『三屋清左衛門残日録』
読了。
隠居した三谷清左衛門の日々を藤沢周平が描く。隠居した主人公は50代前半。確かに、四十は初老だし、江戸時代であれば、五十にもなれば隠居だろう。
私はまだまだ隠居は先だとは思うが、隠居の気持ちがかすかにわかってきた年齢になってきたと思う。恩師が逝去され、知人も亡くなりと自分の人生の終わりを意識し始める年齢になってきている。40代には考えなかった残り時間を考えることもある。
本書は、そんなタイミングで読んだ。
消えていく社会人としての自己。
それがどこかで役立つ幸せ。
衰えていく体力と健康。
そして、まだもう一花あるのか、男と女。
藤沢周平はすごい。
改めて思った。
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