ヒエラルキー構造の果てには何があるのか
どもっす。こないだ銭湯の常連の話をしたんですがその続き。
今日もそんな温泉へ。時間的に恐らくOさんは居ないのでどうかなと思ったらNさんが無双してました
電気風呂でぶるぁぁぁぁぁ…と声を発しながら。
今日は観察せずに整えようと思ってたらまさかのニューカマーが。
たまに会うくらいの人で何をしてるのかもわからないけど顔が河野太郎ににてるので俺は太郎と呼んでいる。
その太郎が、入ってきた。
彼は特徴的だ。タオルを装備していない。
男風呂でのタオル使用は体洗うのにも使うけれど主に股間を隠す為に用いられる。それはマナーだからだ。
誰だって人の股間見ながら風呂に入りたくはない。
太郎は装備してないので常にフルオープンだ。
太郎は傍若無人だ。風呂に入るときは人が密集してようが勢いよくはいる。水飛沫が飛んでも気にしない。
太郎には国境がない。風呂を移動する時は普通は一回出て入り直すところを風呂の境目を走り高跳びのベリーロールの姿勢で越えていく。結構迷惑。
太郎は暑さを知らない。
サウナは最上段でひたすらフルオープンで胡座をかき15分以上はいる。
露天風呂は太郎の家だ。床の上にフルオープンで寝転び、大地の冷たさを感じながらテレビを見て豪快に笑う。
Nさんが入ってる電気風呂に太郎が隣の風呂からベリーロールの姿勢で入ってきた。
随分と長い間電気風呂を占拠してたNさんも堪らずに風呂を出た。
その時の浴場のヒエラルキーの頂点にいたNさんを実力行使で退かしたのである。
そのままNさんは風呂を上がり、
浴場は太郎の独壇場になった。
電気風呂、高温風呂、ジェットバス、水風呂のルーティンで入っていく。もちろん、ベリーロールで。
俺はサウナ上がりで椅子に座りながらその光景を見物していた。
浴場にいる誰もが思っていた。
誰かこの傍若無人な専制君主を諌める勇者が現れる事を。
その時。
従業員が入ってきた。
その瞬間太郎は普通に風呂から上がり、露天風呂に消えていったのである。
たまたま上がっただけども見えるが、俺にはわかる。そのルーティンなら次は水風呂で、しかもジェットバスに入ってから10秒も経ってないからだ。
つまりはこういう事だ
太郎>Nさんだった構図が
従業員が来ることにより
従業員>太郎になったのである。
そして傍若無人に本能のままに振る舞っている太郎も結局は人を見てるって事がわかった。彼もこの浴場の中でライジングしようとしているのだ。しかし従業員に止められてしまった。
つまりこの温泉のヒエラルキーのトップは
従業員
なのかもしれない。
いや、でも、 Oさんがいたら違う結果なのかもな
Oさんは従業員より上の可能性もある。
お互いに苦手な人間がいて四すくみ状態なのかもしれない。
気が気ではない。
もう、
常連総会開いてくれ。
四天王集結してくれ。
その行く末を見たい。猛烈に。
もうこの温泉以外に行けない。見届けるまでは。