認知症の母と沖縄移住 17 コンテナ12フィートにどこまで積める? 家電と家具は現住所で売却した方が経済的?
日通の料金設定では、10フィートコンテナの輸送量が12万円、12フィートコンテナが16万円とのことでした。私たちの荷物の総量は、12フィートコンテナ1基分に相当し、人件費を含めた引っ越し費用は35万円に上りました。
12フィートといっても、素人にはさっぱり見当もつきません。営業担当者の説明では、冷蔵庫をのぞいた家電・家具に加えて、段ボールM(120)サイズで50箱分だということでしたが、これでもまだ、ピンと来ません。
営業担当に依頼して、実際に届いたのは、S(100)サイズ30箱、M25箱、それに着物梱包用の薄型で細長いSC3が5箱でした。
M50箱と言われていたのが、MとSが混在する形になると、もう何が何だか、さっぱり訳がわかりません。
妻は、これでは絶対に足りないと言い切ります。会社で3年に1度、転勤を繰り返していたときには、S100箱、MとLは合わせて50箱以上あったというのです。その後、S箱の数を大きく押し上げていた2000冊以上の本をデジタル断捨離して、100冊未満に減らしたものの、5年前に自己都合で引っ越しをした時にはそれでも、Sが40箱、Lが40箱必要だったといいます。
結局、一か月の引っ越し準備期間中に2度の段ボールのお代わりをして、最終的にはS44箱、M44箱を使用し、荷物は無事、12フィートコンテナ内に収まりました。
荷物は引っ越し当日、2トントラック1台と、2トントラック三分の一台分に分乗して、有明埠頭まで運ばれました。12フィートコンテナ1基分は、トラックに換算すると、2.7トンに相当するようです。
当初は引っ越し先に持っていく予定だった、サイクリングマシン1台とアジア調の椅子1基を処分したので、スペースには多少、余裕が残っていたようです。
12フィートコンテナに搭載した荷物の内訳は次のようになります。
ダイニングテーブルと椅子4脚
食器棚
本棚下段のみ
ベッド
桐の和ダンス
洗濯機
エアコン
パソコンのモニター
パソコン用スタンディングデスク(アーム式)
アジアン調の木の椅子1脚
仏壇
衣装ケース一段6個
衣装ケース三段重ね2組
衣装ケース四段重ね1組
自転車1台
ランドリーラック
トイレのウォシュレット
姿見
ミシン
カメラの除湿機
沖縄三線
段ボールS44箱
段ボールM44箱
段ボールL(作業員が引っ越し当日に持参した分)10箱
着物用段ボール5箱
沖縄移住者のブログやYouTubeチャンネルを見ていると、大型家財は現住地で処分していった方が、引っ越し費用を安く抑えられると、処分と買い替えを勧めているものも多いように見受けられます。
私たち自身、冷蔵庫1台と電子レンジ、自転車1台、エアロバイク1台、アジア調の椅子を1脚処分し、おそらくは冷蔵庫1台と自転車1台が決め手となって、12フィートコンテナ1基に収めることができ、引っ越し費用を35万円とすることができました。
しかし、サカイであれば、何も処分する必要はなく、38万9400円ですべての荷物を搬送することができた計算になります。
大型家財を処分して、沖縄で新規購入するかどうか。この判断の基準となるのは、次の二つのポイントになるかと思います。
一つは、引っ越し業者の運搬容量と料金体系です。
引っ越しの荷物は、コンテナやトラックの容量と台数によって値段が決まる仕組みになっているので、普通は家財が1個、段ボールが1個減ったところで、料金はぴくりとも動きません。
日通でいうなら、12フィートコンテナが10フィートになる、サカイならば、2トントラックロング車と2トントラックの2台体勢から、2トントラックロング車の1台体勢になる、それくらいの荷物量の変化がないと、大幅な値引きは期待できないということになります。
家の中の荷物の総量が偶然にも、料金の変動ラインの上に乗っていて、家財を1基処分すれば、料金体系が一段下がるなら、あるいは家財を処分すれば、ゆうパックだけで荷物を運搬できるというなら話は別ですが、そうした状況にないのに家財を処分してしまっては、捨て損になりかねません。
まずは、引っ越し業者に見積もりを依頼し、実際に下見に来てもらい、家財を処分すれば、引っ越し料金が下がるのかどうかを業者に確認してから、処分の可否を慎重に判断されることをお勧めします。
もう一つのポイントは、荷物が搬出後、沖縄に到着するまでの1週間をどのように過ごすかということです。
この間を沖縄のホテルに宿泊する、あるいは台湾を観光するということであれば、家財は処分する必要も新規調達する必要もありません。観光をたっぷりと楽しんで、荷物の到着をのんびりと待っていればいいだけです。
問題は、荷物搬出の当日、あるいは翌日に沖縄入りして、そのまま新居で生活を開始し、家財が到着する前に、室内の模様替えを済ませておきたいという場合です。
私たちがまさにそういう選択をしたわけですが、荷物が到着するまでの間は、冷蔵庫も、電子レンジも、ガスレンジも、ベッドもない状態なので、生活に支障が出ます。
食べるものは三食弁当、あるいは三食外食で、普段の飲み物はコンビニのお茶でもいいのですが、5月の沖縄は最高気温が25度を超える日も多く、それなりに暑いので、飲食物の保存が効かないというのはかなり不便です。
500ミリのペットボトルのお茶を買って数時間で飲み切り、また買いに行くというのはまるでコントでも演じているかのような滑稽な絵面です。弁当を残した場合は、あとで食べるというわけにもいかないので即廃棄となり、おまけに可燃物の収集日までに腐敗することは目に見えています。
冷蔵庫と電子レンジさえあれば、飲み物や食べ物の保存が利くだけでなく、お湯を沸かしてお茶やインスタントコーヒーを自前で作ったり、食べ残した弁当を温め直すこともできます。
ちょうど、冷蔵庫も電子レンジも購入から、20年近く経過していたので、思い切って買い替えることにしたというわけです。
おかげで、荷物の搬入を待っている間の1週間は、弁当への依存度は高かったものの、コロナ警戒もあって外食することは一度もなく、食費を大きく抑えることができました。8泊9日の下見期間中は毎晩、外食だったので、ここらで引き締めようと思っていたところだったのです。
ちなみに沖縄で家財を新規購入するのであれば、下見期間中に購入して、1か月か、2か月先になる入居後に配送してもらうことを強くお勧めします。今回のコロナ騒動のように中国の工場が稼働停止に陥ると、入荷まで3か月待ちも当たり前で、入居後もしばらく、生活必需品がない状態が続き、生活が立ち行かなくなってしまいます。
1、家財を一つ二つ処分すれば、引っ越し業者の料金体系が下がるのか? あるいは、大量に処分しないと、料金は下がらないのか?
2、荷物を搬出後、すぐに新居での生活を始めるのか? あるいは荷物が新居に届くまでの1週間は、沖縄県内のホテルに宿泊したり、台湾旅行をしたりして過ごすのか?
この二つのポイントを抑えておくと、家財を処分・新規購入することにメリットがあるのかどうかは自ずと見えてくると思います。
家財の処分と新規購入はくれぐれも慎重に。