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そのiPhoneのインカメを地面に置いて

楓のポイントで写真を撮りに行ったら、2人の小さな男の子とお母さんがその紅葉を背景に写真を撮っていた。

こういう時、カメラマンのお母さんは写真に写らない。いつもそうだと思う。せっかくお母さんの言うことを聞く子供たちなのに、一緒に写らないのはかわいそうだ。つい声をかけた。

「写真撮りましょうか。カメラ貸してください」

するとお母さんは喜んでくれた。
何枚かの写真を撮ってお母さんのカメラを渡した。

お母さんは
「すごい」
と喜んでいた。

ふと思い出した。私の子供が5歳ぐらいの時のこと。

「お母さん、そのiPhoneのインカメを地面に置いて、それを覗き込むようにすると、楓の美しさとお子さんと3人で撮れますよ」

といったところ、

「すごいほんとだ」

と言って、子供たちと一緒にiPhoneを覗き込んでいた。
私の子供が覗き込んでいる写真は宝物の一枚。
宝物になってくれるといいなあ。


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池田修
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