#6: チェスへの取り組み方、5選
「チェスのトレーニングをする。」
そう言ってみても、実際何から手をつければいいのか?
タクティクス、オンラインチェス、エンドゲーム、実戦の振り返り、棋譜並べ…挙げていくときりがありません。
まずはどういったアプローチがあるのか知りましょう。
あなたに合うものを見つけたり、普段の取り組み方を改善するきっかけになるかもしれません。
コーチ・ライターとしてもチェス界で名のある3人のグランドマスターの勧めるアプローチから見ていきましょう。
1. 序盤・中盤・終盤・タクティクス・その他の割合を決める
2. タクティクス・実戦・その他に分けて同じ時間を割く
3. 学習→練習→修正→繰り返す
学びと実戦をいつ行えばいいのか知るには:
1~3について
この3つのアプローチは分かりやすくて好きです。
それぞれ要約すると、こういうメッセージが汲み取れます。
チェスの全分野に触れよう。オープニングの優先度は低く(Kuljasevic)
大事な分野、そしてあなたが一番必要としている分野に集中しよう(Studer)
どの分野だけでなく、実戦と学習、どちらにするかを考えよう(Grigoryan)
特に、Grigoryanのアプローチは汎用性が高いと思います。
去年読んだ、樺沢紫苑の2冊の著書での勧めとも被りました。
こういう考え方もあります。
多くの人は、トレーニングや学習を分野の面で考えていますが、
「私は学習と実戦の間に良いバランスを持っているだろうか?」
と考えるのも大事です。
学習が多すぎる:学習したものを、実戦を通しての深く吸収できていない
実戦が多すぎる:学習を通して視野や可能性を広げることができていない
4. たのしんだっていいじゃないか、にんげんだもの
上記の3つのアプローチは分かりやすい。
しかし、トレーニングの中での優先順位を意識しつつも、単に楽しかったり、好奇心をそそられるものをやるのも必要です。
分野ごとに何%に分けるとか、3分割するとかも正味難しいですしね。
特に、チェスに充てられる時間が限られている社会人は、
「チェスをやるんだったら、実戦的価値が大きいメニューにしぼらないと」
「チェスをやるんだったら、一番大事な分野に集中しないと」
と考えてしまいます。
でも、チェスを長くやっていく中では、楽しむということも不可欠です。
楽しめていると何時間でも集中できるし、何かに没頭することで、あなたのチェスのある部分を伸ばしたり、プレイヤーとしてのあなたの独特なスタイルの確立にもつながるかもしれない。
5. 他者からのフィードバックから学ぶ
良いアドバイスや教えは、チェスの上達を助けてくれます。
誰かが、
「あなたはここが改善できるかも」
「あなたはこの分野に取り組んでみるといいかも」
と言ってくれるだけで、そこに自力でたどりつくまでの時間を大幅に短縮してくれることがあります。
どこを改善できるか知るために、頻繁に強い相手と対戦しよう。 勝つべき相手としか対戦していないと、上達しようというモチベーションが生まれない
負けた時、特に強い相手に負けた時は、あなたがどこでもっとうまく指せたか聞いてみよう。エンジンはどこでミスしたかを指摘してくれますが、相手の考え方のほうが実戦的に参考になり、学びにつなげやすい
あなたのチェスはどうすればより良くなるか、またどういったアプローチやリソースがあるか、アドバイスや意見をくれるコーチやトレーニング仲間を持とう
おまけ
あなたがチェスに本気で取り組みたいと思っているなら、毎日、チェスにある程度の時間を割きたい。
(1週間に1日、あえてチェス休日を設けてメリハリをつけるのもあり)
多くの人は、スマホやPCで毎日、何時間という時間を浪費しています。
もちろん、必要な部分もありますが、無駄に使っている時間も多い。
あなたはどうですか?
チェスに割く時間は、もちろん質も大事ですが、量も侮れない。
少し習慣を変えて、1日30分、チェスの時間を増やすだけでも1年で180時間
以上、チェスの時間が増えます。1日1時間増やせば、その倍。
私も特に10代の終わり、20代を通してあまりにも多くの時間を無駄にし、それを後悔しています。チェスをもっとやれば良かった。
あなたがこれから何年も、本気でチェスをやりたいと思っているのなら、盤上だけでなく、盤外での時間の使い方も意識してみましょう。