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中国拳法と『四月の風』

中学生の頃、兄と交代でお金を出して、週刊少年ジャンプを買っていました。
1番読むのを楽しみにしていたのは、うすた京介先生の『ピューと吹く!ジャガー』でした。
ストーリーの面白さはもちろん、ジャガーさんやハマー、ポギーなど、魅力的なキャラクターたちに夢中になりました。
めくるめけ日々(うすた先生がやっていたブロク)の更新を心待ちにして、毎日のようにパソコンでチェックしていました。

私は小さい頃からひどく内向的で、同級生や教師、親戚など周りのありとあらゆる人と、上手く話すことが出来ませんでした。
写真を撮るときも、うまく笑うことができずに、暗い顔でうつむいてばかり。
ですが、『ピューと吹く!ジャガー』を中心にギャグマンガを読むようになって、少しずつ変化していきました。
マンガを読んで笑うことが増えると、日常でもちょっとずつ笑えるようになり、誰かと会話をして笑い合える喜びを知るようになったのです。
相変わらず口下手で、ひとりで過ごす時間が好きです。
話が拙くて上手くいかないことも多いですが、このマンガに出会えたおかげで、少しはおしゃべりできるようになりました。

連載が終わって、ジャンプの巻末からジャガーが無くなり(この作品は読者の人気に関わらず、1番最後に掲載されていました)、膝から崩れ落ちそうになるほどショックを受けました。
ジャガーの載っていないジャンプは、私にとってジャンプではありませんでした。

最終回のショックから数年経って、社会人として忙しく過ごしていたある日、YouTubeでうすた先生が出演しているCMを見つけました。
ギャグマンガを描く大変さを語る先生の姿から、子どもの頃は想像も出来なかった苦悩を、初めて知りました。
先生が中国拳法をやっている様子を見ているだけで、泣いてしまいそうになります。
でも同時に、なぜか勇気が湧いてきます。
バックで流れている、エレファントカシマシの『四月の風』のおかげでしょうか?
疲れた心と体にじんわり響く、すてきな曲ですね。
日常の中で、つらいことがあったり、悩んだりしているときは、この動画を見るようにしています。


この動画の影響で、私も中国拳法の"モノマネ"をするようになりました。
運動神経が悪すぎて、気持ち悪い動きしかできなくて、自分で自分を笑ってしまいます。
自己流の"へなちょこ拳法"をしながら『四月の風』を聴くと、笑えるし、元気が出ますよ。

うすた先生の受け売りではありますが、気が向いたらどうぞお試しください。

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池田はまな
読んでくださって、ありがとうございました。