『家族葬。』次は俺の番だから本気出す

家族葬というものを初めて体験した。

今日、父親方のばあちゃんが亡くなった。
病院にいる母さんから電話がきた

そんな連絡をもらってすぐさま
車の運転席の親父は頭が真っ白になったのか
道の真ん中で停車した

『危ないっ』
俺の一言でフッと戻ってきた

隣で泣いてたのかわからんけど、鼻をすすってた

漢！みたいな親父が…

自分の母親を亡くしたら、確かに俺でも凹む

病院に駆け込んだ

妹は泣きながら
『お疲れ様ばあちゃん』

兄貴は
こどもたちに
『ばあちゃんに触れ！もう会うの最後やけん手を振ってこい』
この日ばかりは、いつもふざけ散らかしてる子供たちが静かだった

母さんは
冷静に立ち回り斎場とかお寺さんの準備をしていた

俺は何してたかというと…
普段の日常のように
飯を食って仕事して喪服準備して、その様子をずっと見てた。

ばあちゃんの顔見たら
なぜか安心した。

ばあちゃんのドラマの最終回に立ち会えたこと

ちゃんと記憶に刻もうって

時間は進んでる

《そろそろ本気出せ、次はお前の番だからな！》
ばあちゃんにそう言われた気がした

話は少しズレたが
昔では多くの人が集まり故人を送り出していた葬式も
時代も変わればなるべく小さく(もちろん金銭も)横のつながりはなく家族だけの密葬というものが主流になりつつある。

誰かの名言でこんな言葉があった
『自分の最期、何人に見送られるかで人生は決まる』
要はたくさんの人を呼べば勝ち
数の競い合い

そんな時代の風景と共に

今回はばあちゃんの希望のもと家族葬で見送ることにした。

ちなみに金銭的に
『家族葬』一体いくらかかるのか？
そこに焦点をおくと

昔は人1人死んだら葬式100万の時代は当たり前だったと思う。

まず斎場の準備
これが重要
部屋やら霊柩車やらオプションの花代やら
斎場によってはいろいろ足されると思うが…

最期に故人にしてあげられることなら…と
いろいろ追加してしまう
斎場代はザックリ30万だった。
ちなみに消費税込みですか？と聞いたら別と回答
計33万円

葬儀屋さんも
いつ亡くなるかはわからない故人
1週間と支払い猶予はくれるが、分割払いはお断り。

そして葬式には欠かせない
お寺さん
お経をよんでいただき、故人に対して最大の敬意を払うための法事
お通夜や葬式、初七日、戒名をつけていただき
もろもろ込みで相場を聞いたら
約20万円前後　プラスで1万1万と…
今回は25万円ぐらいになる見通し

高いと思うか安いと思うかは人それぞれ
何もなしで火葬場に直行というのもあるらしいが

ちなみに、このお寺さんだが
お寺さんは、この一度きりの人生を坊に振る
全フリして、茨の道を突き進む彼らのことを
僕は尊敬する。

そして意外とビックリしたのが
火葬場代
地元割引があるのかもしれないけど1万円。

都会の方に行くと、火葬場は予約待ちらしい。

ここで注意
最近では骨を置くことになる
お墓や納骨堂はいっぱいで予約も埋まってるらしい。

ばあちゃんは自分で建てた墓には、いろいろ諸事情があり入りたくないと言ってたらしいから
現在、見つけてる最中
これにももちろん、お金が必要になってくる

最終的にはやはり死んだらお金はかかる。

今回は初めての家族葬
家族だけで見送ってやろう。

一生で一度きりの
とても温かいHomeドラマ。
【あなたの家族 葬】

追記

自分が死んだ後のことをばあちゃんは、シッカリ考えており
生命保険も契約

今日93歳と
働き脳の、ばあちゃんは
戦後女手1人で店を構えて
商売が得意だった

そして立派な家を３件も残してくれた

口癖のように
『挑戦しろ』と言っていた。

ばあちゃんの顔を見て安心したのは
その口癖どうり、やりきった
《この人生を全うした》
そんな誇らしい顔をしてたから

ありがとうばあちゃん。

時間は進んでる
世代は変わる

次は俺の番だね。

少し笑えるエピソードをもう一つ。

病院でばあちゃんの最期を見守っているとき
突然、親父が
「ばあちゃん、あんたの好きだったあの服持ってきたからね」と言い出した。

家族みんなが「どの服？」と気になっていたんだけど

親父は誇らしげに
「ばあちゃん、いつも赤いカーディガンが好きだっただろう？」と言ってカバンから取り出した。

しかし、取り出してみたら
そのカーディガンはどう見ても違う服。

「それ、どっから持ってきた？全然違うよ！」と言うと…

親父は「あれ？赤いのじゃなかったっけ？」と真剣な顔で考え始めた。

母さんが「それは私の服でしょ！」と笑いながら突っ込むと
親父もようやく気づいて「あ、！」と顔を赤くして

結局、最後はみんなで「お父さん、しっかりして！」と
声を揃えて笑みが出て、その場の空気が和んだ。

この『家族 葬』の笑顔に、きっとおばあちゃんも天国で微笑んでくれていると思う。