日本のペットボトル、リサイクル率は88.5%
人によっては毎日PETボトル飲料を買って飲んでいるだろう。
2020年度の国内における清涼飲料用PETボトルの出荷本数は217億本(PETボトルリサイクル年次報告2021 表3)。2020年10月1日現在の人口推計、1億2588万人で割り算すると、年間一人当たり172本という計算になる。
PETボトルは自治体や企業の責任で分別回収されているが、販売されているPETボトルの量に対して、実際どれくらいの量のPETボトルが回収され、リサイクル業者によって再資源化されている量はどのくらいなのか?
まずPETボトルなら何でもリサイクルにまわすかというと、そうではないらしい。https://www.petbottle-rec.gr.jp/more/specify_pet.html によると、回収してリサイクルする対象となるPETボトルは次の指定PETボトルに限られており、それらは、飲料(清涼飲料、果汁飲料、酒類、牛乳・乳飲料等)および特定調味料(しょうゆ、しょうゆ加工品、アルコール発酵潮位量、みりん風調味料、食酢、調味酢、ドレッシングタイプ調味料)とされている。そして、「食用油脂を含むもの(食用油、オイル成分を含むドレッシング等)、香辛料の強いもの(ソース、焼肉のたれ等)、非食品用途全般(洗剤、シャンプー、化粧品、医薬品等)のPETボトルは指定PETボトルではありません。」という注意書きがある。確かに、油やシャンプーなど洗浄しても容易に取れそうにない成分が混入すると、食品を入れる容器へのリサイクルは難しそうである。
これら指定PETボトルの詳細なマテリアルフローが、PETボトルリサイクル推進協議会によって調査されている。毎年公表されている報告書の最新版「PETボトルリサイクル年次報告2021」によると、
2020年度における指定PETボトルの販売量は551キロトン(233億本)
そのうち再資源化された量は488キロトン(国内344キロトン、海外144キロトン)
リサイクル率=再資源化量/ボトル販売量=488/551=88.5%
再資源化されたPETは、どのような製品になって生まれ変わるのか。
同報告書の表4に、2020年度具体的製品例と利用量が記されており、内訳は
・PETボトル 30%
・シート(食品用トレイ、ブリスターパック、食品用中仕切り、その他)40.7%
・繊維 16.5%
・成形品(一般資材、土木・建築資材、その他) 2.1%
・輸出向けペレット 10.7%
である。
ボトルtoボトルには、マテリアルリサイクルと、ケミカルリサイクルのパスがある。その他の製品へはマテリアルリサイクルである。