の18時に庭に集合するとKevinが一人で待っていた。そして、僕が来たことをとても喜んでくれた。あのあと声をかけ続けて、あと3人来ることになっているらしい。徐にアメフトのボールを取り出すKevin。しかし、30分待っても誰も現れない。結局その日、僕らは、日が暮れるまで二人でキャッチボールをしていた。帰り際、Kevinは、少し悲しそうな顔をして、また明日と言った。
次の日から、冴えない青年とのキャッチボールは一週間くらい続いた。ちょうど一週間経った頃、メンバーが一気に5人増えた。Kevinが声かけを続けたらしい。彼のしつこさに根負けしたのだろう。とにかく、メンバーが増えたことにKevinも僕も興奮が冷めなかった。
6人を前にして、彼は言った『今日、ここでチームを結成する。』と。そしてチーム名は”Soaring ravens”だと。みんなからは”Yeah”という歓声が上がった。それは半分冷やかしも混ざっていたが、Kevinは堂々としてとても嬉しそうだった。僕は、「日本語では滑空鴉(かっくうガラス)かな」と考えていて、みんなの勢いに乗り遅れた。だけど、湘南乃風の曲名みたいなチームができたこと、Kevinの行動が人の共感を呼んだことで心が熱くなっているのを感じた。
<後書き>
学生時代にアメリカに留学して2週間くらい経った頃の話です。英語はほとんど話せませんでした。
「そんな状態でよくキャッチボールに行ったなぁ」と当時を思い出します。
私もKevinの熱意に魅かれた一人だったのだと思います。彼から、熱意で人の気持ちや行動を変えていけることを学びました。